決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,454.56億円 | 1,422.50億円 | +2.3% | 1,640.00億円 | - |
| 営業利益 | 77.65億円 | 68.88億円 | +12.7% | 70.00億円 | - |
| 純利益 | 66.02億円 | 50.66億円 | +30.3% | 50.00億円 | - |
| EPS | 251.92円 | 193.31円 | +30.3% | 190.79円 | - |
営業利益は改善したが、純利益の伸びは特別利益の寄与も大きく、来期計画は慎重である。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +30.3% | 前年同期比 | 最終利益は大きく伸びた |
| ROIC | 開示なし | - | 中計はあるが短信で開示はない |
| PER推移 | 参考レンジ12-16倍 | 市場データ取得制約のため現値比較は省略 | 景気敏感株として中位レンジを想定 |
営業増益は評価できるが、純利益の伸びをそのまま持続力とみなすのは危うい。
ポジティブ要因
高機能材製品が伸びた
ビーズ事業ではARPROを中心に自動車分野と非自動車分野の販売が増え、売上高は959.05億円で前期比3.3%増となった。
押出事業の採算が改善した
一般包材と建築住宅向け高付加価値製品が好調で、押出事業の営業利益は25.1%増となった。
営業CFが大きく改善した
営業CFは163.49億円で前期の88.96億円から大幅に増え、投資資金を十分に賄っている。
自己資本比率は安定している
自己資本比率は65.9%で前期の65.6%から改善し、資本構成は安定している。
リスク要因
来期は減益計画である
2027年3月期の営業利益予想は70.00億円で前期比9.9%減、純利益も24.3%減の計画である。
特別利益の反動がある
当期純利益の増加には退職金制度の一部移行による特別利益が含まれており、来期は反動減が見込まれる。
原材料とエネルギーコストに左右される
中東情勢や原油価格上昇は樹脂原料と物流費を押し上げやすく、利益率の変動要因になる。
景気敏感分野への依存がある
自動車、建築、包装材など景気動向の影響を受けやすい分野が多い。当該業界は景気循環の影響を強く受けるため、業績は一定ではありません。
財務安全性
自己資本比率は65.9%で高く、営業CFは163.49億円の黒字、現金同等物は165.67億円まで増加した。固定資産投資は大きいが、資金創出力で十分に吸収しており、財務安全性は高い水準にある。
業界動向との関連
発泡樹脂業界は自動車軽量化、建築断熱、包装効率化の需要に支えられる一方、原材料と景気敏感需要の影響を強く受ける。JSPは高機能材と高付加価値建材で差別化しているが、景気循環の波は避けにくい。
株価への示唆
前提は2027年3月期会社予想EPS190.79円で、ここでは景気敏感株として想定PERレンジ12倍から16倍を置く。今期実績の純利益成長には一時要因があるため、来期は営業利益の底堅さを重視して評価したい。株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。
| シナリオ | 想定PER | 予想EPS | 理論株価 |
|---|---|---|---|
| 弱気 | 12倍 | 190.79円 | 2,289円 |
| 中立 | 14倍 | 190.79円 | 2,671円 |
| 強気 | 16倍 | 190.79円 | 3,053円 |
自動車向け高機能材と建材の販売が堅調で、原料高も価格転嫁できる場合は強気シナリオに近づく。一方で、景気減速や原材料高が進む場合は弱気シナリオを意識しやすい。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
今期の総括
2026年3月期は、高付加価値品の構成改善で本業利益を伸ばしつつ、一時益も重なって最終利益が大きく伸びた。
来期見通し
会社は2027年3月期に売上高1,640.00億円、営業利益70.00億円、経常利益72.00億円、純利益50.00億円、EPS190.79円を見込む。増収でも減益計画であり、特別利益剥落とコスト上昇を織り込んだ見通しである。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
総合判断
総合判断は中立である。営業増益は評価できるが、来期減益計画と景気敏感性を踏まえると、強気判断には材料が不足するからである。次は一時要因を除いた営業利益の持続力が焦点となる。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信・開示資料を基に作成しています。
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)、2026年4月30日開示
- 補足市場データ: 株価への示唆は会社予想EPSと想定PERレンジを用いて算出しています(2026年5月時点)