決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前期実績 | 増減率 | 来期予想 | 見方 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 4,703.92億円 | 4,603.19億円 | 2.2%増 | 5,000.00億円 | 過去最高 |
| 営業利益 | 505.31億円 | 460.05億円 | 9.8%増 | 505.00億円 | 高水準維持 |
| 経常利益 | 576.86億円 | 503.23億円 | 14.6%増 | 541.00億円 | 来期は反動減 |
| 純利益 | 361.60億円 | 296.91億円 | 21.8%増 | 363.00億円 | 小幅増益予想 |
| EPS | 259.96円 | 209.66円 | 24.0%増 | 262.91円 | 増加基調 |
高付加価値商品の伸長、増収効果、原価低減活動が営業利益を押し上げた。営業利益率は10.7%と前期の10.0%から改善している。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | 24.0%増 | 前期比 | 利益成長は明確 |
| 簡易ROIC | 約7.1% | 税引後営業利益と平均投下資本から試算 | 中計目標15%には距離 |
| PER推移 | 約13.5倍 | 2010年以降レンジ13.49〜29.02倍 | 長期レンジ下限付近 |
利益率は改善したが、来期営業利益は横ばい予想である。市場評価は長期レンジ下限付近にあり、次の焦点は新中期計画の実行力となる。
ポジティブ要因
日本事業の利益改善
日本は売上高2,072.01億円で1.7%増、営業利益271.15億円で21.5%増となった。ECO ONE、ガス衣類乾燥機、エアバブル商材など重点商品の販売が堅調だった。
オーストラリアの高成長
オーストラリアは売上高440.44億円で20.3%増、営業利益21.10億円で88.6%増となった。ヒートポンプ式給湯器の販売と買収企業の収益貢献が大きい。
収益性と還元の改善
営業利益率は10.7%に改善し、年間配当は100円と前期80円から増加した。2027年3月期は106円を予想しており、配当性向40%水準を意識している。
リスク要因
中国市場の減速
中国は売上高606.82億円で11.5%減、営業利益94.15億円で6.7%減となった。消費マインドの冷え込みが続く場合、全体の成長を抑える可能性があります。
米国の関税影響
アメリカは売上高721.34億円で8.5%増となった一方、営業利益は18.56億円で12.8%減だった。関税影響と価格転嫁時期のずれが利益水準を抑えた。
地政学・原材料リスク
中東情勢に伴う影響は不確実性が高く、会社は業績予想に織り込んでいない。原材料価格や部品調達リスクが顕在化する場合、利益は下振れる可能性があります。
財務安全性
総資産は6,495.69億円、純資産は4,941.24億円となり、自己資本比率は67.3%と高い。流動資産3,741.85億円に対して流動負債は1,106.15億円で、流動比率は約338.3%と短期安全性も厚い。営業CFは492.98億円の黒字、フリーCFも約183.93億円のプラスだった。
業界動向との関連
住宅設備・熱機器関連は、新設住宅着工の減少、リフォーム需要、エネルギー規制、電化への移行に影響を受ける。当該業界は景気循環の影響を強く受けるため、業績は一定ではありません。地域別の需要差と為替も重要である。
株価への示唆
前提条件
今期実績EPSは259.96円、来期予想EPSは262.91円である。2026年5月12日10時44分時点の株価3,542円を用いると、来期予想EPSベースのPERは約13.5倍となる。株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。
理論株価
| シナリオ | 想定PER | 予想EPS | 理論株価 |
|---|---|---|---|
| 弱気 | 12.0倍 | 262.91円 | 約3,155円 |
| 中立 | 14.0倍 | 262.91円 | 約3,681円 |
| 強気 | 17.0倍 | 262.91円 | 約4,469円 |
現在株価は弱気と中立の間に位置する。国内重点商品と電化商品の拡大が利益率改善につながる場合は上振れ余地がある一方、中国低迷や関税・原材料負担が続く場合は下振れる可能性があります。
今期の総括
2026年3月期は、売上高と営業利益が過去最高となり、国内とオーストラリアが収益を支えた。一方、米国の関税影響や中国市場の低迷が残り、地域ごとの濃淡が大きい決算だった。
来期見通し
2027年3月期は売上高5,000.00億円、営業利益505.00億円、経常利益541.00億円、純利益363.00億円を見込む。新中期経営計画「accelerate 2030」では電化商品の拡大、新たな価値創造、既存事業の基盤強化、経営基盤の強化を掲げる。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
総合判断
総合判断は中立である。過去最高売上・営業利益と高い自己資本比率は評価できるが、来期営業利益は横ばいで、中国や関税、原材料価格の不確実性も残る。次回決算では、米国の価格転嫁と中国の底打ち、電化商品の利益貢献を確認したい。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」、2026年5月12日開示
- 補足市場データはYahoo!ファイナンスおよびIRBANKを参照し、株価は2026年5月12日10時44分時点、長期PERレンジはIRBANKの2010年以降表示値を基にしています。