決算サマリー
| 項目 | 2026年3月期実績 | 前期比 | 2027年3月期予想 | 予想前期比 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 285.01億円 | +2.2% | 297.00億円 | +4.2% | 該当なし |
| 営業利益 | 43.61億円 | +8.1% | 47.00億円 | +7.7% | 該当なし |
| 経常利益 | 44.43億円 | +8.2% | 47.50億円 | +6.9% | 該当なし |
| 純利益 | 33.45億円 | +17.0% | 34.50億円 | +3.1% | 該当なし |
| EPS | 271.41円 | +16.9% | 279.80円 | - | 該当なし |
| 年間配当 | 85円 | +15円 | 90円 | +5円 | 該当なし |
通期決算では会社計画欄に次期予想を置いているため、進捗率は該当なしとしています。今期は増収増益、来期も増収増益・増配を見込む内容です。
定量評価
| 指標 | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS | 271.41円 | 232.19円 | 純利益増により着実に上昇。 |
| ROE | 10.1% | 9.4% | 10%台へ改善し、資本効率は良好。 |
| ROA | 11.0% | 10.8% | 高い資産効率を維持。 |
| 売上高営業利益率 | 15.3% | 14.5% | 高収益体質がさらに改善。 |
| 自己資本比率 | 83.3% | 80.3% | 極めて高い財務安全性。 |
営業利益率は15%を超えており、単なる増収ではなく採算改善を伴っています。ROEも10%台へ改善し、高い自己資本比率と両立している点が評価できます。
ポジティブ要因
増収増益と利益率改善
売上高は285.01億円、営業利益は43.61億円となり、増収増益で着地しました。営業利益率は14.5%から15.3%へ改善しており、製品ミックスやコスト管理の良さがうかがえます。
財務基盤が非常に強い
総資産417.84億円、純資産348.03億円、自己資本比率83.3%です。自己資本比率は前期の80.3%からさらに上昇しており、財務面の余力は大きいです。
連続増配基調
年間配当は70円から85円へ増加し、2027年3月期は90円を予想しています。配当性向は31.3%、来期予想でも32.2%であり、利益成長に沿った無理のない還元姿勢と見られます。
リスク要因
成長率は堅実型
来期予想は売上高4.2%増、営業利益7.7%増、純利益3.1%増です。高収益・高安定ではある一方、急成長株というよりは安定成長型として評価する必要があります。
医療機器・計測機器需要の変動
医療機器や音響計測機器は安定需要が見込める一方、設備投資サイクル、公共・研究機関需要、海外販売、為替の影響を受けます。高い利益率を維持できるかが焦点です。
高財務ゆえの資本効率評価
自己資本比率83.3%は大きな安心材料ですが、資本市場では過剰資本と見られる場合もあります。今後は成長投資、研究開発、株主還元のバランスが評価ポイントになります。
財務安全性
財務安全性では、総資産417.84億円、純資産348.03億円、自己資本比率83.3%を確認します。1株当たり純資産は2,822.57円で、前期の2,551.75円から増加しました。
キャッシュ・フローは営業CF41.65億円、投資CF-7.53億円、財務CF-9.54億円、現金及び現金同等物の期末残高83.97億円です。営業CFは前期の34.37億円から増加し、現金残高も58.48億円から83.97億円へ大幅に増えています。
業界動向との関連
リオンは補聴器などの医療機器、騒音計・振動計などの音響・環境計測機器を手がける企業です。医療・検査・計測という社会インフラ寄りの需要を持つため、景気変動を受けにくい安定性があります。
一方で、製品の技術競争力、販売チャネル、研究開発投資、海外展開が中長期成長の鍵になります。高い営業利益率を維持しながら、どこまで売上成長を上乗せできるかが今後の焦点です。
株価への示唆
今回の決算は、増収増益、利益率改善、ROE10%台、高自己資本比率、増配という点で評価されやすい内容です。安定成長・高財務・株主還元を重視する投資家には、下支え材料になりやすい決算です。
ただし、来期予想の純利益成長率は3.1%にとどまります。株価が高い成長を織り込んでいる場合は、バリュエーション面の確認が必要です。今後は営業利益率15%台の維持と、90円配当予想の達成確度が注目点になります。
今期の総括
2026年3月期は、売上高285.01億円、営業利益43.61億円、純利益33.45億円となり、増収増益で着地しました。営業利益率15.3%、ROE10.1%、自己資本比率83.3%という組み合わせは、収益性と安全性のバランスが良い決算です。
特に、営業CF41.65億円、現金残高83.97億円とキャッシュ面も強く、増配を支える財務余力があります。派手さはないものの、質の高い安定成長決算と評価できます。
来期見通し
2027年3月期の会社予想は、売上高297.00億円、営業利益47.00億円、経常利益47.50億円、純利益34.50億円、EPS279.80円です。営業利益は7.7%増、純利益は3.1%増を見込んでいます。
年間配当予想は90円で、配当性向予想は32.2%です。今期の85円からさらに5円増配する計画であり、連続増配基調が続く見通しです。
総合判断
総合判断はポジティブ寄りの中立である。今期は増収増益に加え、営業利益率15.3%、ROE10.1%、自己資本比率83.3%と、質の高い決算でした。来期も増収増益・増配予想で、業績の安定感は強いです。
一方、来期の純利益成長率は一桁台前半であり、急成長期待で買う銘柄ではありません。高収益・高財務・安定増配を評価しながら、バリュエーションと成長余地を冷静に確認したい局面です。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」、リオン、開示日: 2026-04-28