決算サマリー

項目当期実績前年同期増減率会社計画進捗率
営業収益578.79億円377.66億円+53.3%未定-
営業利益-3.63億円-11.06億円-未定-
純利益146.88億円121.00億円+21.4%未定-
EPS488.05円402.07円+21.4%--

営業段階は赤字だが、持分法利益の拡大で経常利益と純利益が大きく伸びた決算である。

定量評価

指標直近実績比較対象見方
EPS成長率+21.4%前年同期比最終利益は増加した
ROIC開示なし-持株会社色が強く単純比較しにくい
PER推移約2.4倍2026年5月時点の観測株価1,166円、実績EPS488.05円低評価には不確実性が織り込まれている

数字上の割安感は強いが、利益の中心が持分法に依存しており、単純な低PER評価は危うい。

ポジティブ要因

持分法利益が拡大した

持分法投資損益は163.09億円で前期の154.47億円を上回り、経常利益の増加を支えた。

ハーン銀行の融資成長が続いた

モンゴルでは法人向けと個人向け融資が伸び、資金運用収益の拡大が続いたことが収益に寄与した。

自己資本比率は高い

自己資本比率は75.8%で前期の74.9%から改善し、財務の厚みは高い水準にある。

リユース事業の再編効果が出た

PRICING DATAの取り込み後にSTAYGOLDへ吸収し、グループ内での事業再編を進めたことが効率化材料になった。

リスク要因

営業利益は赤字である

営業利益は3.63億円の赤字であり、本業単体の収益性はなお弱い。最終利益だけで事業の強さを判断しにくい。

海外金融環境の影響が大きい

モンゴル、キルギス、ロシアなどの金利、為替、規制、地政学リスクが業績に直結する構造である。

来期予想が未開示である

会社は合理的な予想が困難として2027年3月期見通しを示していない。収益の見通しづらさは株価の上値を抑えやすい。

キルギスとロシアの不確実性が残る

キルギスでは追加引当負担、ロシアでは制裁と信用リスクが続いており、持分法利益の変動要因になる可能性がある。

財務安全性

自己資本比率は75.8%と高く、純資産は1,006.35億円まで拡大した。営業CFも21.76億円の黒字で現金同等物は185.36億円あるため、資金繰りは安定している。一方で、利益源泉が営業利益ではなく持分法利益である点は、財務の厚さとは別に見ておく必要がある。

業界動向との関連

海外金融業は金利と景気変動の影響を強く受ける。とくに新興国銀行は貸出成長局面で利益が伸びやすい一方、引当や為替の変化で業績が振れやすい。HSホールディングスはこの影響を直接受ける構造である。

株価への示唆

会社予想EPSは未開示のため、ここでは実績EPS488.05円を参考値として使う。観測株価1,166円に対する参考PERは約2.4倍であるが、これは営業赤字と海外金融リスクを織り込んだ水準とも読める。株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。

シナリオ想定PER予想EPS理論株価
弱気2.0倍488.05円976円
中立2.5倍488.05円1,220円
強気3.0倍488.05円1,464円

ハーン銀行の好調が続き、営業赤字縮小も進む場合は中立から強気寄りに近づく可能性がある。一方で、新興国金融環境の悪化や引当増加が出る場合は弱気シナリオを意識しやすい。来期見通しは未開示であり、不確実性は高い。

今期の総括

2026年3月期は、営業赤字を残しながらも、持分法利益の厚みで最終増益を確保した持株会社型の決算だった。

来期見通し

会社は2027年3月期の業績予想を未開示とした。市場環境、金利、為替、海外経済の影響が大きく、合理的な算定が難しいとしている。したがって来期評価は、四半期ごとの持分法利益と営業赤字縮小の有無を確認しながら進める必要がある。

総合判断

総合判断は中立である。EPSと自己資本は強いが、利益の中心が持分法で営業赤字も残るため、低PERだけで強気に傾く局面ではない。次は本業収益の改善が見えるかが焦点となる。

出典

本記事は、対象企業が開示した決算短信・開示資料を基に作成しています。

  • 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)、2026年4月30日開示
  • 補足市場データ: 株価は市場データを参照しています。株価への示唆は実績EPSを参考に算出しています(2026年5月時点)
本記事は、公開情報に基づいた教育的・情報提供のみを目的としており、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨または勧誘するものではありません。掲載内容の正確性については万全を期しておりますが、その内容や将来の投資成果を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行っていただけますようお願い申し上げます。