決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前期実績 | 増減率 | 来期計画 | 見方 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 209.78億円 | 202.04億円 | 3.8%増 | 212.00億円 | 小幅増収を計画 |
| 営業利益 | 2.11億円 | 1.57億円 | 34.7%増 | 1.80億円 | 来期は減益計画 |
| 経常利益 | 2.36億円 | 1.81億円 | 30.2%増 | 2.00億円 | 持分法損益も影響 |
| 当期純利益 | 1.85億円 | 1.81億円 | 2.5%増 | 1.50億円 | 来期は19.2%減計画 |
| EPS | 29.67円 | 28.95円 | 2.5%増 | 23.97円 | 来期は低下見込み |
今期は増収増益だが、純利益の伸びは営業利益ほど大きくない。水産物卸売業は低い利益率で数量・単価・仕入コストの影響を受けやすく、来期計画では利益率低下が織り込まれている。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | 2.5%増 | 前期比 | 純利益は小幅増 |
| ROIC | 開示なし | 決算短信に記載なし | ROEと営業利益率で補完 |
| ROE | 7.1% | 前期7.4% | 利益増でもやや低下 |
| PER推移 | 市場データ未使用 | 株価データ未取得 | 会社予想EPSでシナリオ補完 |
営業利益率は0.8%から1.0%へ改善したが、なお薄い。自己資本当期純利益率は7.1%で、前期から0.3ポイント低下している。
ポジティブ要因
水産物卸売が増収増益
主力の水産物卸売業は売上高208.00億円、営業利益2.19億円だった。横浜南部市場内の食品加工場向け売上増加や、売上総利益の増加が寄与した。
鮮魚は単価高で売上増
鮮魚部門は取扱数量が4.1%減少したが、単価高により売上高は2.5%増となった。数量減を単価で補った形である。
冷凍・塩干部門が伸長
冷凍・塩干部門は取扱数量が10.1%増、売上高が5.1%増となった。数量面の伸びが売上を支えた。
財務安全性は改善
自己資本比率は47.7%で前期46.5%から上昇した。営業活動によるキャッシュフローも1.74億円のプラスを確保している。
リスク要因
利益率が薄い
営業利益率は1.0%であり、仕入価格や物流費の変動を吸収する余地は大きくない。売上が増えても粗利率が下がる場合、利益は減少しやすい。
漁獲不振と魚価上昇
水産物流業界では、海洋環境の変化による漁獲不振や円安による魚価上昇が続いている。仕入価格が上がる場合、販売数量や利益率に影響する可能性がある。
来期は減益計画
来期は売上高1.1%増を見込む一方、営業利益14.9%減、当期純利益19.2%減を計画する。魚価上昇、人件費、物流費の増加が主な前提である。
棚卸資産が増加
営業キャッシュフローはプラスだったが、棚卸資産が2.68億円増加した。水産物は在庫管理と販売回転が重要であり、需給変動に注意が必要である。
財務安全性
総資産は56.47億円、純資産は26.94億円、自己資本比率は47.7%である。自己資本比率は前期から1.2ポイント改善し、中位からやや高めの水準にある。営業CFは1.74億円のプラス、投資CFは1.08億円のマイナス、財務CFは1.97億円のマイナスで、現金及び現金同等物は4.62億円となった。
業界動向との関連
水産物流業界は、漁獲量、魚価、為替、物流費、人件費の影響を受ける。今期は単価上昇と数量増加が売上を支えたが、来期はコスト増による利益率低下が会社計画に反映されている。当該業界は資源量や相場の影響を受けるため、業績は一定ではありません。
株価への示唆
株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。市場株価データは使用せず、会社予想EPS23.97円に水産卸売業としてのシナリオPERを掛けた条件付き試算とする。来期減益幅が計画より小さく、営業利益率を維持できる場合は上位シナリオに近づく可能性がある一方、魚価上昇や物流費増加が強まる場合は評価倍率が低下する可能性がある。
| シナリオ | 想定PER | 予想EPS | 理論株価 |
|---|---|---|---|
| 弱気 | 8.0倍 | 23.97円 | 192円 |
| 中立 | 12.0倍 | 23.97円 | 288円 |
| 強気 | 16.0倍 | 23.97円 | 384円 |
今期の総括
2026年3月期は、売上総利益の増加と費用減少により増収増益となった。主力の水産物卸売業は増収増益で、不動産等賃貸業も安定している。ただし利益率は低く、来期はコスト増による減益計画である。
来期見通し
2027年3月期は売上高212.00億円、営業利益1.80億円、経常利益2.00億円、当期純利益1.50億円を計画する。量販店向け販売を進める一方、魚価上昇、人件費、物流費の増加を見込む。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
総合判断
総合判断は中立である。今期の増益と自己資本比率改善は評価材料だが、営業利益率は1.0%で、来期は減益計画である。次回決算では、鮮魚の数量回復、冷凍・塩干部門の伸び、棚卸資産、粗利率を確認したい。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)」、横浜魚類株式会社、2026年5月11日開示