決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前期実績 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 383.23億円 | 349.74億円 | +9.6% | 440.00億円 | - |
| 営業利益 | 3.06億円 | 4.38億円 | -30.2% | 3.00億円 | - |
| 純利益 | 0.70億円 | 1.78億円 | -60.6% | 2.30億円 | - |
| EPS | 6.26円 | 15.90円 | -60.6% | 20.54円 | - |
増収だが利益の質はまだ弱く、先行投資負担が大きい。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | -60.6% | 前期比 | 最終利益は大きく悪化 |
| 営業利益率 | 0.8% | 前期1.3% | 収益性は低い |
| 自己資本比率 | 69.0% | 前期83.2% | 財務余力はあるが低下 |
設備投資と借入増で財務レバレッジが高まり、自己資本比率は大きく低下した。
ポジティブ要因
集積回路の受注が回復した
携帯情報端末向けや民生機器向け部品の受注増で、集積回路売上は338.74億円と伸長した。
AI・先端半導体関連需要は堅調だった
データセンターや先端半導体関連分野の需要は堅調で、高性能・高信頼性製品へのニーズが続いている。
来期は純利益回復を見込む
会社予想では2027年3月期純利益2.30億円、EPS20.54円を見込んでいる。
リスク要因
原材料高が利益を圧迫した
貴金属をはじめとする原材料価格の高騰が営業利益の押し下げ要因となった。
研究開発と設備投資が先行している
先端分野向け研究開発や三重県多気事業所での先行投資により、当面は減価償却費や研究開発費の増加が続く見込みである。
最終利益には減損損失が響いた
減損損失2.52億円の計上により、純利益は大きく縮小した。本業の収益力とは異なる要因が含まれています。
EV市場の鈍化は逆風である
電子部品業界ではEV需要の成長鈍化が車載向け部品に影響している。
財務安全性
総資産は627.06億円、純資産は432.45億円、自己資本比率は69.0%である。借入増で前期から自己資本比率は低下したが、現金及び現金同等物は173.46億円を確保している。
業界動向との関連
電子部品業界はAI・データセンター向けとEV・一般産業向けで温度差が大きい。AI需要は中長期テーマであり、短期業績とは必ずしも一致しません。先端需要を取り込める一方、投資回収までの時間差に注意が必要である。
株価への示唆
前提は2027年3月期会社予想EPS20.54円である。補足市場データが未取得のため、ここでは電子部品株の想定PERを18倍から25倍で置く。株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。
| シナリオ | 想定PER | 予想EPS | 理論株価 |
|---|---|---|---|
| 弱気 | 18倍 | 20.54円 | 370円 |
| 中立 | 21倍 | 20.54円 | 431円 |
| 強気 | 25倍 | 20.54円 | 514円 |
先端分野投資が受注拡大に結び付けば強気シナリオに近づく可能性がある。一方で投資負担先行が長引く場合は弱気シナリオを意識しやすい。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
今期の総括
2026年3月期は売上回復が確認できた一方、利益面では投資先行色が強い年度だった。
来期見通し
会社は2027年3月期に売上高440.00億円、営業利益3.00億円、経常利益3.00億円、親会社株主帰属利益2.30億円を見込む。売上成長継続が前提だが、利益回復はなお限定的である。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
総合判断
総合判断は中立である。需要回復は見えるが、利益率の低さと投資回収の見極めが先だからである。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)、2026年5月8日開示