決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 182.61億円 | 110.52億円 | +65.2% | 561.50億円 | 32.5% |
| 営業利益 | 61.15億円 | 55.50億円 | +10.2% | 159.76億円 | 38.3% |
| 純利益 | 38.29億円 | 35.84億円 | +6.8% | 91.78億円 | 41.7% |
| EPS | 227.24円 | 216.48円 | +5.0% | 545.01円 | - |
Q1としては高進捗で推移したが、不動産売却計上型のため、四半期進捗だけで通期を単純に上振れ視するのは早い。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +5.0% | 前年同期比 | 売上成長ほど利益成長が伸びておらず、金利コスト等も影響している |
| ROIC | 開示なし | - | 四半期短信ではROICの開示がなく、ここでは推計を置かない |
| PER推移 | 約5.5倍 | 2026年5月8日時点の株価2,969円、会社予想EPS544.61円相当 | 進捗の高さを踏まえても低位で、不動産市況敏感株らしい評価である |
利益率は高いが、物件売却時期の偏りが大きいため、進捗率の見た目だけでなく在庫や資金調達環境も見る必要がある。
ポジティブ要因
不動産投資売上が大きく伸びた
コーポレートファンディング事業の不動産投資売上は158億円で前年同期比79.5%増となった。東京都内オフィスビルの売却が寄与している。
利益率は引き続き高い
営業利益率は33.5%で高水準を維持した。不動産金融ビジネスとしての収益性は依然高い。
AUMと貸付残高が拡大している
アセットマネジメント事業売上は72.0%増、クラウドファンディング事業の営業貸付金残高は前期末比30.1%増となった。売却益依存だけでない収益基盤拡大が進んでいる。
通期計画は据え置きである
会社は通期計画を据え置いており、Q1は概ね当初計画通りとしている。順調な出足ではある。
リスク要因
業績は物件売却タイミングに左右されやすい
不動産投資売上の寄与が大きく、案件計上時期で四半期数値がぶれやすい。高進捗でも通期着地が自動的に上振れるとは限らない。
金利上昇は逆風となりうる
当期は支払利息340百万円を計上している。今後の利上げ局面では資金調達コスト増が収益を圧迫する可能性がある。
財務レバレッジは高い
自己資本比率は26.6%で、不動産金融ビジネスとしては一定水準だが高くはない。借入依存が大きいため、市況変化時の感応度は高い。
ホテル市場やオフィス市況の変化に影響される
ホテル運営売上は微減で、オフィス市場も金融環境次第で変化する。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
財務安全性
総資産は1,311億円、自己資本比率は26.6%である。販売用不動産の取得に伴い借入金が増え、負債合計は957億円まで拡大した。不動産金融業として通常の範囲ではあるが、財務安全性は大型キャッシュを持つ資産株ほど高くはない。
業界動向との関連
都心オフィス市況は空室率低下と賃料上昇で堅調と会社は説明している。一方で、国内金利や米国政策、中東情勢が不動産投資家心理に影響しやすく、不動産金融ビジネスは外部環境との連動が強い。
株価への示唆
前提は、2026年12月期会社予想EPS545.01円、2026年5月8日時点の株価2,969円で、予想PERは約5.5倍である。高進捗を踏まえても低位にみえるが、不動産売却型収益と金利感応度を市場が織り込んでいる可能性がある。株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。
| シナリオ | 想定PER | 予想EPS | 理論株価 |
|---|---|---|---|
| 弱気 | 5倍 | 545.01円 | 2,725円 |
| 中立 | 6倍 | 545.01円 | 3,270円 |
| 強気 | 7倍 | 545.01円 | 3,815円 |
オフィス売買市場の堅調さが続き、通期計画達成確度が高まる場合は中立から強気に近づく。一方、金利上昇や物件売却の遅れが出る場合は弱気シナリオに寄る可能性がある。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
今期の総括
2026年12月期Q1は、大型物件売却が寄与し高い利益率を維持した。好スタートではあるが、通期評価には不動産市況と資金調達環境の確認が欠かせない。
来期見通し
会社は2026年12月期通期で売上高561.50億円、営業利益159.76億円、経常利益140.09億円、純利益91.78億円、EPS545.01円を見込んでおり、前回予想から修正していない。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
総合判断
総合判断は中立である。Q1の進捗は良好だが、不動産売却時期と金利の影響が大きく、低PERだけで評価を引き上げにくいためだ。次回決算では、在庫回転と資金調達コストの動きが焦点となる。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信・開示資料を基に作成しています。
- 2026年12月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)、2026年4月30日開示
- 補足市場データ: 株価、予想PERは市場データを参照して、算出されています(2026年5月8日時点)