決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 170.01億円 | 131.02億円 | +29.8% | 213.68億円 | - |
| 営業利益 | 34.63億円 | 28.17億円 | +22.9% | 35.73億円 | - |
| 純利益 | 24.61億円 | 16.91億円 | +45.5% | 24.68億円 | - |
| EPS | 58.67円 | 40.31円 | +45.5% | 57.93円 | - |
購買事業の高成長が全体を押し上げ、メディアの収益も安定している。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +45.5% | 前年同期比 | 利益成長は高水準である |
| ROIC | 開示なし | - | 決算短信にROIC開示はなく、ここでは推計を置かない |
| PER推移 | 約16.2倍 | 2026年5月8日時点の観測株価938円、会社予想EPS57.93円 | 成長株としては極端な過熱感はない |
売上と利益の伸びは強いが、利益率の質と成長投資の持続性を併せてみる必要がある。
ポジティブ要因
購買事業が急成長した
購買事業売上高は60.28億円で前期比85.7%増となった。リテールパートナー拡大と既存取引先での案件拡大が寄与した。
メディア事業も堅調である
メディア事業売上高は80.30億円で前期比6.3%増だった。内製コンテンツ強化と内部回遊施策がPV改善につながった。
高い利益率を維持している
営業利益率は20.4%、Non-GAAP営業利益率も21.3%と高水準である。営業CFも28.69億円の黒字だった。
新規領域の拡張を進めている
2026年1月にVTuber事業を譲り受け、その他事業の安定化やイベント運営、グッズ販売の運用知見獲得を進めている。
リスク要因
売上総利益率はやや低下した
売上総利益率は49.6%から47.4%へ低下した。購買事業比率上昇に伴うミックス変化が影響している。
M&A後の統合リスクがある
VTuber事業譲受は新規成長領域だが、統合や運営体制整備が想定どおり進まない場合は収益性に影響する可能性がある。
Non-GAAPとGAAPの差を見分ける必要がある
会社は無形資産償却やのれん償却を調整したNon-GAAP利益も提示している。評価時は会計利益との違いを理解する必要がある。
無配継続である
2026年3月期、2027年3月期予想とも配当は0円である。成長投資優先の局面だが、還元面は限定的である。
財務安全性
総資産は169.19億円、自己資本比率は78.3%で高い。営業CFは28.69億円の黒字、投資CFは3.55億円の赤字、財務CFは1.77億円の黒字で、期末現金同等物は115.99億円に達している。財務安全性は非常に高い。
業界動向との関連
レシピ・メディア領域は広告だけでなく購買データ活用やリテールメディア化が進んでいる。クラシルはメディア送客に加え購買事業を伸ばしており、生活者データ活用の流れに乗っている。
株価への示唆
前提は、2027年3月期会社予想EPS57.93円、2026年5月8日時点の観測株価938円で、予想PERは約16.2倍である。高成長と高利益率を踏まえると一定の評価は妥当だが、成長率鈍化や新規事業統合の遅れには注意が必要である。株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。
| シナリオ | 想定PER | 予想EPS | 理論株価 |
|---|---|---|---|
| 弱気 | 14倍 | 57.93円 | 811円 |
| 中立 | 16倍 | 57.93円 | 927円 |
| 強気 | 18倍 | 57.93円 | 1,043円 |
購買事業の高成長が続き、利益率も維持できる場合は強気シナリオに近づく可能性がある。一方で、成長投資やM&A統合コストが先行する場合は弱気シナリオを意識しやすい。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
今期の総括
2026年3月期は、購買事業の急拡大を軸に高成長を維持した。収益力も高いが、事業ポートフォリオ変化を追う必要がある。
来期見通し
会社は2027年3月期に売上高213.68億円、営業利益35.73億円、経常利益35.84億円、純利益24.68億円、EPS57.93円を見込む。増収増益計画だが、利益の伸びは売上ほど大きくなく、成長投資継続を織り込んだ計画とみられる。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
総合判断
総合判断は中立である。成長性は高いが、購買事業比率上昇による収益構造変化と新規事業統合の行方を見極めたいからである。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信・開示資料を基に作成しています。
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)、2026年5月1日開示
- 補足市場データ: 株価は市場データを参照しています。株価への示唆は会社予想EPSを用いて算出しています(2026年5月8日時点)