決算サマリー

項目当期実績前年同期増減率会社計画進捗率
売上高502.57億円440.77億円+14.0%528.00億円-
営業利益187.61億円167.15億円+12.2%193.00億円-
純利益124.87億円109.55億円+14.0%134.00億円-
EPS39.36円34.54円+14.0%41.91円-

受託件数は減少したが、案件単価上昇で売上・利益の双方が最高水準に達した。

定量評価

指標直近実績比較対象見方
EPS成長率+14.0%前年同期比利益成長は回復基調である
ROIC開示なし-高収益だが短信でROIC開示はない
PER推移約15.5倍2026年5月時点の観測株価650円、会社予想EPS41.91円市場は再成長を一定程度織り込んでいる

利益率は高いが、案件単価に依存する面もあり、評価は再成長確認待ちの中立圏とみられる。

ポジティブ要因

大型案件の比率が上がった

成約件数は1,061件で減少したが、1件当たりM&A売上高は45.7百万円まで上昇し、収益性が改善した。

利益率は高水準を維持した

経常利益率は38.1%と高く、費用抑制と案件単価上昇が利益体質を支えた。

ダイレクトマーケティングが効いた

全国セミナーの申込者数は前年同期比1.5倍超の1万人超となり、新規案件パイプラインの拡大につながっている。

地域金融機関との連携が進んだ

沖縄銀行との合弁設立など、地域金融機関連携を広げており、地方の事業承継案件獲得余地は大きい。

リスク要因

新規受託件数は減っている

新規受託件数は1,281件で前期の1,432件から減少した。量から質への転換が成功し続けるかは今後の検証が必要である。

案件単価依存が強まっている

大型案件が減る場合、件数減少を単価上昇で補えなくなる可能性がある。

競争環境は厳しい

M&A仲介市場は競合増加が続いており、信頼回復後の再成長を持続できるかが問われる。

AI活用は短期利益と直結しない

商談解析や企業データベース整備は中長期の競争力向上に資するが、AI需要は中長期テーマであり、短期業績とは必ずしも一致しません。

財務安全性

自己資本比率は75.8%で高く、現金同等物は394.40億円と厚い。営業CFも155.51億円の黒字で、財務安全性は高い。一方で、配当支払額が大きく、成長投資と高還元の両立が続くかは確認したい。

業界動向との関連

国内では事業承継ニーズの拡大が続き、M&A仲介業界の市場自体は拡大基調にある。ただし参入増加で競争は強い。日本M&AセンターHDは案件実績、金融機関連携、ブランド力で優位性を維持している。

株価への示唆

前提は2027年3月期会社予想EPS41.91円、観測株価650円、予想PER約15.5倍である。再成長シナリオは大型案件の継続と新規受託回復が前提であり、件数減少が続く場合は評価修正もありうる。株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。

シナリオ想定PER予想EPS理論株価
弱気13倍41.91円545円
中立15.5倍41.91円650円
強気18倍41.91円754円

大型案件が続き受託件数も底打ちする場合は強気シナリオに近づく可能性がある。一方で、受託件数の減少が続く場合は弱気シナリオを意識しやすい。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。

今期の総括

2026年3月期は、件数より質を重視する戦略転換が利益面で成果を示し、再成長ステージ入りを印象づけた。

来期見通し

会社は2027年3月期に売上高528.00億円、営業利益193.00億円、経常利益193.00億円、純利益134.00億円、EPS41.91円を計画する。小幅増益で、足元の高収益体制を維持する想定である。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。

総合判断

総合判断は中立である。利益率と財務は強いが、新規受託件数の減少が残るため、強気判断には案件基盤の回復確認が必要だからである。次は受託件数と成約件数の反転が注目点となる。

出典

本記事は、対象企業が開示した決算短信・開示資料を基に作成しています。

  • 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)、2026年4月30日開示
  • 補足市場データ: 株価は市場データを参照しています。株価への示唆は会社予想EPSを用いて算出しています(2026年5月時点)
本記事は、公開情報に基づいた教育的・情報提供のみを目的としており、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨または勧誘するものではありません。掲載内容の正確性については万全を期しておりますが、その内容や将来の投資成果を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行っていただけますようお願い申し上げます。