決算サマリー

項目当期実績前年同期増減率会社計画進捗率
売上高554.73億円537.35億円+3.2%595.00億円-
営業利益57.42億円49.30億円+16.5%60.00億円-
純利益43.42億円47.99億円-9.5%44.00億円-
EPS294.00円324.85円-9.5%297.93円-

売上の伸びは着実だが、最終利益は前年を下回っており、営業面と純利益面で温度差のある着地だった。

定量評価

指標直近実績比較対象見方
EPS成長率-9.5%前年同期比最終利益の伸びは鈍化した
ROIC開示なし-決算短信にROIC開示はない
PER推移約8.5倍2026年5月時点の観測株価2,525円、会社予想EPS297.93円低位圏で評価されている

営業利益率は改善したが、EPSは減少しており、数字上は割安感と成長鈍化が同居している。

ポジティブ要因

国内の更新需要が継続した

蛍光灯製造禁止を見据えた更新需要や電気料金高騰を背景に、国内照明器具の置き換え需要を取り込んだ。

海外販売が拡大した

欧州では卸市場向け提案を強化し、アジアではショールーム展開とデジタル施策の拡充で新規顧客開拓が進んだ。

環境関連事業が伸びた

環境関連事業の売上高は112.85億円で前期比10.7%増となり、照明更新と省エネ提案の組み合わせが効いた。

キャッシュ創出力が高まった

営業CFは102.78億円で前期の29.16億円から大きく増え、現金同等物残高は235.34億円まで積み上がった。

リスク要因

純利益は営業増益に連動していない

営業利益は増えた一方、純利益は減少した。営業外や税負担の影響でEPSの伸びが止まる局面には注意が必要である。

海外景気減速の影響を受けやすい

欧州やアジアで販路を広げているが、通商政策や地政学リスクが強まる場合は受注の振れ幅が大きくなる可能性がある。

有利子負債が増加している

総資産増加とともに有利子負債も増えており、金利上昇局面では資金コストの上振れが収益を圧迫する可能性がある。

家具事業は弱含みである

インテリア家具事業は売上高11.60億円で前期比16.8%減、営業利益も大幅減となり、全体の足を引っ張った。

財務安全性

自己資本比率は65.3%で前期の65.1%からわずかに改善し、財務健全性は高い。営業CFは黒字、現金同等物も235.34億円と厚い一方、設備投資や借入増加は続いているため、成長投資と株主還元の両立が維持できるかを見極めたい。

業界動向との関連

照明業界では省エネ化と更新需要が継続しており、商業施設やオフィスの改装需要も下支えになっている。遠藤照明は制御ソリューションや高付加価値製品で差別化を図っており、単なる数量勝負ではない点が強みである。

株価への示唆

前提は2027年3月期会社予想EPS297.93円、観測株価2,525円、予想PER約8.5倍である。更新需要と海外拡販が続く場合は中立から強気シナリオを意識しやすいが、最終利益の伸びが鈍いままなら再評価は限定的になりやすい。株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。

シナリオ想定PER予想EPS理論株価
弱気7.0倍297.93円2,086円
中立8.5倍297.93円2,532円
強気10.0倍297.93円2,979円

国内更新需要が一巡する場合は弱気シナリオに近づく。一方で、海外売上の拡大と利益率改善が続く場合は上振れ余地がある。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。

今期の総括

2026年3月期は、本業の営業収益力を改善しつつ過去最高売上を更新したが、最終利益は伸び切らなかった決算だった。

来期見通し

会社は2027年3月期に売上高595.00億円、営業利益60.00億円、経常利益62.00億円、純利益44.00億円、EPS297.93円を計画する。増収増益計画ではあるが、純利益の伸びは小さい。需要の継続と海外案件の積み上がりが前提となる。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。

総合判断

総合判断は中立である。営業利益率の改善は評価できるが、EPS成長率はマイナスで、PERの低さも成長期待の限定性を映しているためである。来期は純利益が持ち直すかが焦点となる。

出典

本記事は、対象企業が開示した決算短信・開示資料を基に作成しています。

  • 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)、2026年4月30日開示
  • 補足市場データ: 株価は市場データを参照しています。株価への示唆は会社予想EPSを用いて算出しています(2026年5月時点)
本記事は、公開情報に基づいた教育的・情報提供のみを目的としており、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨または勧誘するものではありません。掲載内容の正確性については万全を期しておりますが、その内容や将来の投資成果を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行っていただけますようお願い申し上げます。