決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 109.92億円 | 116.02億円 | -5.3% | 112.00億円 | - |
| 営業利益 | -4.08億円 | 1.53億円 | 赤字転落 | 0.10億円 | - |
| 純利益 | -7.54億円 | 0.56億円 | 赤字転落 | -1.26億円 | - |
| EPS | -83.50円 | 6.24円 | 赤字転落 | -13.95円 | - |
減収に加えて減損や再編費用が重なり、営業段階から最終段階まで赤字へ沈んだ。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | 赤字転落 | 前年同期比 | 利益回復の見通しはまだ弱い |
| ROIC | 開示なし | - | 決算短信にROIC開示はなく、ここでは推計を置かない |
| PER推移 | 適用しにくい | 2026年5月8日時点の観測株価343円、会社予想EPS-13.95円 | 来期予想EPSが赤字のためPER法は有効性が低い |
自己資本は厚いが、収益指標は大きく悪化しており、まずは赤字縮小を確認する局面である。
ポジティブ要因
財務安全性はなお高い
自己資本比率は75.6%で前期の72.2%から上昇した。営業CFも6.10億円の黒字を維持している。
在庫圧縮と減価償却費が資金面を支えた
営業CFでは売上債権の減少7.47億円、減価償却費6.62億円、棚卸資産減少2.02億円が資金創出に寄与した。
借入金を圧縮している
借入金は4.94億円減少した。厳しい業績下でもバランスシートの守りを進めている。
EV移行の過渡期需要は残る
EV市場の拡大ペースは鈍化しているが、ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車の需要は堅調と会社は説明している。需要回復の余地は残る。
リスク要因
減損損失と再編費用を計上した
精密部品事業の収益性見直しに伴う固定資産の減損処理や、タイ子会社合併に伴う事業再編費用0.82億円が最終損益を押し下げた。本業の収益力とは異なる要因が含まれています。
自動車向け需要回復が弱い
主要顧客である日系自動車産業では在庫調整や生産体制見直しが継続しており、金型、精密部品、フィルタの全事業で減収となった。
来期も赤字予想である
2027年3月期会社予想は営業利益0.10億円、経常損失0.85億円、純損失1.26億円である。黒字転換はなお見通せていない。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
循環産業の影響を強く受ける
自動車関連は電動化の過渡期で需要変動が大きい。当該業界は景気循環の影響を強く受けるため、業績は一定ではありません。
財務安全性
総資産は139.82億円、自己資本比率は75.6%で高い。営業CFは6.10億円の黒字、投資CFは6.46億円の赤字、財務CFは5.72億円の赤字で、期末現金同等物は22.34億円となった。赤字決算だが財務耐久力はまだある。
業界動向との関連
日系自動車産業はEV成長鈍化と在庫調整が同時に進む過渡期にある。ニチダイはその影響を受けやすい部品・金型構成で、ハイブリッド向け需要の底堅さだけでは全体回復に足りていない。
株価への示唆
前提は、2027年3月期会社予想EPSが-13.95円であるため、PER法による理論株価算定は現時点では適用しにくい。2026年5月8日時点の観測株価は343円で、利益ではなく財務耐久力や黒字転換期待で評価されやすい局面である。株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。
| シナリオ | 参考指標 | 前提 | 参考株価 |
|---|---|---|---|
| 弱気 | PBR 0.2倍 | 1株当たり純資産1,170.64円 | 234円 |
| 中立 | PBR 0.3倍 | 1株当たり純資産1,170.64円 | 351円 |
| 強気 | PBR 0.4倍 | 1株当たり純資産1,170.64円 | 468円 |
赤字縮小と自動車向け需要回復が確認できれば中立から強気シナリオに近づく可能性がある。一方で、追加損失や需要低迷が続く場合は弱気シナリオを意識しやすい。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
今期の総括
2026年3月期は、需要低迷と一時損失で赤字へ落ち込んだ。資金繰りは守れているが、収益回復の道筋はまだ弱い。
来期見通し
会社は2027年3月期に売上高112.00億円、営業利益0.10億円、経常損失0.85億円、純損失1.26億円、EPS-13.95円を見込む。売上は微増だが利益回復は限定的で、固定費吸収と需要回復が前提となる。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
総合判断
総合判断は弱気である。財務余力はあるものの、赤字継続見通しと自動車業界の不透明感を踏まえると、株価評価を積極化しにくいからである。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信・開示資料を基に作成しています。
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)、2026年5月1日開示
- 補足市場データ: 株価は市場データを参照しています。株価への示唆は赤字予想のためPBR参考レンジも併用しています(2026年5月8日時点)