決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 508.55億円 | 420.75億円 | +20.9% | 638.00億円 | - |
| 営業利益 | 151.09億円 | 131.96億円 | +14.5% | 158.00億円 | - |
| 純利益 | 110.32億円 | 95.65億円 | +15.3% | 115.00億円 | - |
| EPS | 165.63円 | 141.55円 | +17.0% | 174.06円 | - |
物件売却と賃貸収益の双方が伸び、利益水準は大きく切り上がった。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +17.0% | 前年同期比 | 利益成長は堅調である |
| ROIC | 開示なし | - | 決算短信にROIC開示はなく、ここでは推計を置かない |
| PER推移 | 約14.1倍 | 2026年5月8日時点の観測株価2,462円、会社予想EPS174.06円 | 不動産株としては中位水準の評価とみられる |
賃貸と売却の両輪で増益を達成しており、数字上は安定成長に見える。
ポジティブ要因
物件売却収入が大きく伸びた
ビルディング事業の物件売却収入は156.75億円で前期比74.8%増となり、全体成長を押し上げた。
賃貸収益も増加した
キャプション by Hyatt 兜町 東京とメルキュール東京日比谷の収益寄与や賃料増額改定により、賃貸収益は289.32億円で前期比5.1%増となった。
アセットマネジメント事業も堅調である
アセットマネジメント事業売上高は46.19億円で前期比13.3%増、営業利益も16.2%増と伸びた。
株主還元は高水準である
2026年3月期の年間配当は98円、2027年3月期予想は103円で、配当性向はおおむね59%台を維持している。
リスク要因
自己資本比率は高くない
自己資本比率は28.1%で高いとは言いにくい。不動産業としては一般的だが、金利上昇局面では負債負担に注意が必要である。
有利子負債が増えている
有利子負債は2,726.83億円で前期比186.10億円増加した。再開発投資や建築費負担の増加が背景にある。
売却収入は変動しやすい
物件売却収入の寄与は大きいが、毎期同水準を期待しにくい。賃貸収益と分けてみる必要がある。
不動産市況と金利環境の影響を受ける
政策金利の上昇や投資家需要の変化によって、不動産投資市場の環境が変わる可能性がある。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
財務安全性
総資産は4,518.38億円、自己資本比率は28.1%で前期と同水準である。営業CFは148.52億円の黒字、投資CFは264.70億円の赤字、財務CFは108.02億円の黒字で、期末現金同等物は244.25億円となった。レバレッジは高いが、不動産会社としては資金繰りは安定している。
業界動向との関連
賃貸オフィス市場では拡張移転や環境改善需要を背景に平均賃料が上昇し、不動産投資市場でも国内外投資家の需要が強い。平和不動産はこの追い風を受けつつ、物件売却とアセットマネジメントの両面で恩恵を得ている。
株価への示唆
前提は、2027年3月期会社予想EPS174.06円、2026年5月8日時点の観測株価2,462円で、予想PERは約14.1倍である。賃貸収益の安定性と高配当は評価材料だが、物件売却依存度と金利環境の変化は意識されやすい。株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。
| シナリオ | 想定PER | 予想EPS | 理論株価 |
|---|---|---|---|
| 弱気 | 12倍 | 174.06円 | 2,089円 |
| 中立 | 14倍 | 174.06円 | 2,437円 |
| 強気 | 16倍 | 174.06円 | 2,785円 |
オフィス賃料の上昇と物件売却が継続し、配当水準も維持できる場合は強気シナリオに近づく可能性がある。一方で、金利上昇や投資需要鈍化が強まる場合は弱気シナリオを意識しやすい。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
今期の総括
2026年3月期は、賃貸と売却の両輪が機能し、ホテル収益も上乗せされたことで力強い増益となった。
来期見通し
会社は2027年3月期に売上高638.00億円、営業利益158.00億円、経常利益130.00億円、純利益115.00億円、EPS174.06円を見込む。増収増益計画だが、増益率は今期より鈍化しており、市況前提は慎重にみる必要がある。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
総合判断
総合判断は中立である。足元業績と配当は強いが、レバレッジの高さと不動産市況の変化を踏まえると、過度に強気には傾きにくいからである。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信・開示資料を基に作成しています。
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)、2026年4月30日開示
- 補足市場データ: 株価は市場データを参照しています。株価への示唆は会社予想EPSを用いて算出しています(2026年5月8日時点)