決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前期実績 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 営業収益 | 14兆4,091億円 | 13兆7,047億円 | +5.1% | 15兆600億円 | - |
| 営業利益 | 1兆7,062億円 | 1兆6,496億円 | +3.4% | 1兆7,100億円 | - |
| 当社帰属利益 | 1兆370億円 | 1兆0億円 | +3.7% | 9,800億円 | - |
| EPS | 12.61円 | 11.96円 | +5.4% | 12.10円 | - |
増収増益だが、利益率は営業費用増でやや抑えられている。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +5.4% | 前期比 | 着実な伸び |
| 営業利益率 | 11.8% | 前期12.0% | わずかに低下 |
| 株主資本比率 | 20.8% | 前期34.0% | 低下が目立つ |
事業拡大は続くが、資産拡大に対する資本効率の見方が重要になる。
ポジティブ要因
データセンターとデジタル需要が拡大した
生成AI普及を背景に、ネットワーク、データセンター、ソリューション需要が拡大した。
事業再編を前進させた
NTTデータグループの完全子会社化により、法人・グローバル分野の意思決定迅速化と成長投資推進体制を整えた。
金融事業の強化が進んだ
住信SBIネット銀行を連結子会社化し、d NEOBANKや金融グループ体制強化を進めた。
増配を継続した
年間配当は5.30円と前期5.20円から増配し、来期予想は5.40円である。
リスク要因
株主資本比率が低下した
総資産拡大により株主資本比率は34.0%から20.8%へ低下した。
営業CFは前期より減少した
営業活動によるキャッシュ・フローは1兆4,851億円で、前期の2兆3,640億円から減少した。
総合ICT事業の営業利益は減少した
総合ICT事業では営業収益は増加したが、営業利益は前期比7.7%減となった。
来期は最終利益減益計画である
2026年度会社予想は当社帰属利益9,800億円で、当期比5.5%減を見込む。
財務安全性
総資産は46兆7,212億円、資本合計は10兆2,175億円、株主資本は9兆7,276億円である。営業CFは大きいが、投資と事業再編により財務構造の見方は重要である。
業界動向との関連
通信業界は生成AI、DX、データセンター、金融サービス統合の競争が加速している。通信インフラの安定成長に加え、非通信領域の拡張が評価の中心となりやすい。
株価への示唆
前提は2026年度会社予想EPS12.10円である。補足市場データが未取得のため、ここでは通信大手の想定PERを10倍から13倍で置く。株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。
| シナリオ | 想定PER | 予想EPS | 理論株価 |
|---|---|---|---|
| 弱気 | 10倍 | 12.10円 | 121円 |
| 中立 | 11倍 | 12.10円 | 133円 |
| 強気 | 13倍 | 12.10円 | 157円 |
データセンターと金融の成長が加速する場合は強気シナリオに近づく可能性がある。一方で大型投資負担と収益性低下が続く場合は弱気シナリオを意識しやすい。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
今期の総括
2025年度は非通信領域を含む事業構造転換を進めながら、増収増益を確保した年度だった。
来期見通し
会社は2026年度に営業収益15兆600億円、営業利益1兆7,100億円、税引前利益1兆5,000億円、当社帰属利益9,800億円を見込む。増収でも最終利益は減益計画であり、投資負担と事業再編効果のバランスが前提となる。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
総合判断
総合判断は中立である。成長投資の方向性は明確だが、資本効率と利益率の改善余地を見極める必要があるからである。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 2025年度 決算短信〔IFRS〕(連結)、2026年5月8日開示