決算サマリー

項目当期実績前年同期増減率会社計画進捗率
売上高564.74億円498.15億円+13.4%613.00億円-
営業利益58.05億円48.93億円+18.6%59.00億円-
純利益49.95億円39.69億円+25.8%40.00億円-
EPS150.57円119.49円+26.0%122.04円-

電子材料と産業用構造材料が全体をけん引した一方、来期の利益計画はやや保守的である。

定量評価

指標直近実績比較対象見方
EPS成長率+26.0%前年同期比利益成長は強い
ROIC開示なし-決算短信ではROICの開示がなく、ここでは推計を置かない
PER推移約18.3倍2026年5月7日時点の観測株価2,238円、会社予想EPS122.04円成長期待を一定程度織り込む水準である

足元業績は良いが、来期 EPS は減少見通しであり、モメンタム一辺倒ではない。

ポジティブ要因

電子材料が好調だった

電子材料の売上高は358.82億円で前期比14.0%増、セグメント利益は35.58億円で同24.7%増となった。スマートフォンと半導体向け需要が追い風である。

産業用構造材料も大きく伸びた

航空機用ハニカムパネルと水処理用 FRP 製圧力容器の好調で、売上高は29.3%増、セグメント利益は64.7%増となった。

配当は大きく増えた

年間配当は122円で、前期の96円から増配となった。還元姿勢は強い。

財務はまだ安定圏にある

自己資本比率は62.5%と高水準で、財務体質は一定の強さを維持している。

リスク要因

ディスプレイ材料は大きく悪化した

ディスプレイ材料の売上高は19.1%減、セグメント利益は51.8%減となった。事業間の温度差が大きい。

来期は純利益減益計画である

2027年3月期は営業利益微増ながら、経常利益は7.4%減、純利益は19.9%減を見込む。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。

投資負担が増えている

投資CFは70.90億円の赤字で、有形固定資産取得が大きい。営業CFだけでは投資を十分に賄えていない。

AI需要は中長期テーマである

半導体のうち PC や AI サーバー向け需要が伸びているが、AI需要は中長期テーマであり、短期業績とは必ずしも一致しません。

財務安全性

総資産は810億円、自己資本比率は62.5%である。営業CFは31.44億円の黒字だが、投資CFが大きく赤字で、短期借入金増加で一部を補っている。財務は安定圏にあるが、投資負担の増加には注意が必要である。

業界動向との関連

電子材料はスマートフォン、半導体、AI サーバー、航空機、水処理といった成長領域の恩恵を受ける一方、ディスプレイ分野のように需要変動の大きい市場も抱える。業績は全事業一律ではない。

株価への示唆

前提は、2027年3月期会社予想EPS122.04円、2026年5月7日時点の観測株価2,238円で、予想PERは約18.3倍である。足元の成長を評価する価格帯だが、来期減益計画を踏まえると評価余地は利益持続性次第である。株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。

シナリオ想定PER予想EPS理論株価
弱気15倍122.04円1,831円
中立18倍122.04円2,197円
強気20倍122.04円2,441円

電子材料と産業用構造材料の伸びが続く場合は強気シナリオに近づく。一方、ディスプレイ材料の不振継続や投資負担増が重い場合は弱気シナリオに寄る可能性がある。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。

今期の総括

2026年3月期は、主力分野がしっかり伸びた増収増益決算だった。ただし、来期は利益成長が鈍化し、分野間の明暗差も大きい。

来期見通し

会社は2027年3月期に売上高613億円、営業利益59億円、経常利益57億円、純利益40億円、EPS122.04円を見込んでいる。売上は増えるが利益は減速する計画である。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。

総合判断

総合判断は中立である。成長分野の強さは評価できるが、来期減益計画と事業ポートフォリオのばらつきを踏まえると、継続性の確認が必要だからである。

出典

本記事は、対象企業が開示した決算短信・開示資料を基に作成しています。

  • 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)、2026年4月30日開示
  • 補足市場データ: 株価は市場データを参照しています。株価への示唆は会社予想EPSを用いて算出しています(2026年5月7日時点)
本記事は、公開情報に基づいた教育的・情報提供のみを目的としており、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨または勧誘するものではありません。掲載内容の正確性については万全を期しておりますが、その内容や将来の投資成果を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行っていただけますようお願い申し上げます。