決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 133.93億円 | 117.68億円 | +13.8% | 145.00億円 | - |
| 営業利益 | 1.23億円 | -1.21億円 | 黒字転換 | 0.50億円 | - |
| 純利益 | 8.03億円 | 2.87億円 | +179.4% | 0.30億円 | - |
| EPS | 337.04円 | 115.60円 | +191.6% | 13.09円 | - |
本業は黒字転換したが、最終利益には投資有価証券売却益が大きく効いている。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +191.6% | 前年同期比 | 一時益寄与が大きく、来期は反動減見通し |
| ROIC | 開示なし | - | 決算短信にROIC開示はなく、ここでは推計を置かない |
| PER推移 | 約164.2倍 | 2026年5月8日時点の観測株価2,150円、会社予想EPS13.09円 | 来期予想ベースではかなり高い評価になる |
営業黒字転換は前進だが、来期予想を基準にすると利益水準は非常に薄い。
ポジティブ要因
主要製品の売上が伸びた
精密加工事業部は自動車部品と小口径銃弾の増加で増収だった。機械事業部もEV向け電池缶製造用の大型機種などが伸びた。
営業黒字へ転換した
売上高の増加と生産性向上により、前期の営業損失1.21億円から今期は営業利益1.23億円へ改善した。
営業CFは厚く、現金も増えた
営業CFは13.59億円の黒字で、期末現金同等物は56.79億円となった。棚卸資産減少と減価償却費が資金面を支えた。
受注対応に向けた設備投資を進めている
有形固定資産取得は24.14億円に達し、生産能力強化を進めている。成長機会取り込みが前提となる。
リスク要因
純利益には投資有価証券売却益が含まれる
当期純利益の増加には投資有価証券売却益の計上が含まれる。本業の収益力とは異なる要因が含まれています。
来期は大幅減益計画である
2027年3月期会社予想は営業利益0.50億円、純利益0.30億円、EPS13.09円である。今期からの落差が極めて大きい。
財務レバレッジは上がっている
長期借入金の増加により固定負債が膨らみ、自己資本比率は70.8%から59.1%へ低下した。設備投資の回収が遅れると負担感が増す。
機械と防衛関連は受注変動が大きい
大型機種や政府予算執行の影響を受けやすく、売上計上のタイミングで業績がぶれやすい。当該業界は景気循環の影響を強く受けるため、業績は一定ではありません。
財務安全性
総資産は238.83億円、自己資本比率は59.1%で依然として高水準だが、前期の70.8%からは低下した。営業CFは13.59億円の黒字で、投資CFは15.71億円の赤字、財務CFは借入で20.29億円の黒字だった。設備投資負担を抱えつつも、現預金水準は厚い。
業界動向との関連
機械業界はEV関連投資や防衛需要の追い風を受ける一方、受注タイミングの変動が大きい。旭精機工業もEV向け大型機種と小口径銃弾で伸びたが、継続的な収益力は設備投資回収と受注平準化に左右される。
株価への示唆
前提は、2027年3月期会社予想EPS13.09円、2026年5月8日時点の観測株価2,150円で、予想PERは約164.2倍である。今期利益には売却益が含まれ、来期計画は大幅減益であるため、EPSだけでみた株価評価はかなり高く映る。株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。
| シナリオ | 想定PER | 予想EPS | 理論株価 |
|---|---|---|---|
| 弱気 | 40倍 | 13.09円 | 524円 |
| 中立 | 60倍 | 13.09円 | 785円 |
| 強気 | 80倍 | 13.09円 | 1,047円 |
受注拡大が想定以上に続き、来期会社計画が上方修正される場合は理論値の上振れ余地がある。一方で、会社計画どおり薄利にとどまる場合は、現在株価との乖離が意識されやすい。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
今期の総括
2026年3月期は、売上回復と黒字転換を達成したが、最終利益の見栄えは一時益に依存している。来期との落差が大きい決算だった。
来期見通し
会社は2027年3月期に売上高145.00億円、営業利益0.50億円、経常利益0.40億円、純利益0.30億円、EPS13.09円を見込む。売上は増えるが利益は大きく縮小する計画で、案件ミックスや固定費負担の重さがうかがえる。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
総合判断
総合判断は弱気である。営業黒字転換は前進だが、来期予想EPSに対する評価倍率が高く、一時益剥落後の収益力もまだ弱いからである。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信・開示資料を基に作成しています。
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)、2026年4月30日開示
- 補足市場データ: 株価は市場データを参照しています。株価への示唆は会社予想EPSを用いて算出しています(2026年5月8日時点)