決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 291.23億円 | 274.74億円 | +6.0% | 300.00億円 | - |
| 営業利益 | 39.03億円 | 46.78億円 | -16.6% | 43.00億円 | - |
| 純利益 | 26.61億円 | 30.17億円 | -11.8% | 28.00億円 | - |
| EPS | 377.57円 | 425.42円 | -11.3% | 400.35円 | - |
売上は伸びたが、前期に大型引き渡しがあったレジデンス事業の反動で利益は縮小した。不動産開発の増益で一定程度補っている。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | -11.3% | 前年同期比 | 利益は減少したが、前期の高水準反動を含む |
| ROIC | 開示なし | - | 短信ではROICの開示がなく、ここでは推計を置かない |
| PER推移 | 約5.8倍 | 2026年5月8日時点の株価2,305円、会社予想EPS400.35円 | 不動産株として低位で、景気敏感性を織り込んだ水準に見える |
数値上は割安感があるが、営業CF赤字と事業の変動性を踏まえると、単純な低PER評価だけでは判断しにくい。
ポジティブ要因
不動産開発事業が伸びた
不動産開発事業の売上高は194.64億円で前期比27.5%増、セグメント利益は34.71億円で同10.1%増となった。主力案件の引き渡しは堅調である。
賃貸・管理等事業も拡大した
賃貸・管理等事業は売上高64.28億円で前期比83.2%増、セグメント利益は11.61億円で同44.2%増となった。ストック型収益の伸びは収益安定化に寄与する。
財務安全性が高い
自己資本比率は66.7%で、1株当たり純資産は4,197.93円まで積み上がった。不動産会社としてはかなり高い資本水準である。
来期は増収増益計画
2027年3月期は売上高300億円、営業利益43億円、純利益28億円を計画している。案件回転が計画通り進めば、今期からの持ち直し余地がある。
リスク要因
レジデンス事業の反動減が大きい
レジデンス事業は売上高24.97億円で前期比69.0%減、セグメント利益は2.66億円で同84.1%減となった。前期の一棟売り分譲マンション引き渡し反動が大きい。
営業CFは赤字に転じた
営業CFは24.63億円の赤字となり、前期の27.96億円黒字から大きく悪化した。仕入債務減少など運転資金負担が増えており、資金回転の見極めが必要である。
景気・金利の影響を受けやすい
不動産市況は金利、地政学、景気動向の影響を受けやすい。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
利益率は前期より低下した
営業利益率は13.4%で、前期の17.0%から低下した。売上構成の変化で採算がぶれやすい点には注意が必要である。
財務安全性
自己資本比率66.7%は高く、純資産も296億円まで増加している。負債合計は前期末比13.5%減で財務レバレッジも抑制されている。一方、営業CFは赤字で現金同等物は23.49億円まで減少しており、財務の厚さと資金回転は分けてみるべきである。
業界動向との関連
不動産業界は、実需や企業誘致が底堅い一方、金利や資材高、地政学リスクで案件採算が揺れやすい。ヨシコンの今期は、地域密着の開発案件で売上を伸ばしつつも、前期大型案件の反動で利益が縮む典型的な変動型の決算である。
株価への示唆
前提は、2027年3月期会社予想EPS400.35円、2026年5月8日時点の株価2,305円で、予想PERは約5.8倍である。PBR観点では1株純資産4,197.93円に対して低位であり、資産面の割安感はある。ただし、不動産収益は案件計上時期でぶれやすい。株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。
| シナリオ | 想定PER | 予想EPS | 理論株価 |
|---|---|---|---|
| 弱気 | 5倍 | 400.35円 | 2,001円 |
| 中立 | 6倍 | 400.35円 | 2,402円 |
| 強気 | 7倍 | 400.35円 | 2,802円 |
案件売却が計画通り進み、営業CFも改善する場合は中立から強気に寄りやすい。一方、在庫回転や市況が悪化する場合は弱気シナリオに近づく可能性がある。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
今期の総括
2026年3月期は増収でも減益となり、案件構成の影響が強く出た。不動産開発と賃貸管理は伸びたが、利益の安定感はまだ限定的である。
来期見通し
会社は2027年3月期に売上高300億円、営業利益43億円、経常利益43億円、純利益28億円、EPS400.35円を見込んでいる。増収増益計画だが、販売用不動産の回転率向上と市況維持が前提となる。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
総合判断
総合判断は中立である。資本の厚さと低PERは評価できるが、利益の変動性と営業CF悪化を踏まえる必要があるためだ。次回決算では、案件回転と営業CFの改善が確認点となる。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信・開示資料を基に作成しています。
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)、2026年4月30日開示
- 補足市場データ: 株価、予想PERは市場データを参照して、算出されています(2026年5月8日時点)