決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期・前期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率・見方 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 974.06億円 | 883.30億円 | 10.3%増 | 957.00億円 | 101.8% |
| 営業利益 | -29.27億円 | 57.73億円 | 赤字転落 | 44.00億円 | -66.5% |
| 経常利益・税引前利益 | -11.62億円 | 69.74億円 | 赤字転落 | 60.00億円 | -19.4% |
| 純利益 | 137.79億円 | 119.61億円 | 15.2%増 | 145.00億円 | 95.0% |
| EPS | 331.54円 | - | - | 356.65円 | 株価試算の基礎 |
売上高は974.06億円まで伸びたが、営業損失29.27億円となった。来期は営業利益44.00億円への黒字転換を計画しており、研究開発費や販売費のコントロールが焦点になる。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| 売上高営業利益率 | -3.0% | 前年・前期比較 | 採算の方向性を確認 |
| 自己資本比率 | 83.7% | 前期末比較 | 財務余力の目安 |
| EPS | 331.54円 | 1株利益 | 配当・株価評価の基礎 |
| ROIC | 開示なし | 短信では直接開示なし | 追加資料で確認したい |
| PER想定 | 10.0-16.0倍 | 予想EPSまたは実績EPSを使用 | 市場データを使わない条件付き試算 |
数字から見ると、売上の伸びと利益率の方向が評価の中心である。営業利益と純利益の動きが異なる場合は、一時要因や営業外損益、税金費用の影響を分けて見る必要がある。
ポジティブ要因
売上高は2桁増
売上高は974.06億円で10.3%増となった。製品売上の積み上げはポジティブである。
来期は営業黒字化を計画
2027年3月期は営業利益44.00億円、経常利益60.00億円を見込んでいる。
自己資本比率が高い
自己資本比率は83.7%で、研究開発負担を支える財務余力が大きい。
会社計画・配当の確認材料
会社計画が開示されており、通期に向けた進捗を確認しやすい。配当方針も合わせて見ることで、利益成長と株主還元のバランスを評価できる。
リスク要因
本業は営業赤字
営業損失29.27億円で、売上増が利益に結びついていない。
営業CFが赤字
営業CFは14.85億円の支出となり、本業の資金創出力には改善余地がある。
会社予想の前提
会社予想は現時点の前提に基づくものであり、需要、コスト、為替、金利、顧客投資動向によって変動する可能性がある。
財務安全性
総資産は2,750.86億円、純資産は2,315.36億円、自己資本比率は83.7%で、財務安全性は非常に高い。一方、営業CFは14.85億円のマイナスで、投資CFは175.00億円のプラスとなっているため、一時的な資産売却等を含めて資金繰りの質を確認したい。
| キャッシュフロー | 当期 | 前期 | 見方 |
|---|---|---|---|
| 営業CF | -14.85億円 | 65.21億円 | 本業の資金創出力を確認 |
| 投資CF | 175.00億円 | 49.52億円 | 投資・売却要因を確認 |
| 財務CF | -102.55億円 | -93.25億円 | 配当・借入返済などを確認 |
業界動向との関連
医薬品業界は研究開発投資、薬価改定、導出入契約、特許・パイプラインの進捗で業績が大きく変動する。売上成長だけでなく、研究開発費を含めた営業利益の回復が重要である。
株価への示唆
株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。市場株価データは使わず、会社予想EPSまたは実績EPSにシナリオPERを掛けた条件付き試算とする。業績進捗と利益率が維持される場合は上位シナリオに近づく可能性がある一方、計画未達や利益率低下が見える場合は評価倍率が抑えられる可能性がある。
| シナリオ | 想定PER | 使用EPS | 理論株価 |
|---|---|---|---|
| 弱気 | 10.0倍 | 356.65円 | 3,566円 |
| 中立 | 13.0倍 | 356.65円 | 4,636円 |
| 強気 | 16.0倍 | 356.65円 | 5,706円 |
今期の総括
2026年3月期は増収ながら営業赤字となり、最終利益だけでは実力を判断しにくい決算である。財務は強固で、来期の営業黒字化計画を実現できるかが最大の焦点である。
来期見通し
会社は2027年3月期通期で売上高957.00億円、営業利益44.00億円、経常利益60.00億円、純利益145.00億円を見込む。通期達成には、需要環境、価格転嫁、原材料費・人件費の抑制が前提となる。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
総合判断
総合判断は中立である。高い財務安全性と来期黒字化計画は評価できるが、当期の営業赤字と営業CF赤字を踏まえ、中立評価とした。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」、キッセイ薬品工業、2026年5月11日開示