決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 2兆3,724.20億円 | 2兆6,449.12億円 | -10.3% | 未定 | - |
| 営業利益 | 1,603.80億円 | 2,803.32億円 | -42.8% | 未定 | - |
| 純利益 | 849.75億円 | 1,828.07億円 | -53.5% | 未定 | - |
| EPS | 169.85円 | 365.50円 | -53.5% | 未定 | - |
原発再稼働の改善効果はあったが、外部環境悪化と評価損の影響で利益は大きく減少した。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | -53.5% | 前年同期比 | 利益の落ち込みは大きく、前期高水準からの反動もある |
| ROIC | 開示なし | - | 決算短信ではROICの開示がなく、ここでは推計を置かない |
| PER推移 | 約6.2倍 | 2026年5月8日時点の株価1,059円、直近実績EPS169.85円 | 利益変動と規制業種特性を織り込んだ低位評価とみられる |
会社予想が未定のため、前向き評価には不確実性が大きい。今期実績だけで判断するには注意が必要である。
ポジティブ要因
女川2号機の再稼働が収支改善に寄与した
発電・販売事業では、女川原子力発電所第2号機の再稼働により収支改善効果があった。原子力発電電力量は前年比で大きく増加している。
営業CFは高水準の黒字を維持した
営業CFは3,701.56億円の黒字で、前期の4,103.30億円からは減少したものの、資金創出力は依然高い。
自己資本比率は改善した
自己資本比率は18.3%から19.4%へ上昇した。電力会社として高い水準ではないが、財務はやや改善している。
評価損は翌期に振戻し益となる予定である
電力先渡取引等の時価評価影響は2026年度に振戻し益として計上され、2期通算では収支影響がないと会社は説明している。これは来期の改善余地として重要である。
リスク要因
利益は大幅減益となった
営業利益は42.8%減、純利益は53.5%減となった。収益の振れ幅は大きい。
外部環境に大きく左右される
燃料価格、電力市場価格、中東情勢の悪化などが業績に直結している。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
業績予想は未定である
2027年3月期は燃料価格等の動向が不透明として、売上・利益予想を開示していない。 forward 評価の前提が置きにくい。
送配電事業も悪化している
送配電事業は調整力調達費用増などで経常損益が赤字に転じており、発販だけでなくネットワーク部門にも逆風が及んでいる。
財務安全性
総資産は5兆7,318億円、自己資本比率は19.4%である。営業CFは大きい一方、投資CFは3,756.94億円の赤字で、設備投資負担も重い。電力会社としての安定資産はあるが、財務余力は高自己資本企業ほどではない。
業界動向との関連
電力業界は燃料価格、電力市場価格、原発稼働状況、規制環境の影響を大きく受ける。東北電力の今期は、原発再稼働という改善要因があっても、外部環境悪化で利益が押し戻される典型例である。
株価への示唆
会社は2027年3月期業績予想を未定としているため、ここでは直近実績EPS169.85円を参考EPSとして用いる。2026年5月8日時点の株価は1,059円で、参考PERは約6.2倍である。この数値は通期会社予想ではなく、現状の収益水準を前提とした参考指標にとどまる。株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。
| シナリオ | 想定PER | 参考EPS | 理論株価 |
|---|---|---|---|
| 弱気 | 5倍 | 169.85円 | 849円 |
| 中立 | 6倍 | 169.85円 | 1,019円 |
| 強気 | 7倍 | 169.85円 | 1,189円 |
電力先渡取引の評価損が翌期に振戻し、原発稼働も安定する場合は強気シナリオに近づく可能性がある。一方、燃料価格高止まりや市場環境悪化が続く場合は弱気シナリオに寄る可能性がある。確定ではありません。
今期の総括
2026年3月期は、原発再稼働という改善要因がありながらも、外部環境の悪化で大幅減益となった。表面的な減益だけでなく、翌期に戻る要素と構造的な圧迫要因を分けてみる必要がある。
来期見通し
会社は2027年3月期業績予想を未定としている。燃料価格等の動向が不透明で、現時点では合理的な算定が困難としている。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
総合判断
総合判断は中立である。原発再稼働や評価損振戻しの改善余地はあるが、会社予想未定で不確実性が高く、外部環境への感応度も大きいためだ。次回決算では、評価損の戻りと販売環境の正常化が焦点となる。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信・開示資料を基に作成しています。
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)、2026年4月30日開示
- 補足市場データ: 株価は市場データを参照しています。株価への示唆は会社予想未定のため、直近実績EPSを参考に算出しています(2026年5月8日時点)