決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前期実績 | 増減率 | 来期計画 | 見方 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1724.62億円 | 1653.39億円 | 4.3%増 | 1800.00億円 | 増収継続を計画 |
| 営業利益 | 25.27億円 | 24.44億円 | 3.4%増 | 36.00億円 | 来期は大幅増益計画 |
| 経常利益 | 34.52億円 | 34.72億円 | 0.6%減 | 45.00億円 | 営業外費用増が重い |
| 純利益 | 28.18億円 | 28.90億円 | 2.5%減 | 37.00億円 | 来期は回復計画 |
| EPS | 144.94円 | 145.70円 | 0.5%減 | 190.14円 | 会社計画達成が焦点 |
売上と営業利益は増えたが、営業利益率は1.5%で横ばいに近く、純利益は減少した。増収の質を確認する局面である。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | 0.5%減 | 前期比 | 純利益減により小幅低下 |
| ROIC | 約4.1% | 簡易推計 | 資本効率は高いとはいえない |
| PER推移 | 約7.0倍 | 2026年5月11日10:19の株価1327円と来期予想EPS190.14円で算出 | 来期計画を前提にすると一桁台 |
簡易ROICは、営業利益に実効税率を掛け、自己資本と有利子負債から現金を差し引いた投下資本で割って算出した推計である。数字からは、財務改善は進んだ一方、営業利益率と資本効率には改善余地が残る。
ポジティブ要因
空調機器・ポンプ類が伸長
空調機器・ポンプ類の売上高は440.08億円で前年比8.4%増となった。省エネ機器や産業用ポンプの需要が増え、全体売上を押し上げた。
管材類も増収を確保
管材類は物流倉庫やデータセンター向け需要を背景に487.70億円、前年比4.5%増となった。短納期対応や在庫商材の拡充も寄与した。
財務体質が改善
純資産は364.79億円で12.9%増、自己資本比率は42.9%に上昇した。短期借入金も減少しており、バランスシートの安定度は前期より高まった。
配当は増配基調
年間配当は前期48円から50円へ増配となり、来期は52円を予定する。配当性向は当期34.5%、来期予想27.3%で、利益回復計画を前提に還元余地を保つ形である。
リスク要因
純利益は減少
営業利益は増加したが、経常利益と純利益は減少した。投資有価証券売却益874百万円などの特別利益もあり、本業の収益力とは異なる要因が含まれています。
衛生陶器・金具類が減収
衛生陶器・金具類は466.91億円で前年比1.1%減となった。リフォーム需要は増えたが、新築需要の減少が響いており、住宅関連需要の強弱が残る。
費用増が利益率を抑制
販売費及び一般管理費は157.68億円へ増加した。運賃及び荷造費や給与手当、その他費用が増えており、増収でも営業利益率は1.5%にとどまった。
来期計画の達成条件が高い
来期は営業利益42.5%増を計画する。仕入価格と販売価格の管理、コスト削減、リフォーム・省エネ需要の取り込みが進まない場合、計画未達の可能性がある。
財務安全性
総資産は849.94億円で0.6%減、純資産は364.79億円で12.9%増となった。自己資本比率42.9%は30-50%の中位水準にあり、前期37.7%から改善している。流動比率は約122.4%で標準的、有利子負債は約84.35億円で総資産の約9.9%にとどまる。営業CFは48.15億円のプラスで、短期借入金の返済を進めた点は財務面の改善として見られる。
業界動向との関連
会社は建設投資について、民間非住宅投資、公共投資、リフォームが前年比プラスで推移すると見込んでいる。一方で新築住宅需要の減少や物流費・人件費の上昇も残る。建設資材卸は景気や建設投資の循環を受けやすく、業績は一定ではありません。
株価への示唆
株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。2026年5月11日10:19時点の株価1327円を来期予想EPS190.14円で割るとPERは約7.0倍となる。ただし、株価データ側の予想PERは旧EPSベースと見られるため、以下は会社計画EPSを用いた条件付き試算である。
| シナリオ | 想定PER | 予想EPS | 理論株価 |
|---|---|---|---|
| 弱気 | 6.5倍 | 190.14円 | 1236円 |
| 中立 | 8.0倍 | 190.14円 | 1521円 |
| 強気 | 9.5倍 | 190.14円 | 1806円 |
増益計画が達成され、営業利益率の改善が確認される場合は中立以上のシナリオが意識される可能性がある。一方、コスト上昇や新築需要減が続く場合はPERが切り上がらず、弱気シナリオに近づく可能性がある。
今期の総括
2026年3月期は増収と営業増益を確保し、自己資本比率も改善した。ただし営業利益率は低く、経常利益と純利益は減少したため、単純な増収増益評価には慎重さが必要である。販売価格管理と費用抑制の成否が次の論点である。
来期見通し
2027年3月期は売上高1800.00億円、営業利益36.00億円、経常利益45.00億円、純利益37.00億円を計画する。会社は既存分野でのシェアアップ、地域密着営業、環境・エネルギー関連、DX、人材育成を掲げる。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
総合判断
総合判断は中立である。売上成長と財務改善は評価材料だが、EPSは前期比で小幅減、簡易ROICも約4.1%にとどまる。来期の大幅増益計画が株価評価の支えになるには、営業利益率の改善とコスト管理の実績確認が必要である。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信および補足市場データを基に作成しています。
- 「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」、橋本総業ホールディングス株式会社、2026年5月11日開示
- 補足市場データ: Yahoo!ファイナンス「橋本総業ホールディングス(株)」の株価1327円、2026年5月11日10:19時点を参照