決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,352.13億円 | 1,259.08億円 | +7.4% | 1,420.00億円 | - |
| 営業利益 | 164.34億円 | 144.89億円 | +13.4% | 170.00億円 | - |
| 純利益 | 116.44億円 | 106.35億円 | +9.5% | 117.00億円 | - |
| EPS | 72.94円 | 63.45円 | +15.0% | 75.00円 | - |
売上成長以上に利益が伸びており、営業利益率は12.2%まで上がった。SI業界の中でも高採算である。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +15.0% | 前年同期比 | 利益成長は堅調 |
| ROIC | 開示なし | - | 決算短信ではROICの開示がなく、ここでは推計を置かない |
| PER推移 | 約12.8倍 | 2026年5月7日時点の観測株価963円、会社予想EPS75.00円 | 高採算ITサービス株としては中立水準にみえる |
売上総利益増と販管費減が同時に実現しており、収益の質は良い。
ポジティブ要因
高い利益率をさらに伸ばした
営業利益率は11.5%から12.2%へ上昇した。売上総利益の増加に加え、販管費の減少も寄与している。
フォーカスビジネス比率が高い
フォーカスビジネス売上高比率は62.9%となり、2028年3月期までの目標57%を上回る進捗である。成長領域へのシフトが進んでいる。
財務安全性が非常に高い
自己資本比率は74.5%、現金同等物は293.81億円である。財務安全性は非常に高い。
来期も増収増益計画である
2027年3月期は売上高1,420億円、営業利益170億円、純利益117億円を計画している。成長継続を見込む内容である。
リスク要因
IT投資環境は外部環境の影響を受ける
短信では中東情勢や米国の通商政策、金融資本市場の変動に注意が必要としている。企業IT投資の鈍化は逆風になりうる。
AI関連の成長は中長期テーマである
生成AIビジネス推進室の新設やOpenAI Japanとの連携が示されているが、短期業績への具体的寄与額は開示されていない。AI需要は中長期テーマであり、短期業績とは必ずしも一致しません。
株主還元と資本効率向上で自己株取得も行った
約25億円の自己株式取得と消却を実施している。資本政策は前向きだが、成長投資とのバランスも確認が必要である。
株価は高採算性をある程度織り込む
極端な割安感はなく、成長鈍化時は評価が伸びにくい可能性がある。
財務安全性
総資産は852億円、自己資本比率は74.5%である。営業CFは89.29億円の黒字、投資CFはほぼ均衡、財務CFは80.89億円の赤字だが、現金同等物は増加している。財務安全性は非常に高い。
業界動向との関連
SI・ITサービス業界では、クラウド、データ活用、セキュリティ、AI・生成AIへの需要が構造的な追い風である。一方、企業IT投資は景況感に左右される。DTSは成長領域比率を高めているが、AIの収益寄与はこれから見極める段階である。
株価への示唆
前提は、2027年3月期会社予想EPS75.00円、2026年5月7日時点の観測株価963円で、予想PERは約12.8倍である。高利益率と財務の強さを踏まえると一定の評価は妥当とみられるが、AI関連の期待先行で急拡大する局面かはまだ判断しにくい。株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。
| シナリオ | 想定PER | 予想EPS | 理論株価 |
|---|---|---|---|
| 弱気 | 11倍 | 75.00円 | 825円 |
| 中立 | 13倍 | 75.00円 | 975円 |
| 強気 | 15倍 | 75.00円 | 1,125円 |
フォーカスビジネスの拡大と高利益率維持が続く場合は強気シナリオに近づく。一方、IT投資が鈍化する場合は弱気シナリオに寄る可能性がある。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
今期の総括
2026年3月期は、高採算をさらに高めた堅調な増収増益決算だった。フォーカスビジネスへのシフトと財務の強さが際立つ。
来期見通し
会社は2027年3月期に売上高1,420億円、営業利益170億円、経常利益173.5億円、純利益117億円、EPS75.00円を見込んでいる。小幅増益計画で、安定成長の継続を前提としている。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
総合判断
総合判断は中立である。足元の業績と財務は強いが、AI関連の期待と短期業績寄与は区別してみる必要があり、評価の上積みには継続成長の確認が必要だからである。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信・開示資料を基に作成しています。
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)、2026年5月1日開示
- 補足市場データ: 株価は市場データを参照しています。株価への示唆は会社予想EPSを用いて算出しています(2026年5月7日時点)