決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1兆194.59億円 | 9,904.07億円 | +2.9% | 1兆450.00億円 | - |
| 営業利益 | 420.43億円 | 341.06億円 | +23.3% | 485.00億円 | - |
| 純利益 | 268.79億円 | 378.37億円 | -29.0% | 300.00億円 | - |
| EPS | 134.77円 | 184.00円 | -26.8% | 150.41円 | - |
営業改善は進んだが、特別損失の影響で最終利益は減少した。本業と一時要因を分けてみる必要がある。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | -26.8% | 前年同期比 | 最終利益は減損影響で悪化した |
| ROIC | 開示なし | - | 決算短信ではROICの開示がなく、ここでは推計を置かない |
| PER推移 | 約14.0倍 | 2026年5月8日時点の株価2,104円、会社予想EPS150.41円 | 回復期待を織り込むが、過熱感は限定的である |
営業利益率は4.1%まで改善したが、依然として高収益企業とまでは言いにくい。回復の質が問われる局面である。
ポジティブ要因
モビリティ事業が改善した
モビリティ事業の売上高は5,550億円で前期比3.3%増、営業利益は141億円で同152.6%増となった。販売回復や新製品効果が出ている。
持分法投資利益が大きく改善した
営業外収益として、主にアルプス物流の不動産流動化取引等により持分法による投資利益79億円を計上した。経常利益改善に寄与している。
営業CFは増加した
営業CFは959億円の黒字で、前期の658億円から大きく増加した。資金創出力は改善している。
来期は純利益回復計画である
2027年3月期は純利益300億円、EPS150.41円を計画している。特別損失の反動が剥落すれば回復余地はある。
リスク要因
最終利益には減損損失が響いた
モビリティ事業のサウンド製品などで減損損失42億円を特別損失に計上した。本業の収益力とは異なる要因が含まれています。
センサー・コミュニケーション事業は赤字である
同事業は営業損失35億円で、前期より赤字が拡大した。収益改善が課題である。
車載需要は依然不透明である
主要顧客である日本・北米・欧州自動車メーカー向けは回復が限定的とされている。車載市場の正常化はまだ途上である。
通商政策と地政学リスクの影響を受ける
各国の金融・通商政策や地政学リスクの高まりが不確実性要因となっている。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
財務安全性
総資産は7,831億円、自己資本比率は57.1%である。営業CFは959億円の黒字、投資CFは584億円の赤字、財務CFは411億円の赤字だが、現金同等物は1,533億円を維持している。財務安全性は一定水準にある。
業界動向との関連
車載電子部品は自動車販売、EV化、デジタルキーなどの技術転換の影響を受ける。モバイルや民生も需要はあるが、価格競争や事業再編の影響も大きい。アルプスアルパインは回復局面にあるが、まだ構造改革色が残る。
株価への示唆
前提は、2027年3月期会社予想EPS150.41円、2026年5月8日時点の株価2,104円で、予想PERは約14.0倍である。回復期待を織り込む水準であり、赤字事業縮小と減損一巡が進めば評価余地はある。株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。
| シナリオ | 想定PER | 予想EPS | 理論株価 |
|---|---|---|---|
| 弱気 | 12倍 | 150.41円 | 1,805円 |
| 中立 | 14倍 | 150.41円 | 2,106円 |
| 強気 | 16倍 | 150.41円 | 2,407円 |
モビリティ事業の回復が続き、赤字事業も改善する場合は強気シナリオに近づく。一方、車載需要回復が遅れる場合は弱気シナリオに寄る可能性がある。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
今期の総括
2026年3月期は、営業面では改善したが、最終利益では減損損失の影響が重かった。回復途上の決算とみるのが妥当である。
来期見通し
会社は2027年3月期に売上高1兆450億円、営業利益485億円、経常利益455億円、純利益300億円、EPS150.41円を見込んでいる。増収増益計画だが、車載需要と構造改革の進展が前提となる。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
総合判断
総合判断は中立である。営業改善と財務安定は評価できるが、赤字事業と減損の影響が残り、回復の持続性を見極める必要があるためだ。次回決算では、モビリティ事業の利益率改善と赤字事業の縮小が焦点となる。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信・開示資料を基に作成しています。
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)、2026年4月30日開示
- 補足市場データ: 株価は市場データを参照しています。株価への示唆は会社予想EPSを用いて算出しています(2026年5月8日時点)