決算サマリー

項目当期実績前年同期増減率会社計画進捗率
売上高1兆936.53億円1兆583.96億円+3.3%4兆7,650.00億円23.0%
営業利益713.70億円965.17億円-26.1%4,560.00億円15.7%
純利益483.03億円722.31億円-33.1%3,330.00億円14.5%
EPS55.20円77.27円-28.6%388.42円-

売上は増加したが、利益は大きく落ち込んだ。通期計画据え置きのため、今後の採算回復が前提になる。

定量評価

指標直近実績比較対象見方
EPS成長率-28.6%前年同期比利益の落ち込みが大きく、Q1の質は慎重にみたい
ROIC開示なし-今回のPDFではROICの開示がなく、ここでは推計を置かない
PER推移約10.5倍2026年5月8日時点の株価4,077円、会社予想EPS388.42円大型電機株としては過度な過熱感は乏しいが、利益回復前提の評価である

数値だけを見ると、売上成長に対して利益の落ち込みが目立つ。通期据え置きを信頼するには、以降の回復確認が必要である。

ポジティブ要因

売上高は増収を維持した

第1四半期の売上高は1兆936億円で前年同期比3.3%増となった。トップラインは維持しており、需要そのものが大きく崩れた形ではない。

通期会社計画は据え置きである

会社は通期で売上高4兆7,650億円、営業利益4,560億円、純利益3,330億円を見込んでおり、4月23日に修正した見通しから変更していない。年間では回復を前提にしている。

現金は増加した

現金及び現金同等物は6,394.90億円となり、前期末比で535.09億円増加した。短期的な資金繰りに大きな懸念は見えにくい。

自己資本比率は高水準を維持した

株主資本比率は55.0%で、なお高い水準にある。大型製造業として財務の安定感は保たれている。

リスク要因

利益は大幅減益となった

営業利益は26.1%減、純利益は33.1%減となった。売上増でも利益率低下が大きく、収益性に課題が残る。

Q1進捗率は低めである

営業利益進捗率は15.7%、純利益進捗率は14.5%にとどまる。通期据え置き達成には以降の挽回が必要である。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。

棚卸資産と有利子負債が増えた

棚卸資産は前期末から732.45億円増、有利子負債は短長合計で2,882.22億円増となった。在庫回転や資金効率の変化は継続確認が必要である。

今回PDFの事業別説明は限定的である

今回のPDFは監査法人レビュー完了通知と決算要約が中心で、詳細な事業別増減要因は当社ホームページ掲載の説明会資料参照となっている。このPDFだけでは減益の内訳を十分に断定できない。

財務安全性

総資産は6兆2,378億円、株主資本は3兆4,331億円、株主資本比率は55.0%である。現金同等物は増えている一方、棚卸資産と借入金も増加しているため、財務安全性は高いが資産効率は慎重に見たい。

業界動向との関連

事務機器、カメラ、産業機器を含む電機業界は、景況感、企業投資、為替の影響を受けやすい。今回のPDFだけでは個別事業の細かな動きは確認しきれないが、売上増でも利益が落ちる構図は、価格競争やコスト負担が重い局面を示唆する可能性がある。

株価への示唆

前提は、2026年12月期会社予想EPS388.42円、2026年5月8日時点の株価4,077円で、予想PERは約10.5倍である。大型安定株としては極端な割高感は乏しいが、Q1減益を踏まえると業績回復前提の評価とみるべきである。株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。

シナリオ想定PER予想EPS理論株価
弱気9倍388.42円3,496円
中立10.5倍388.42円4,078円
強気12倍388.42円4,661円

今後の四半期で利益率が回復し、通期計画達成確度が高まる場合は中立から強気に寄る可能性がある。一方、Q1の減益傾向が続く場合は弱気シナリオに近づく可能性がある。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。

今期の総括

Q1は増収でも利益が大きく落ち込み、出足としてはやや弱い。通期据え置き自体は支えになるが、現時点では回復確認待ちの決算といえる。

来期見通し

会社は2026年12月期通期で売上高4兆7,650億円、営業利益4,560億円、税引前利益4,830億円、純利益3,330億円、EPS388.42円を見込んでおり、直近修正から変更していない。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。

総合判断

総合判断は中立である。財務安全性と通期据え置きは評価できるが、Q1利益の落ち込みが大きく、詳細要因も今回PDFだけでは限定的にしか確認できないためだ。次回決算では、利益率回復の有無が焦点となる。

出典

本記事は、対象企業が開示した決算短信・開示資料を基に作成しています。

  • 2026年12月期 第1四半期決算短信〔米国基準〕(連結)(監査法人による期中レビューの完了)、2026年4月30日開示
  • 補足市場データ: 株価は市場データを参照しています。株価への示唆は会社予想EPSを用いて算出しています(2026年5月8日時点)
本記事は、公開情報に基づいた教育的・情報提供のみを目的としており、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨または勧誘するものではありません。掲載内容の正確性については万全を期しておりますが、その内容や将来の投資成果を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行っていただけますようお願い申し上げます。