選定条件
対象は、5月13日に決算ファイルがある銘柄のうち、半導体関連として事業連動性が確認できる企業とした。
- 対象日:2026-05-13
- 対象領域:半導体装置、半導体検査、電子基板、半導体工場インフラ
- 条件:売上高、営業利益、純利益がすべて前年比プラス
- 除外:売上または営業利益が減少している銘柄、純利益が減益の銘柄
半導体関連 増収増益5社
| 企業名|コード | 決算期 | 主な位置づけ | 売上高 | 営業利益 | 純利益 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 日本マイクロニクス|6871 | 2026年12月期1Q | 半導体検査部品 | 209.45億円(+48.3%) | 56.47億円(+97.6%) | 43.92億円(+162.5%) | 27.0% |
| 山一電機|6941 | 2026年3月期通期 | 検査ソケット・コネクタ | 526.98億円(+16.3%) | 115.56億円(+40.5%) | 90.73億円(+73.1%) | 21.9% |
| メイコー|6787 | 2026年3月期通期 | 高密度電子基板 | 2,405.74億円(+16.3%) | 245.72億円(+28.8%) | 197.82億円(+32.5%) | 10.2% |
| オルガノ|6368 | 2026年3月期通期 | 超純水・水処理設備 | 1,776.54億円(+8.8%) | 376.48億円(+21.0%) | 284.00億円(+17.6%) | 21.2% |
| 芝浦メカトロニクス|6590 | 2026年3月期通期 | 半導体製造装置 | 880.39億円(+8.8%) | 152.62億円(+8.0%) | 111.73億円(+8.2%) | 17.3% |
※営業利益率は売上高と営業利益からの概算。
1. もっとも強いのは検査関連
今回の5社で最も伸びが目立つのは、日本マイクロニクスと山一電機である。
日本マイクロニクスは、1Q時点で売上高48.3%増、営業利益97.6%増、純利益162.5%増。 営業利益率も概算で27.0%と高く、検査部品需要の強さが利益に直結している。
山一電機も、売上16.3%増に対して営業利益40.5%増、純利益73.1%増。 営業利益率は21.9%で、検査ソケット・コネクタ領域の収益性の高さが見える。
半導体市場では、AI向け、車載、データセンター向けの高性能品ほど検査工程の重要性が増す。 そのため、完成品メーカーよりも先に、検査部品・テスト周辺で業績の改善が見えやすい局面がある。
2. メイコーはAIサーバー・高密度基板の流れを見る銘柄
メイコーは売上高2,405.74億円、営業利益245.72億円、純利益197.82億円。 増収率は16.3%、営業増益率は28.8%で、規模と成長のバランスが良い。
同社は半導体製造装置そのものではないが、電子基板の需要を通じて、AIサーバー、自動車、産業機器などの投資サイクルに近い位置にいる。 半導体そのものの出荷だけでなく、周辺回路・実装基板の需要まで広げて見ると、今回の決算ではメイコーの存在感が大きい。
3. オルガノは「半導体工場投資」の受益側
オルガノは、半導体製造装置メーカーではない。 しかし、半導体工場に不可欠な超純水・水処理設備を担うため、工場建設や増設の投資サイクルと強く結びつく。
今回の決算では、売上高8.8%増、営業利益21.0%増、純利益17.6%増。 営業利益率も21.2%と高く、半導体工場インフラの需要が収益性に反映されている。
AI半導体の需要が伸びるほど、チップだけでなく、工場、電力、水処理、クリーンルーム、検査工程まで投資対象が広がる。 その意味で、オルガノは「半導体の外側にある中核インフラ」として評価したい。
4. 芝浦メカトロニクスは装置系の堅実増益
芝浦メカトロニクスは、売上高8.8%増、営業利益8.0%増、純利益8.2%増。 伸び率は日本マイクロニクスや山一電機ほど大きくないが、半導体製造装置関連として着実な増収増益である。
営業利益率は17.3%で、装置銘柄として十分に高い水準。 今後は、受注残、メモリ投資、先端パッケージ投資、顧客の設備投資タイミングを確認したい。
見送り候補:東京精密、SCREEN、KOKUSAI
今回の条件では、東京精密、SCREENホールディングス、KOKUSAI ELECTRICは上位5社から外した。
理由はシンプルで、今回の記事では「売上高・営業利益・純利益がすべて前年比プラス」を条件にしたためである。
- 東京精密:売上高と営業利益は増加したが、純利益は減益
- SCREENホールディングス:売上高、営業利益、純利益がいずれも減少
- KOKUSAI ELECTRIC:売上高、営業利益、純利益がいずれも減少
半導体装置の主力企業でも、決算タイミングによっては受注・検収・製品ミックスの影響で増収増益にならない。 そのため、半導体テーマは「銘柄名の強さ」だけでなく、当期の数字が実際に伸びているかを分けて見る必要がある。
今回の結論
5月13日の半導体関連決算では、主役は大型装置メーカーだけではなかった。 むしろ、検査部品、基板、工場インフラのような周辺領域で、増収増益が確認できる銘柄が目立った。
今回の5社を分類すると、次のようになる。
- 高成長型:日本マイクロニクス
- 高収益・検査関連型:山一電機
- 基板・実装需要型:メイコー
- 工場インフラ型:オルガノ
- 装置堅実成長型:芝浦メカトロニクス
半導体サイクルを見るときは、装置メーカーだけでなく、検査、基板、水処理、工場設備まで広げて確認したい。 今回の決算は、AI・先端半導体投資の恩恵が、製造装置の外側にも広がっていることを示している。
出典
本記事は、2026年5月13日に開示された各社の決算短信を基に作成。
- 日本マイクロニクス:`2026年12月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)`
- 山一電機:`2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)`
- メイコー:`2026年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)`
- オルガノ:`2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)`
- 芝浦メカトロニクス:`2026年3月期 決算短信[日本基準](連結)`