決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 123.48億円 | 116.40億円 | +6.1% | 135.00億円 | - |
| 営業利益 | 5.61億円 | 2.39億円 | +134.6% | 7.00億円 | - |
| 純利益 | 4.34億円 | 2.91億円 | +49.1% | 5.00億円 | - |
| EPS | 29.76円 | 20.03円 | +48.6% | 34.18円 | - |
アドテクノロジーの増収と既存事業の収益回復で、利益率の改善が鮮明になった。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +48.6% | 前年同期比 | 利益回復の勢いは強い |
| ROIC | 開示なし | - | 決算短信にROIC開示はなく、ここでは推計を置かない |
| PER推移 | 約11.7倍 | 2026年5月8日時点の観測株価399円、会社予想EPS34.18円 | 回復局面の評価としては過熱感は強くない |
売上成長以上に利益改善が進んでおり、数字上は収益体質の立て直しが見え始めている。
ポジティブ要因
アドテクノロジーが全体を牽引した
主力のアドテクノロジー売上高は110.93億円で前期比13.6%増だった。デジタルハウスエージェンシー支援の拡充が寄与した。
既存事業の回復で営業利益が急伸した
営業利益は5.61億円で前期比134.6%増となった。アドテクノロジー、マーケティングソリューション、デジタルソリューションの既存事業回復が利益を押し上げた。
営業キャッシュフローが厚い
営業CFは11.99億円の黒字で、投資CFの4.75億円の赤字を十分吸収した。現金同等物は31.87億円まで積み上がっている。
来期も増収増益を計画している
2027年3月期は売上高135.00億円、営業利益7.00億円、純利益5.00億円を見込む。今期の回復が一過性でないことが前提となる。
リスク要因
マーケティングソリューションは大幅減収である
マーケティングソリューション売上高は2.11億円で前期比57.1%減だった。ASP領域の競争激化が響いている。
一部事業は構造的な減収要因を抱える
デジタルソリューションは前期の子会社株式譲渡の影響もあり、売上高が前期比28.0%減の9.28億円となった。事業構成の変化を見極める必要がある。
広告市場は競争が激しい
インターネット広告市場は拡大しているが、競争も強い。販促効率や媒体構成の変化次第で利益率が振れやすい。
無配継続で株主還元の見え方は限定的である
2026年3月期、2027年3月期予想とも配当は0円である。成長投資優先の局面だが、還元面を重視する投資家には材料が乏しい。
財務安全性
総資産は65.49億円、自己資本比率は67.3%で前期の66.7%から改善した。営業CFは11.99億円の黒字、フリーCFも7.24億円の黒字で、成長投資を続けながら資金繰りにも余力がある。財務安全性は高い。
業界動向との関連
インターネット広告市場は動画広告やコネクテッドTV需要を背景に拡大が続いている。一方で、運用型広告やアフィリエイト領域は競争も激しく、SMNはデータ活用とソニーグループ連携をどこまで収益化できるかが重要になる。
株価への示唆
前提は、2027年3月期会社予想EPS34.18円、2026年5月8日時点の観測株価399円で、予想PERは約11.7倍である。今期は利益率改善が進んだが、広告市況と事業ポートフォリオの再構築が続く局面でもある。株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。
| シナリオ | 想定PER | 予想EPS | 理論株価 |
|---|---|---|---|
| 弱気 | 10倍 | 34.18円 | 342円 |
| 中立 | 12倍 | 34.18円 | 410円 |
| 強気 | 14倍 | 34.18円 | 479円 |
収益改善が継続し、来期計画どおりの増益が見えてくる場合は強気シナリオに近づく可能性がある。一方で、広告単価や競争環境が悪化した場合は弱気シナリオへ寄りやすい。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
今期の総括
2026年3月期は、売上成長よりも利益回復が目立った決算だった。主力事業の伸びと既存事業の立て直しが進んだ一方、競争の強い事業領域も残る。
来期見通し
会社は2027年3月期に売上高135.00億円、営業利益7.00億円、経常利益6.50億円、純利益5.00億円、EPS34.18円を見込む。今期比では増収増益計画で、広告需要の取り込みと既存事業の収益改善継続が前提となる。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
総合判断
総合判断は中立である。利益回復は鮮明だが、競争激化している広告関連事業の持続性をもう一段見極めたい局面だからである。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信・開示資料を基に作成しています。
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)、2026年4月30日開示
- 補足市場データ: 株価は市場データを参照しています。株価への示唆は会社予想EPSを用いて算出しています(2026年5月8日時点)