決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 626.32億円 | 616.01億円 | +1.7% | 652.00億円 | - |
| 営業利益 | 22.12億円 | 21.96億円 | +0.8% | 30.00億円 | - |
| 純利益 | 17.53億円 | 19.59億円 | -10.5% | 21.50億円 | - |
| EPS | 87.91円 | 98.91円 | -11.1% | 107.64円 | - |
建設需要を取り込み営業増益を確保したが、最終利益は前期より弱い着地となった。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | -11.1% | 前年同期比 | 最終利益の伸びは鈍化した |
| ROIC | 開示なし | - | 決算短信にROIC開示はなく、ここでは推計を置かない |
| PER推移 | 約9.7倍 | 2026年5月8日時点の観測株価1,040円、会社予想EPS107.64円 | 利益回復計画を前提にした評価としては低位圏にある |
営業面は底堅いが、純利益の伸びと事業別採算の改善が次の評価ポイントになる。
ポジティブ要因
建設需要はなお堅調である
建設機材関連事業の売上高は246.74億円で前期比0.4%増だった。主力足場「アルバトロス」を中心に市場シェア拡大を進めている。
全社では営業増益を確保した
円安による調達コスト上昇があったが、売上増で吸収し、営業利益は22.12億円と前期比0.8%増となった。
キャッシュ創出は続いている
営業CFは33.50億円の黒字で、棚卸資産増加や税負担増があっても資金創出力を保った。期末現金同等物は65.69億円である。
来期は利益回復計画である
2027年3月期は営業利益30.00億円、純利益21.50億円、EPS107.64円を見込む。回復が実現すれば評価余地は広がる。
リスク要因
最終利益には前期比の反動がある
親会社株主に帰属する当期純利益は前期比10.5%減となった。前期に比べ特別利益が減少しており、本業の収益力とは異なる要因が含まれています。
住宅機器と電子機器は赤字である
住宅機器関連事業は3.63億円の損失、電子機器関連事業は4.41億円の損失だった。セグメント間で明暗が分かれている。
円安による調達コストが重い
海外調達コスト上昇が利益を圧迫した。今後も為替動向によって収益性が振れやすい。
建設関連は景況感の影響を受ける
将来の建設計画を見据えた発注先送りが一部で見られている。仮設機材需要が想定より弱まる場合は利益計画の下振れリスクがある。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
財務安全性
総資産は732.82億円、自己資本比率は45.8%で前期の45.1%から改善した。営業CFは33.50億円の黒字、投資CFは36.26億円の赤字、財務CFは4.84億円の黒字で、現金同等物は65.69億円を維持している。財務安全性は中位から良好な水準である。
業界動向との関連
建設・住宅関連業界では、都市再開発やインフラ更新で需要は残る一方、資材高と人手不足で購買からレンタルへの流れが続いている。アルインコはこの流れの恩恵を受けるが、景気悪化時には投資や発注の先送りが出やすい。
株価への示唆
前提は、2027年3月期会社予想EPS107.64円、2026年5月8日時点の観測株価1,040円で、予想PERは約9.7倍である。来期の利益回復が実現するなら評価余地はあるが、赤字セグメントの改善と為替コストの落ち着きが前提となる。株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。
| シナリオ | 想定PER | 予想EPS | 理論株価 |
|---|---|---|---|
| 弱気 | 8倍 | 107.64円 | 861円 |
| 中立 | 10倍 | 107.64円 | 1,076円 |
| 強気 | 12倍 | 107.64円 | 1,292円 |
仮設機材販売とレンタルの連携強化が進み、赤字セグメント縮小も確認できれば強気シナリオに近づく可能性がある。一方で、建設投資の先送りや円安継続が強まる場合は弱気シナリオに寄る可能性がある。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
今期の総括
2026年3月期は、売上と営業利益を伸ばした一方、事業ポートフォリオの課題と最終利益の弱さが残る決算だった。
来期見通し
会社は2027年3月期に売上高652.00億円、営業利益30.00億円、経常利益32.00億円、純利益21.50億円、EPS107.64円を見込む。増収増益計画で、コア事業の拡大と赤字事業の改善が前提となる。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
総合判断
総合判断は中立である。評価指標には割安感があるが、赤字セグメントと為替コストの不確実性を考えると、利益回復の確認を待ちたいからである。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信・開示資料を基に作成しています。
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)、2026年5月1日開示
- 補足市場データ: 株価は市場データを参照しています。株価への示唆は会社予想EPSを用いて算出しています(2026年5月8日時点)