決算サマリー
| 項目 | 2026年4月期3Q累計 | 前年同期比 | 2026年4月期通期予想 |
|---|---|---|---|
| プロジェクト収益 | 83.49億円 | +125.1% | 110.00億円から130.00億円 |
| 売上収益 | 44.15億円 | +194.5% | 50.00億円から60.00億円 |
| 営業利益 | -71.37億円 | 赤字縮小 | -103.00億円から-93.00億円 |
| 税引前利益 | -50.16億円 | 赤字縮小 | -107.00億円から-97.00億円 |
| 親会社の所有者に帰属する四半期利益 | -50.17億円 | 赤字縮小 | -107.00億円から-97.00億円 |
| 基本的1株当たり四半期利益 | -37.41円 | - | -79.59円から-72.15円 |
成長率は高いが、赤字先行の事業ステージである点は変わらない。
受注と事業進捗
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 当第3四半期累計の受注総額 | 35.73億円 |
| 受注残総額 | 255.48億円 |
| 受注残などの単純合算額 | 411.48億円 |
主な受注・進捗として、米空軍研究所からの新規防衛調査案件、REFLEX-Jの初年度契約、防衛省の自国衛星監視・防御技術に関する研究案件などが挙げられている。
ESAとNASAからは軌道上改修・アップグレードサービスに関する調査案件を受注している。JAXA宇宙戦略基金では燃料補給技術の開発に関する交付決定を受けた。
ポジティブ要因
売上収益が大きく伸びた
売上収益は44.15億円で194.5%増となった。政府補助金収入を加えたプロジェクト収益は83.49億円で125.1%増である。
赤字幅は縮小
営業損失は71.37億円で、前年同期の156.83億円から縮小した。親会社の所有者に帰属する四半期損失も50.17億円となり、前年同期の163.24億円から改善している。
防衛・政府需要の追い風
宇宙防衛、宇宙領域把握、衛星寿命延長、燃料補給などの政府・防衛関連需要が広がっている。受注残の積み上げが続くかが中長期の評価軸となる。
財務基盤は増資で改善
資本合計は104.17億円、親会社所有者帰属持分比率は31.9%となった。新株発行により資本金及び資本剰余金が増加している。
リスク要因
キャッシュアウトが大きい
営業キャッシュ・フローは99.45億円の支出、投資キャッシュ・フローは53.39億円の支出だった。現金及び現金同等物は139.29億円で、前期末から73.71億円減少している。
通期でも大幅赤字を見込む
2026年4月期通期は、営業損失93.00億円から103.00億円、当期損失97.00億円から107.00億円を見込む。売上総利益の黒字化を目指す一方、営業利益とフリー・キャッシュ・フローの黒字化には時間がかかる。
受注残はそのまま収益化されるとは限らない
受注残総額は大きいが、技術開発の進捗や契約条件によってマイルストーン収入の一部が支払われない可能性がある。受注残の質と収益認識時期を確認する必要がある。
希薄化リスクに注意
今回の期中レビューは、転換社債型新株予約権付社債や第三者割当による新株式発行に関連して実施された。成長資金の確保は前向きだが、既存株主にとっては希薄化リスクを伴う。
財務安全性
資産合計は327.04億円、資本合計は104.17億円、親会社所有者帰属持分比率は31.9%である。
財務活動によるキャッシュ・フローは72.18億円の収入だった。主に株式発行による収入106.21億円と短期借入金の純増加11.49億円が資金流入となった。
通期見通し
2026年4月期通期予想は、プロジェクト収益110.00億円から130.00億円、売上収益50.00億円から60.00億円である。
会社は、売上収益の増加と全額拠出案件比率の改善により、売上総利益の通期黒字化を目指すとしている。長期的には売上総利益率30%台半ば、営業利益率20%台半ばを財務目標に掲げている。
総合判断
総合判断は中立である。
売上収益の急拡大、赤字幅縮小、防衛・政府案件の進捗は明確な評価材料である。一方、営業赤字とキャッシュアウトは依然大きく、資金調達と受注残の収益化が投資判断の中心になる。宇宙インフラ市場の成長性は高いが、株式としては実証・受注・資金繰りの3点を慎重に確認したい。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2026年4月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結)(開示事項の変更及び公認会計士等による期中レビューの完了)」、アストロスケールホールディングス、開示日: 2026-05-19