決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 113.41億円 | 100.77億円 | +12.5% | 110.00億円 | - |
| 営業利益 | 10.71億円 | 6.38億円 | +67.9% | 11.00億円 | - |
| 純利益 | 7.76億円 | 5.04億円 | +54.0% | 8.00億円 | - |
| EPS | 64.90円 | 42.16円 | +53.9% | 66.92円 | - |
電子部品向け市況回復と工場稼働率上昇が、売上と利益率を同時に押し上げた。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +53.9% | 前年同期比 | 回復局面で利益成長が大きい |
| ROIC | 開示なし | - | 決算短信にROIC開示はなく、ここでは推計を置かない |
| PER推移 | 約12.0倍 | 2026年5月8日時点の観測株価803円、会社予想EPS66.92円 | 増益継続を前提にすれば割高感は強くない |
足元の数字はかなり強いが、電子部品市況の循環性を踏まえると評価は慎重さも必要である。
ポジティブ要因
主力セラミックス事業が回復した
電子部品業界の市況回復を受け、セラミックス事業の売上高は82.15億円で前期比10.9%増となった。
工場稼働率改善で利益率が上がった
増収に伴って工場稼働率が向上し、セラミックス事業の売上原価率は前年より3.6ポイント改善した。営業利益率は9.4%まで上昇した。
エンジニアリング事業も伸びた
自動車・重機向け設備投資が好調で、エンジニアリング事業売上高は31.25億円で前期比17.0%増となった。
財務とキャッシュ創出力が高い
自己資本比率は75.0%、営業CFは16.75億円の黒字で、借入金残高も減少した。成長投資と株主還元を続けやすい財務体質である。
リスク要因
電子部品市況の循環影響を受けやすい
主力事業の回復は電子部品業界市況の改善に支えられている。需要調整局面に入ると稼働率低下で利益率が悪化しやすい。
エネルギーや資源価格の不透明感が残る
会社はウクライナ情勢や中東リスク、原油・エネルギー価格の変動を先行き不透明要因として挙げている。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
来期は売上微減計画である
2027年3月期売上高は110.00億円で前期比3.0%減を見込む。利益は伸ばす計画だが、数量面では慎重な前提である。
株価改善には継続成長の確認が必要である
会社はPBR1倍割れの低位株価を課題視しているが、改善には一時的な回復ではなく中計に沿った継続成長が前提となる。
財務安全性
総資産は188.53億円、自己資本比率は75.0%で前期の76.6%からやや低下したものの高水準である。営業CFは16.75億円の黒字、投資CFは7.10億円の赤字、財務CFは4.70億円の赤字で、期末現金同等物は41.38億円まで増えた。財務安全性は高い。
業界動向との関連
電子部品や産業設備関連は回復局面にあるが、需給の波が大きい循環産業でもある。ニッカトーは電子部品向けセラミックスと設備投資需要の恩恵を受けた一方、今後も市況の山谷に業績が左右されやすい。
株価への示唆
前提は、2027年3月期会社予想EPS66.92円、2026年5月8日時点の観測株価803円で、予想PERは約12.0倍である。今期の利益改善は評価できるが、業界循環の影響を強く受けるため、継続性の確認が必要である。株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。
| シナリオ | 想定PER | 予想EPS | 理論株価 |
|---|---|---|---|
| 弱気 | 10倍 | 66.92円 | 669円 |
| 中立 | 12倍 | 66.92円 | 803円 |
| 強気 | 14倍 | 66.92円 | 937円 |
電子部品向け回復が続き、中期計画に沿った投資効果が見えてくる場合は強気シナリオに近づく可能性がある。一方で、需要調整や原材料価格上昇が強まる場合は弱気シナリオに寄る可能性がある。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
今期の総括
2026年3月期は、電子部品市況回復を追い風に過去最高売上と大幅増益を達成した。回復局面の恩恵が大きい決算だった。
来期見通し
会社は2027年3月期に売上高110.00億円、営業利益11.00億円、経常利益11.50億円、純利益8.00億円、EPS66.92円を見込む。売上はやや減る前提だが、採算改善で利益は伸ばす計画である。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
総合判断
総合判断は中立である。足元の業績は強いが、循環産業特有の変動が大きく、来期以降の継続性を見極めたいからである。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信・開示資料を基に作成しています。
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)、2026年5月1日開示
- 補足市場データ: 株価は市場データを参照しています。株価への示唆は会社予想EPSを用いて算出しています(2026年5月8日時点)