決算サマリー

項目当期実績前年同期増減率会社計画進捗率
売上高2,118.14億円2,098.37億円+0.9%--
営業利益65.84億円42.81億円+53.8%--
純利益55.51億円35.03億円+58.5%--
EPS190.59円118.49円+60.9%--

売上の伸びは小さい一方、原料ポジション改善と販売量増加で利益率が大きく改善しました。

定量評価

指標直近実績比較対象見方
EPS成長率+60.9%前期比収益改善が大きく、株主利益の伸びも高水準です
ROIC開示なし-短信に開示がなく、厳密算定は行っていません
PER推移9.0倍同業3社の現在PER 10.0-20.4倍、2026年5月7日時点現在評価は同業レンジの下側です

数字からみると、利益成長は非常に強い一方、株価評価はまだ慎重で、来期本業減益計画を織り込んでいる可能性があります。

ポジティブ要因

飼料セグメントの収益改善

飼料セグメント売上高は1,911.81億円で前期比0.1%減でしたが、セグメント利益は64.86億円で同63.9%増でした。養鶏・養豚飼料の拡販と原料ポジション改善が利益率を押し上げています。

水産・高付加価値商品の改善

水産飼料は販売量の増加に加え、原料相場の下落や配合設計見直しで利益率が向上しました。差別化飼料の比率上昇も収益性改善を支えています。

その他事業も売上成長

その他事業売上高は206.33億円で前期比11.9%増でした。特殊卵の販売強化や有機入り配合肥料の販売増加が寄与しています。

高い財務安定性

自己資本比率は66.8%で前期末比0.4ポイント改善しました。営業キャッシュ・フローは71.93億円の黒字で、現金及び現金同等物も118.31億円を維持しています。

リスク要因

エネルギー・原料価格の上昇

会社は中東情勢の緊迫化によるエネルギーコスト増、物価上昇、高水準の飼料価格安定基金負担金を来期の重荷として挙げています。原料相場次第で利益率が振れやすい事業です。

来期営業減益計画

2027年3月期会社計画は売上増でも営業利益59.00億円と前期比10.4%減です。今期の高収益がそのまま続く前提ではない点に注意が必要です。

純利益見通しには特別利益が含まれる

横浜市の物流倉庫賃貸物件売却に伴い、来期は固定資産売却益31億円を特別利益に計上する予定です。本業の収益力とは異なる要因が含まれています。そのため、来期は純利益だけでなく営業利益の減少もあわせて見る必要があります。

飼料業界の循環性

飼料業界は穀物相場、為替、基金負担金に左右されやすく、業績は一定ではありません。販売量が伸びても原材料条件次第で収益性が大きく変動する点がリスクです。

財務安全性

自己資本比率は66.8%で高水準、流動資産679.77億円に対し流動負債は250.12億円のため、流動比率は約272%と安全圏です。有利子負債は短長借入金合計で約93.75億円と総資産の1割未満にとどまります。営業キャッシュ・フローは71.93億円の黒字で、設備投資と自己株取得を行っても現金残高は大きく毀損していません。

業界動向との関連

飼料業界は、とうもろこし価格や為替、飼料価格安定基金負担金に左右される典型的な市況産業です。当該業界は景気循環の影響を強く受けるため、業績は一定ではありません。中部飼料は研究施設活用や差別化飼料で競争優位を狙っていますが、市況要因の影響は避けにくい構造です。

株価への示唆

前提は、2027年3月期会社予想EPS240.45円、2026年5月7日時点の株価1,714円で、予想PERは約7.1倍です。同業比較では昭和産業、日本ハム、ニチレイなどの現在PERは10倍台から20倍台にありますが、事業構成の違いが大きいため中部飼料はより保守的なレンジで見るのが妥当です。株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。

シナリオ想定PER予想EPS理論株価
弱気7倍240.45円1,683円
中立8倍240.45円1,924円
強気9倍240.45円2,164円

上記は飼料セグメントの収益力が大きく崩れず、物件売却益を除いた本業も一定水準を維持することを前提とした試算です。原料高と基金負担金の高止まりが続く場合は弱気ケースに近づく可能性があります。一方、差別化飼料比率上昇とROIC改善が進めば上振れ余地もあります。現在株価は弱気ケース近辺です。

今期の総括

2026年3月期は、販売量増加と原料ポジション改善が利益面で大きく効き、営業利益以下は大幅増益となりました。利益水準は強い一方で、外部環境の追い風と内部改善の両方が寄与している点を切り分けて見る必要があります。

来期見通し

2027年3月期の会社計画は、売上高2,210.00億円、営業利益59.00億円、経常利益62.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益69.00億円、EPS240.45円です。営業利益は減益計画ですが、純利益は固定資産売却益31億円の計上で増加見通しです。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。

総合判断

総合判断は中立である。今期の利益成長と財務安定性は評価できますが、来期営業減益計画と市況依存の強さを踏まえると、評価引き上げには本業の収益持続が必要です。固定資産売却益を除いた実力利益の推移が次の注目点になります。

出典

本記事は、対象企業が開示した決算短信・開示資料を基に作成しています。

  • 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)、2026年5月7日開示
  • 補足市場データ: 時価総額、PER、競合他社比較は、東京証券取引所、またはYahoo!ファイナンス掲載の情報を参照しています(2026年5月7日時点)。
本記事は、公開情報に基づいた教育的・情報提供のみを目的としており、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨または勧誘するものではありません。掲載内容の正確性については万全を期しておりますが、その内容や将来の投資成果を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行っていただけますようお願い申し上げます。