決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1兆8,250.98億円 | 1兆7,754.70億円 | +2.8% | 2兆400.00億円 | - |
| 営業利益 | 1,270.02億円 | 1,508.51億円 | -15.8% | 1,050.00億円 | - |
| 純利益 | 2,132.60億円 | 4,254.92億円 | -49.9% | 1,700.00億円 | - |
| EPS | 619.78円 | 1,186.60円 | -47.8% | 494.77円 | - |
売上は維持したが、利益は前期高水準から大きく低下した。利益の振れ幅の大きさは海運株らしい特徴である。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | -47.8% | 前年同期比 | 前期の高水準からの反動減が大きい |
| ROIC | 開示なし | - | 決算短信ではROICの開示がなく、ここでは推計を置かない |
| PER推移 | 約11.5倍 | 2026年5月8日時点の株価5,706円、会社予想EPS494.77円 | 市況敏感株としては中立的な水準である |
利益の落ち込みは大きいが、配当とキャッシュ創出力が一定の支えになっている。ただし収益の安定性は高くない。
ポジティブ要因
営業CFは高水準を維持した
営業CFは4,509.63億円の黒字で、前期の3,604.99億円から増加した。資金創出力はなお強い。
一部事業は底堅い
ドライバルクは市況が底堅く推移し、関連事業も増益となった。売上高ベースでは製品輸送事業も増収を確保している。
財務基盤はまだ厚い
自己資本比率は48.2%で、海運業としては高い水準を維持している。純資産も2兆9,290億円まで積み上がった。
来期も大きな利益水準を維持する計画
2027年3月期は純利益1,700億円を見込む。前期比では減るが、平常時としてはなお高い利益水準である。
リスク要因
コンテナ船事業の反動減が大きい
製品輸送事業のうちコンテナ船事業は、セグメント損益が2,176億円から266億円へ大幅減益となった。前期の高水準が剥落している。
持分法投資損益が大きく減少した
持分法投資損益は2,623.68億円から416.65億円へ減少した。純利益悪化の主要因の一つである。
海運市況は景気循環の影響を強く受ける
海運市況は荷動き、燃料価格、為替、地政学で大きく振れる。当該業界は景気循環の影響を強く受けるため、業績は一定ではありません。
大型投資で財務負担は増えている
投資CFは7,215.85億円の赤字で、財務CFも3,129.16億円の黒字により資金を手当てしている。LBC Tank Terminalsの新規連結もあり、資産規模と負債は拡大している。
財務安全性
自己資本比率は48.2%で海運業としてはなお高いが、前期の53.9%からは低下した。現金同等物は2,014.94億円で、営業CFは強い一方、投資拡大で財務構成はやや重くなっている。
業界動向との関連
ドライバルク、コンテナ、エネルギー輸送はいずれも需給と地政学で大きく変動する。商船三井の今期は、コンテナ船特需の正常化とエネルギー・市況変動が利益に表れた局面である。当該業界は景気循環の影響を強く受けるため、業績は一定ではありません。
株価への示唆
前提は、2027年3月期会社予想EPS494.77円、2026年5月8日時点の株価5,706円で、予想PERは約11.5倍である。高配当とキャッシュ創出力は評価されやすいが、市況の反落局面ではPERが切り下がりやすい。株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。
| シナリオ | 想定PER | 予想EPS | 理論株価 |
|---|---|---|---|
| 弱気 | 9倍 | 494.77円 | 4,453円 |
| 中立 | 11.5倍 | 494.77円 | 5,690円 |
| 強気 | 13倍 | 494.77円 | 6,432円 |
海運市況が想定以上に底堅く、コンテナやエネルギー輸送の採算が改善する場合は強気シナリオが近づく。一方、市況悪化や地政学悪化が強まる場合は弱気シナリオに寄る可能性がある。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
今期の総括
2026年3月期は増収でも大幅減益となり、海運特有の利益変動が鮮明に出た。前期が高水準だったことを踏まえれば正常化ともいえるが、安定成長とみるのは難しい。
来期見通し
会社は2027年3月期に売上高2兆400億円、営業利益1,050億円、経常利益1,450億円、純利益1,700億円、EPS494.77円を見込んでいる。高水準ではあるが、市況や需給の前提に左右される。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
総合判断
総合判断は中立である。高配当と営業CFは評価できるが、利益の振れ幅が大きく、海運市況依存も強いためだ。次回決算では、コンテナ船事業と持分法利益の回復度合いが焦点となる。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信・開示資料を基に作成しています。
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)、2026年4月30日開示
- 補足市場データ: 株価は市場データを参照しています。株価への示唆は会社予想EPSを用いて算出しています(2026年5月8日時点)