決算サマリー

項目当期実績前年同期増減率会社計画進捗率
売上高518.74億円509.45億円+1.8%700.00億円74.1%
営業利益55.68億円42.67億円+30.5%56.00億円99.4%
純利益34.14億円37.84億円-9.8%32.00億円106.7%
EPS89.39円99.16円-9.9%83.80円106.7%

営業利益は通期計画にほぼ到達し、利益進捗は非常に高い一方、純利益は前年の高水準反動で減少しました。

定量評価

指標直近実績比較対象見方
EPS成長率-9.9%前年同期比最終利益は前年高水準の反動で減少しています
ROIC開示なし-短信に開示がなく、厳密な比較はできません
PER推移18.9倍同業3社の現在PER 17.7-32.7倍、2026年5月7日時点現在評価は同業レンジの下側から中位です

数字からみると、営業利益の改善が先行しており、利益の質は悪くありませんが、純利益の見え方は前年反動の影響を受けています。

ポジティブ要因

消費財・サービス事業の収益拡大

マーケティング支援(消費財・サービス)事業は売上高368.41億円で前年同期比4.2%増、営業利益27.91億円で同55.0%増でした。パネル調査・カスタムリサーチの堅調さと投資費用減少が効いています。

ヘルスケア事業の利益成長

ヘルスケア事業は売上高95.65億円で前年同期比0.4%減ながら、営業利益は22.77億円で同26.2%増でした。リサーチの高収益分野とリアルワールド関連が支えています。

財務体質の改善

純資産は352.59億円と前期末比19.38億円増加し、自己資本比率は70.6%から71.9%へ改善しました。利益剰余金の積み上がりが主因です。

基幹事業から成長事業への資源配分

第14次中計の最終年度として、基幹事業と成長事業を明確化し、グループ統廃合を含む最適フォーメーションへのシフトを進めています。中長期の事業基盤強化につながる可能性があります。

リスク要因

純利益は前年同期比で減少

営業増益に対し、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比9.8%減でした。営業段階の改善がそのまま最終利益の増加に結び付いていない点には留意が必要です。

BI事業の減収減益

ビジネスインテリジェンス事業は売上高54.67億円で前年同期比8.6%減、営業利益4.99億円で同24.5%減でした。長野事業所統合移転に伴う一時費用が減益要因です。

アジア景気と外部環境

会社は中国の緩やかな減速、中東情勢、金融資本市場変動、米国通商政策をリスクとして挙げています。海外景気や広告・リサーチ投資の鈍化が需要に影響する可能性があります。

Q4の不確実性

営業利益は通期計画にほぼ到達していますが、会社は予想を据え置いています。第4四半期に費用や案件構成の変動が出る可能性があります。

財務安全性

自己資本比率は71.9%で高水準です。流動資産322.20億円に対し流動負債は124.04億円で、流動比率は約260%と安全圏にあります。第3四半期短信ではキャッシュ・フロー計算書は作成されていませんが、現金及び預金は105.71億円を維持しています。短期の資金繰り不安は限定的です。

業界動向との関連

リサーチ・データ活用業界では、生成AIやデータ統合基盤の活用、CX高度化、ヘルスケア領域のPatient Centricity対応が成長テーマです。インテージHDは基幹リサーチを維持しつつ、ドコモ連携やDX案件で成長事業を育てている点が特徴です。

株価への示唆

前提は、2026年6月期会社予想EPS83.80円、2026年5月7日時点の株価1,694円で、予想PERは約20.2倍です。同業比較では大塚商会、INES、NRIの現在PERには幅がありますが、インテージHDは中位圏です。営業利益の進捗は強い一方、第4四半期の費用変動を見込むと、極端な評価上振れを前提にするのは早計です。株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。

シナリオ想定PER予想EPS理論株価
弱気18倍83.80円1,508円
中立20倍83.80円1,676円
強気22倍83.80円1,844円

上記は、消費財・サービス事業の高収益が継続し、BI事業の一時費用が一巡することを前提とした試算です。Q4で費用が膨らむ場合は弱気ケースに近づく可能性があります。一方、営業利益の上振れが通期でも維持されれば強気ケースもあり得ます。現在株価は中立ケース近辺です。

今期の総括

第3四半期累計では、営業利益が大きく伸び、通期計画にほぼ到達しました。事業ポートフォリオ見直しの効果が出始めていますが、純利益は前年を下回っており、利益成長の持続性はQ4で確認する必要があります。

来期見通し

来期予想はこの短信では開示されていません。現時点で会社が示しているのは2026年6月期通期計画で、売上高700.00億円、営業利益56.00億円、経常利益55.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益32.00億円、EPS83.80円です。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。

総合判断

総合判断は中立である。営業利益の進捗は高く、自己資本比率も71.9%と強固ですが、純利益は前年同期比で減少しており、BI事業の一時費用も残っています。Q4の着地と、成長事業への資源配分がどれだけ利益成長へつながるかが次の焦点です。

出典

本記事は、対象企業が開示した決算短信・開示資料を基に作成しています。

  • 2026年6月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)、2026年5月7日開示
  • 補足市場データ: 時価総額、PER、競合他社比較は、東京証券取引所、またはYahoo!ファイナンス掲載の情報を参照しています(2026年5月7日時点)。
本記事は、公開情報に基づいた教育的・情報提供のみを目的としており、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨または勧誘するものではありません。掲載内容の正確性については万全を期しておりますが、その内容や将来の投資成果を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行っていただけますようお願い申し上げます。