決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前期実績 | 増減率 | 来期計画 | 見方 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1953.73億円 | 2084.60億円 | 6.3%減 | 1960.00億円 | 横ばい計画 |
| 営業利益 | 118.68億円 | 138.89億円 | 14.5%減 | 103.00億円 | 減益継続を計画 |
| 経常利益 | 175.17億円 | 215.51億円 | 18.7%減 | 119.00億円 | 投資有価証券売却益減も影響 |
| 純利益 | 174.04億円 | 134.99億円 | 28.9%増 | 100.00億円 | 来期は反動減計画 |
| EPS | 120.49円 | 93.41円 | 29.0%増 | 69.81円 | 特殊要因剥落を反映 |
営業段階では減収減益で、最終増益は税効果や株式売却益の影響が大きい。営業利益の回復が確認されるまでは慎重な評価が必要である。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | 29.0%増 | 前期比 | 特殊要因を含む増加 |
| ROIC | 開示なし | 決算短信に記載なし | ROE8.8%で補完 |
| PER推移 | 市場データ未使用 | 株価データ未取得 | 会社予想EPSでシナリオ補完 |
数字からは、自己資本比率76.0%と営業CF187.62億円は強いが、営業利益率は6.7%から6.1%へ低下した。最終利益より営業利益を重視したい決算である。
ポジティブ要因
純利益は増加
親会社株主に帰属する当期純利益は174.04億円で28.9%増となった。税効果と関係会社株式売却益が寄与したが、営業利益とは分けて見る必要がある。
営業CFは改善
営業活動によるキャッシュフローは187.62億円で、前期113.11億円から増加した。棚卸資産や売上債権の減少が資金創出に寄与した。
財務基盤が強い
自己資本比率は76.0%で前期73.7%から改善した。純資産も2236.75億円へ増加し、鉄鋼市況の変動に対する耐性は相応にある。
鋼板関連が主力収益源
鋼板関連事業は売上高1846.80億円、営業利益120.04億円となった。連結売上の大部分を占め、価格維持と高付加価値商品の販売が重要である。
リスク要因
営業減益が続く
営業利益は118.68億円で14.5%減となった。国内鉄鋼需要の低迷、販売数量減、関税負担、海外市況軟化が重荷となった。
来期は純利益大幅減計画
2027年3月期の純利益は100.00億円で42.5%減を計画する。当期の税効果や株式売却益の反動があり、最終利益の持続性には注意が必要である。
原材料・エネルギーコスト
中東情勢の影響で原油価格、輸送コスト、塗料・シンナーなどの原材料価格が上昇する場合、採算が悪化する可能性がある。
鉄鋼市況の弱さ
中国の需要不足を背景とした安価な鋼材輸出や、各国の通商政策が市況を揺らしている。需要産業である建設・自動車の動向も重要である。
財務安全性
総資産は2664.58億円、純資産は2236.75億円、自己資本比率は76.0%である。50%以上の高い水準で、財務安全性は強い。流動比率は約592.8%と高く、営業CFは187.62億円のプラスである。年間配当は91円、来期は53円の予定で、配当方針は配当性向75%以上を掲げている。
業界動向との関連
鉄鋼業界は建設、自動車、中国市況、原材料・エネルギー価格、通商政策の影響を強く受ける。ヨドコウも国内外の需要鈍化と輸入鋼材の影響を受けた。当該業界は景気循環の影響を強く受けるため、業績は一定ではありません。
株価への示唆
株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。市場株価データは使用せず、会社予想EPS69.81円に鉄鋼・建材企業としてのシナリオPERを掛けた条件付き試算とする。価格転嫁とコスト抑制が進む場合は上位シナリオに近づく可能性がある一方、鉄鋼市況や原材料高が悪化する場合は下振れリスクがある。
| シナリオ | 想定PER | 予想EPS | 理論株価 |
|---|---|---|---|
| 弱気 | 8.0倍 | 69.81円 | 558円 |
| 中立 | 10.0倍 | 69.81円 | 698円 |
| 強気 | 12.0倍 | 69.81円 | 838円 |
今期の総括
2026年3月期は最終増益だったが、営業段階では減収減益だった。財務は強いものの、鉄鋼需要と市況の弱さが収益を圧迫している。最終利益ではなく営業利益の回復が確認点である。
来期見通し
2027年3月期は売上高1960.00億円、営業利益103.00億円、経常利益119.00億円、純利益100.00億円を計画する。原材料調達が可能であることを前提としており、価格や調達環境が想定以上に悪化する場合、実績は変動する可能性がある。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
総合判断
総合判断は中立である。自己資本比率76.0%と営業CF改善は評価材料だが、営業減益と来期純利益42.5%減計画が重い。次回決算では鋼板関連の販売数量、価格維持、原材料コストの転嫁状況を確認したい。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」、株式会社ヨドコウ、2026年5月11日開示