決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前期比 | 会社計画 | 見方 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,123.37億円 | 6.3%増 | 1,120.00億円 | 来期は横ばい圏 |
| 営業利益 | 51.00億円 | 16.5%増 | 41.00億円 | 来期は減益計画 |
| 純利益 | 44.59億円 | 27.1%増 | 34.00億円 | 会社計画は慎重 |
| EPS | 76.86円 | 前期59.62円 | 59.92円 | 来期は低下見通し |
本業は良い決算だったが、会社計画は保守的である。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 4.5% | 前期4.1% | 収益性は改善 |
| 自己資本比率 | 52.0% | 前期51.1% | 財務は安定 |
| 営業CF | 91.15億円 | 前期24.69億円 | 資金創出が大幅改善 |
キャッシュ創出の改善は大きいが、来期計画がその勢いを抑えている。
ポジティブ要因
インテリア事業が好調
インテリア事業の売上高は1,072.31億円で前期比6.5%増、セグメント利益は51.56億円で同17.8%増となった。ビニル系床材、壁装材、カーテンが寄与した。
新製品浸透が進む
「タイルコレクション」「TOLI GRAND WALL COLLECTION」「fuful」など新製品群が販売増に結びついた。
財務と還元に余力
自己資本比率は52.0%、期末現金は100.01億円、年間配当は34円である。資金余力は十分に見える。
リスク要因
グローバル事業は赤字
グローバル事業の売上高は23.21億円で前期比5.8%減、セグメント損失は2.75億円となった。中国や北米の建設投資低迷が影響した。
来期は減益計画
2027年3月期会社計画は営業利益41.00億円、純利益34.00億円で、今期実績を下回る。今期の好調をそのまま織り込めない。
建設関連需要の不透明感
住宅・非住宅とも新設着工は低調で、建設コスト高や金利上昇も逆風である。内装需要の持続性には注意が必要だ。
財務安全性
総資産は996.39億円、純資産は521.88億円で、自己資本比率は52.0%と安定的である。営業CFは91.15億円のプラスと大きく改善し、投資CFマイナス43.51億円を十分に吸収した。財務の安定性は高めだが、来期減益計画のもとで投資効果を維持できるかが問われる。
業界動向との関連
内装材業界はオフィス改装、宿泊施設更新、住宅着工、物流コストの影響を受ける。東リは国内内装材に強みを持つ一方、海外展開はまだ収益化途上であり、今回は国内需要の強さが海外の弱さを補った形である。
株価への示唆
今期の増収増益とCF改善はポジティブだが、来期減益計画が上値を抑えやすい。株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。国内インテリア需要が想定以上に続き、海外赤字が縮小する場合は見直し余地がある一方、国内需要が鈍化すると会社計画以上の慎重評価が広がる可能性がある。
今期の総括
2026年3月期は、内装材を中心に販売数量と採算が改善し、増収増益となった。一方、来期はその反動も織り込んだ慎重計画である。
来期見通し
2027年3月期は売上高1,120.00億円、営業利益41.00億円、純利益34.00億円を計画する。主力事業の採算維持が前提だが、海外事業の改善余地も問われる。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
総合判断
総合判断は中立である。今期は内容の良い増益決算だったが、来期会社計画が減益で、外部環境の不透明感も強いからである。次回は国内内装需要の持続性と海外赤字縮小の進捗が焦点となる。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」、2026年4月22日開示