決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 7,312.07億円 | 6,529.93億円 | +12.0% | 7,900.00億円 | - |
| 営業利益 | 1,381.58億円 | 1,296.60億円 | +6.6% | 1,500.00億円 | - |
| 純利益 | 1,128.92億円 | 926.25億円 | +21.9% | 1,050.00億円 | - |
| EPS | 570.43円 | 466.34円 | +22.3% | 535.00円 | - |
自動車関連とSPE事業の追い風で増収増益となったが、営業利益率は19.9%から18.9%へ低下している。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +22.3% | 前年同期比 | 利益成長は高いが、来期は減益前提に転じる |
| ROIC | 開示なし | - | 決算短信ではROICの開示がなく、ここでは推計を置かない |
| PER推移 | 約15.5倍 | 2026年5月8日時点の株価8,268円、会社予想EPS535.00円 | 部品株としては中立的な評価圏に見える |
収益成長は強いが、利益率低下と一部事業の減損を踏まえると、全面的な楽観には慎重さが必要である。
ポジティブ要因
自動車関連が堅調だった
自動車関連の売上収益は5,875億円で前期比8.2%増となった。新車組付け用、補修用ともにグローバルで伸びている。
SPE事業がAI需要の追い風を受けた
コンポーネント・ソリューションでは、生成AI関連用途や先端ロジック半導体向け販売が堅調に推移した。Niterra Materialsの連結寄与も増収に貢献している。
財務基盤は厚い
親会社所有者帰属持分比率は62.8%で高く、現金同等物も1,877億円を確保している。バランスシートは安定的である。
配当は増配している
2026年3月期配当は205円、2027年3月期予想は210円である。利益成長が一服しても還元姿勢は維持している。
リスク要因
コンポーネント・ソリューションは営業赤字である
同事業の営業損失は45.80億円で、前期の62.90億円赤字から改善したものの、なお赤字が続いている。
減損損失を計上している
CAIRE社の酸素濃縮器事業では、事業環境の変化に伴う収益見込み低下により減損損失を計上した。本業の収益力とは異なる要因が含まれています。
買収に伴うPPA償却が利益を圧迫する
Niterra Materials取得に伴うPPAで識別された償却費の影響が出ている。買収効果が利益に定着するまで見極めが必要である。
来期は最終減益計画である
2027年3月期は親会社帰属利益1,050億円と、今期比7.0%減を見込んでいる。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
財務安全性
資産合計は1兆2,211億円、親会社所有者帰属持分は7,674億円、持分比率は62.8%である。営業CFは1,093.84億円の黒字だが、投資CFは1,655.31億円の赤字で、買収や設備投資を反映している。財務安全性は高いが、投資負担は増している。
業界動向との関連
自動車部品市場では内燃機関搭載車がやや減少する一方、半導体製造装置市場では生成AI需要が強い。日本特殊陶業は自動車関連の安定収益と、SPEや材料領域の成長投資が混在する構造にある。
株価への示唆
前提は、2027年3月期会社予想EPS535.00円、2026年5月8日時点の株価8,268円で、予想PERは約15.5倍である。自動車関連の安定収益と半導体材料の成長期待を織り込む一方、赤字事業の改善も必要な水準とみられる。株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。
| シナリオ | 想定PER | 予想EPS | 理論株価 |
|---|---|---|---|
| 弱気 | 13倍 | 535.00円 | 6,955円 |
| 中立 | 15.5倍 | 535.00円 | 8,293円 |
| 強気 | 17倍 | 535.00円 | 9,095円 |
自動車関連の底堅さとSPE事業の拡大が続く場合は強気シナリオが近づく。一方、買収後の収益改善が遅れる場合は弱気シナリオに寄る可能性がある。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
今期の総括
2026年3月期は増収増益を確保し、高収益を維持した。ただし、赤字事業や減損を抱えており、成長分野への投資成果を見極める段階にある。
来期見通し
会社は2027年3月期に売上収益7,900億円、営業利益1,500億円、税引前利益1,500億円、親会社帰属利益1,050億円、EPS535.00円を見込んでいる。売上は伸びるが、最終利益は減益計画である。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
総合判断
総合判断は中立である。高収益と高い財務安全性は評価できるが、来期減益計画と事業間格差を踏まえる必要があるためだ。次回決算では、SPE事業の伸びと赤字事業の改善が焦点となる。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信・開示資料を基に作成しています。
- 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)、2026年4月30日開示
- 補足市場データ: 株価は市場データを参照しています。株価への示唆は会社予想EPSを用いて算出しています(2026年5月8日時点)