決算サマリー

項目当期実績前年同期増減率会社計画進捗率
売上高54.30億円54.08億円+0.4%--
営業利益1.73億円1.25億円+38.3%--
純利益1.01億円0.43億円+134.5%--
EPS23.95円10.21円+134.6%--

売上は横ばい圏にとどまったものの、エンターテインメント事業の採算改善とシステム事業の伸長で営業利益率は3.2%まで上昇した。

定量評価

指標直近実績比較対象見方
EPS成長率+134.6%前期比最終利益は大きく伸びたが、一時要因を含むため持続性は慎重に見る必要がある
ROIC約5.2%前期概算約4.5%投下資本効率は改善したが、依然として高収益企業の水準には届いていない
PER推移約28.6倍2026年5月7日時点の予想PER約26.5倍、類似小型サービス株のPER 10.3-17.8倍市場は小型成長余地をある程度織り込んでいる

数字からみると、本業の営業改善は確認できる一方、低自己資本と高めのバリュエーションが評価の上限を抑えやすい局面である。

ポジティブ要因

エンターテインメント事業の採算改善

主力のエンターテインメント事業は売上高31.38億円で前期比2.5%減だったが、セグメント利益は2.67億円で同42.0%増となった。売上を追うより店舗運営の基本徹底と収益率改善が効いている。

システム事業が増収増益

システム事業は売上高22.07億円で前期比5.0%増、セグメント利益は1.84億円で同24.4%増だった。セルフ化支援やAOKIホールディングス向け導入が業績を支えた。

売上総利益率の改善

売上総利益は11.19億円で前期比9.1%増となり、売上総利益率は18.9%から20.6%へ改善した。売上横ばいでも粗利改善で営業利益を押し上げた点は前向きに評価できる。

営業キャッシュ・フローは黒字維持

営業キャッシュ・フローは3.06億円の黒字で、前期の2.49億円から拡大した。減価償却費2.42億円と税引前利益1.11億円が資金創出を支えた。

リスク要因

純利益増には一時要因が含まれる

当期は受取立退料0.73億円の特別利益を計上した一方、減損損失0.47億円や店舗閉鎖損失0.13億円も計上している。本業の収益力とは異なる要因が含まれています。純利益の伸びだけで事業改善を判断するのは危うい。

財務レバレッジが高い

自己資本比率は7.7%と前期の5.8%から改善したが、依然として低い。短期借入金10億円の新規調達もあり、金利上昇や資金繰り悪化に対する耐性は高くない。

経常利益は減少

営業利益が増えた一方、経常利益は1.06億円で前期比4.8%減だった。支払手数料0.30億円、支払利息0.45億円が利益を圧迫しており、財務負担の重さが残る。

事業環境は景気影響を受けやすい

複合カフェやアミューズメント需要は人流回復の恩恵を受ける一方、消費者の節約志向や固定費上昇の影響を受けやすい。インバウンド取り込みが想定より弱い場合は下振れ要因となる可能性がある。

財務安全性

自己資本比率は7.7%で、前期の5.8%からは改善したものの依然として低水準である。流動資産16.03億円に対し流動負債は17.52億円で、流動比率は約91.5%と100%を下回る。有利子負債は短長借入金とリース債務を合算すると約29.0億円に達し、総資産に対する割合も高い。一方、営業キャッシュ・フローは3.06億円の黒字を維持しており、直近の資金繰りは保たれている。

業界動向との関連

複合カフェやアミューズメント業界は人流回復を追い風に持ち直しているが、光熱費や人件費上昇が続いている。ランシステムは単なる店舗回復だけでなく、省人化やシステム外販を組み合わせることで、同業より収益源を分散させようとしている点が特徴である。

株価への示唆

前提は、2027年3月期会社予想EPS25.88円、2026年5月7日時点の株価685円で、予想PERは約26.5倍である。類似する小型サービス・運営支援株の現在PERは10倍台前半から後半が中心で、ランシステムはそれを上回る評価水準にある。もっとも、市場は完全セルフ型オンラインダーツ店舗やシステム外販の拡大余地を一定程度織り込んでいるとも考えられる。株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。

シナリオ想定PER予想EPS理論株価
弱気22倍25.88円569円
中立26倍25.88円673円
強気30倍25.88円776円

上記は、エンターテインメント事業の利益率改善とシステム事業の拡販が継続することを前提にした試算である。借入依存度の高さや景気変動の影響が強まる場合は弱気シナリオに近づく可能性がある。一方、Smart Darts出店加速やSIPP制度による販路拡大が収益に結びつく場合は強気シナリオも視野に入る。現在株価は中立シナリオをやや上回る水準にある。

今期の総括

2026年3月期は、複合カフェ運営の採算改善とシステム事業の成長で営業利益を押し上げた期だった。一方で、純利益の増加には特別利益が含まれ、財務構造もなお脆弱であるため、回復の質を慎重に見極める必要がある。

来期見通し

2027年3月期会社計画は、売上高48.00億円で前期比11.6%減、営業利益1.80億円で同3.5%増、経常利益1.30億円で同21.9%増、純利益1.10億円で同8.1%増としている。売上減少計画の一方で営業増益を見込む背景には、収益率が改善したエンターテインメント事業、システム事業での外販強化、コストマネジメントがある。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。

総合判断

総合判断は中立である。営業利益率改善と営業キャッシュ・フロー黒字は評価できるが、自己資本比率7.7%、流動比率91.5%、高い予想PERを踏まえると、現時点では財務リスクを大きく上回る安心感はまだない。次回以降は、特別要因を除いた経常利益の伸びと財務体質の改善が続くかが焦点となる。

出典

本記事は、対象企業が開示した決算短信・決算説明資料などの計算書類・開示資料を基に作成しています。

  • 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)、2026年5月7日開示
  • 補足市場データ: 株価、時価総額、PER、競合他社比較は、東京証券取引所、またはYahoo!ファイナンス掲載の情報を参照しています(2026年5月7日時点)。
本記事は、公開情報に基づいた教育的・情報提供のみを目的としており、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨または勧誘するものではありません。掲載内容の正確性については万全を期しておりますが、その内容や将来の投資成果を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行っていただけますようお願い申し上げます。