決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前期実績 | 増減率 | 次期予想 | 見方 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 7,943億円 | 7,274億円 | 9.2%増 | 8,180億円 | 最高更新見通し |
| 営業利益 | 553億円 | 217億円 | 154.9%増 | 590億円 | 高水準継続計画 |
| 経常利益 | 532億円 | 188億円 | 182.4%増 | 540億円 | さらに拡大余地 |
| 純利益 | 347億円 | 125億円 | 178.4%増 | 中計あり | 過去最高 |
| 受注高 | 8,511億円 | 前期比大幅増 | - | 7,800億円 | 手持ちは厚い |
国内大型工事が業績回復を牽引した。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| 国内土木売上高 | 3,259億円 | 前期比6.1%増 | 安定成長 |
| 国内建築売上高 | 2,734億円 | 前期比7.4%増 | 大型工事が寄与 |
| 海外建設損益 | △32億円 | 前期△156億円 | 改善も赤字継続 |
利益は大幅改善したが、海外事業の完全回復には至っていない。
ポジティブ要因
国内工事で採算改善
国内土木・国内建築とも売上増と採算改善が進み、セグメント利益が大きく伸びた。
受注環境が強い
2025年度受注高は8,511億円に達し、期初手持工事高は過去最高となった。
営業CFは大幅黒字
営業CFは684億円の収入超過で、利益拡大がキャッシュ創出にもつながっている。
リスク要因
海外建設はまだ赤字
海外建設事業は前期から大幅改善したが、建築工事の採算見直しや設備子会社損失で32億円の赤字が残った。
有利子負債は増加
有利子負債残高は1,961億円と前期比297億円増加した。
資材・原油価格の不透明感
原油や原油由来資材価格の高騰、供給制約には引き続き注意が必要である。
財務安全性
総資産は7,904億円、純資産は1,990億円で、自己資本比率は25.1%である。営業CFは強いが、大型基礎施工船等への投資で投資CF支出も大きい。財務は改善方向だが、建設会社としては負債管理が継続課題になる。
業界動向との関連
国内では港湾、防衛、物流、データセンターなど大型案件需要が強い。建設業界は景気循環よりも大型案件採算の影響が大きく、五洋建設は国内の追い風を取り込みやすい一方、海外案件の個別リスクが残る。
株価への示唆
最高益更新と厚い受注残は前向き材料である。国内大型案件の進捗が続き、海外赤字がさらに縮小する場合は評価余地がある一方、海外工事で追加損失が出る場合は慎重姿勢が残る可能性がある。株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。
今期の総括
2026年3月期は、国内工事の伸長で過去最高益を更新した。海外の課題は残るが、全社ベースでは大きく立て直した年度である。
来期見通し
2026年度予想は売上高8,180億円、営業利益590億円、経常利益540億円を見込む。中期経営計画ではさらなる最高更新を目指す。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
総合判断
総合判断は強めの中立である。国内事業は非常に強いが、海外建設の採算安定化がなお残された論点だからである。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」、2026年5月8日開示