決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 2兆125.15億円 | 1兆8,440.95億円 | +9.1% | 2兆950.00億円 | - |
| 営業利益 | 2,180.04億円 | 1,724.52億円 | +26.4% | 1,800.00億円 | - |
| 純利益 | 1,376.04億円 | 1,070.38億円 | +28.6% | 1,100.00億円 | - |
| EPS | 306.96円 | 245.09円 | +25.2% | 約255.93円 | - |
来期の予想EPSは、会社予想の親会社帰属利益1,100億円を期末発行済株式数から自己株式数を差し引いた株式数で単純計算した参考値である。会社が短信冒頭で予想EPSを直接開示したものではない。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +25.2% | 前年同期比 | 利益成長は強く、回復局面の勢いが続いた |
| ROIC | 開示なし | - | 決算短信ではROICの開示がなく、ここでは推計を置かない |
| PER推移 | 約10.3倍 | 2026年5月8日時点の株価2,637.5円、参考予想EPS約255.93円 | 航空株としては中立的な評価水準である |
今期は好業績だが、会社は来期減益を見込んでいる。回復局面から平常化局面へ移る前提が必要になる。
ポジティブ要因
国際・国内旅客需要が堅調だった
国際旅客はインバウンド需要継続と日本発ビジネス需要回復で伸び、国内旅客もキャンペーンにより旅客数を大きく伸ばした。需要面は強い。
EBITマージンが改善した
EBITマージンは9.4%から10.8%へ改善した。売上成長に対して費用増加を相対的に抑えられている。
財務は大きく改善した
親会社所有者帰属持分比率は34.9%から40.3%へ上昇し、現金同等物は1兆101.85億円まで増加した。回復後のバランスシート強化が進んでいる。
配当水準は維持されている
2026年3月期配当は96円、2027年3月期予想も96円としている。利益減益計画下でも還元水準を維持する姿勢が見える。
リスク要因
来期は減益計画である
2027年3月期は財務・法人所得税前利益1,800億円、親会社帰属利益1,100億円と減益を見込んでいる。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
燃油費と為替の影響を受けやすい
今期の航空燃油費は3,954億円で前期より増加した。航空業は燃油価格と為替変動の影響が大きい。
需要は外部環境次第で変動する
インバウンドや国内旅行需要は景況感や地政学、感染症再拡大などで変わりうる。回復が線形に続くとは限らない。
株数前提の参考EPSには不確実性がある
短信冒頭に来期予想EPSの直接開示はなく、ここでは会社予想利益と期末株式数ベースの参考計算を用いている。確定ではありません。
財務安全性
資本合計は1兆3,347億円、親会社所有者帰属持分は1兆2,896億円、持分比率は40.3%である。営業CFは3,948.79億円の黒字、投資CFは1,831.03億円の赤字だが、現金同等物は1兆円を超え、財務体力は改善している。
業界動向との関連
航空業界はインバウンド、国内需要、燃油、為替、地政学の影響を強く受ける。JALの今期は需要回復の恩恵が大きかった一方、来期計画はその反動も見込んだ慎重な前提とみられる。
株価への示唆
前提は、2027年3月期会社予想の親会社帰属利益1,100億円を基に単純計算した参考EPS約255.93円と、2026年5月8日時点の株価2,637.5円で、参考PERは約10.3倍である。回復一巡後の平常利益をどう見るかで評価が変わりやすい。株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。
| シナリオ | 想定PER | 参考EPS | 理論株価 |
|---|---|---|---|
| 弱気 | 9倍 | 255.93円 | 2,303円 |
| 中立 | 10倍 | 255.93円 | 2,559円 |
| 強気 | 11倍 | 255.93円 | 2,815円 |
インバウンド需要と国内需要が高水準を維持し、燃油・為替が安定する場合は強気シナリオもあり得る。一方、燃油高や需要減速が重なる場合は弱気シナリオに近づく可能性がある。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
今期の総括
2026年3月期は需要回復を利益に結びつけ、財務改善も進めた好決算である。ただし、来期は減益計画であり、今期の勢いをそのまま延長しない見方が必要である。
来期見通し
会社は2027年3月期に売上収益2兆950億円、財務・法人所得税前利益1,800億円、親会社帰属利益1,100億円を見込んでいる。今期比では利益減少を見込む慎重な計画である。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
総合判断
総合判断は中立である。今期の回復と財務改善は評価できるが、来期減益計画と外部環境への感応度を踏まえると、楽観に寄りすぎにくいためだ。次回決算では、国際旅客単価と燃油費コントロールが焦点となる。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信・開示資料を基に作成しています。
- 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)、2026年4月30日開示
- 補足市場データ: 株価は市場データを参照しています。株価への示唆は会社予想利益と株式数を基に参考EPSを算出しています(2026年5月8日時点)