決算サマリー

項目当期実績前年同期増減率会社計画進捗率
売上高3,568.65億円3,703.08億円-3.6%3,640.00億円-
営業利益205.40億円217.92億円-5.7%206.00億円-
純利益167.87億円202.76億円-17.2%150.00億円-
EPS115.21円135.17円-14.8%106.13円-

IFRS採用企業であるため、事業利益と営業利益の両方を確認する必要がある。今期はどちらも減益である。

定量評価

指標直近実績比較対象見方
EPS成長率-14.8%前年同期比最終利益は減少した
ROIC開示なし-決算短信ではROICの開示がなく、ここでは推計を置かない
PER推移約10.0倍2026年5月7日時点の観測株価1,066円、会社予想EPS106.13円回復期待に対しては中立からやや慎重な評価である

減収減益だが、営業利益率は5.8%を維持しており、極端な悪化ではない。

ポジティブ要因

財務基盤は改善している

営業CFは337.58億円の黒字で、前期の314.52億円から増加した。現金同等物も657.16億円まで増えている。

モビリティ分野の事業利益は改善した

短信ではモビリティ&テレマティクスサービス分野の事業利益が増加したとされており、事業構成の中では底堅さがある。

来期は増収・事業増益計画である

2027年3月期は売上収益3,640億円、事業利益234億円を見込んでいる。外部環境の正常化を前提に回復を狙う内容である。

配当は増配基調である

年間配当は18円、来期予想は20円である。利益水準の中では還元姿勢は維持されている。

リスク要因

部品供給不足と米国関税の影響を受けた

無線システム事業では部品供給不足、モビリティとメディアでは米国関税の影響が減収要因となった。外部要因依存が大きい。

来期も最終利益は減益計画である

会社は2027年3月期の親会社帰属利益を150億円と見込んでおり、今期比10.6%減である。事業利益回復がそのまま最終利益に結びつくとは限らない。

事業利益と営業利益の差を確認する必要がある

IFRSでは一時要因を除いた事業利益が重視されるが、投資家は営業利益や最終利益も見ている。回復の質を丁寧にみる必要がある。

通商政策の不確実性が高い

米国の通商政策をめぐる環境変化は続いている。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。

財務安全性

総資産は3,476億円、親会社所有者帰属持分比率は41.4%である。自己資本比率は高いとは言い切れないが、営業CFの厚さと現金増加により財務余力は改善している。

業界動向との関連

無線システム、車載、メディア機器は部品供給、通商政策、為替、消費需要の影響を受けやすい。JVCケンウッドは複数分野を持つが、外部ショックに対する感応度はなお高い。

株価への示唆

前提は、2027年3月期会社予想EPS106.13円、2026年5月7日時点の観測株価1,066円で、予想PERは約10.0倍である。財務改善を踏まえると一定の下支えはあるが、回復ストーリーの確度が上がらなければ評価拡大は限定的になりやすい。株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。

シナリオ想定PER予想EPS理論株価
弱気8倍106.13円849円
中立10倍106.13円1,061円
強気12倍106.13円1,274円

部品供給正常化と関税影響の緩和が進む場合は強気シナリオに近づく。一方、外部環境悪化が継続する場合は弱気シナリオに寄る可能性がある。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。

今期の総括

2026年3月期は、外部要因の逆風を受けた減収減益決算だった。一方で、資金創出力と財務改善は確認できたため、回復の土台は残っている。

来期見通し

会社は2027年3月期に売上収益3,640億円、事業利益234億円、営業利益206億円、税引前利益210億円、純利益150億円、EPS106.13円を見込んでいる。回復計画ではあるが、最終利益はなお減益予想である。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。

総合判断

総合判断は中立である。財務改善は評価できるが、外部環境依存が大きく、利益回復の質を確認する必要があるためだ。

出典

本記事は、対象企業が開示した決算短信・開示資料を基に作成しています。

  • 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)、2026年5月1日開示
  • 補足市場データ: 株価は市場データを参照しています。株価への示唆は会社予想EPSを用いて算出しています(2026年5月7日時点)
本記事は、公開情報に基づいた教育的・情報提供のみを目的としており、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨または勧誘するものではありません。掲載内容の正確性については万全を期しておりますが、その内容や将来の投資成果を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行っていただけますようお願い申し上げます。