決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前期実績 | 増減率 | 来期計画 | 見方 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 524.31億円 | 500.28億円 | 4.8%増 | 540.00億円 | DX需要で増収計画 |
| 営業利益 | 52.90億円 | 61.16億円 | 13.5%減 | 54.00億円 | 小幅回復を計画 |
| 経常利益 | 55.33億円 | 61.68億円 | 10.3%減 | 54.50億円 | 来期は小幅減計画 |
| 純利益 | 37.09億円 | 36.62億円 | 1.3%増 | 37.50億円 | ほぼ横ばい |
| EPS | 249.00円 | 245.79円 | 1.3%増 | 251.69円 | 利益成長は限定的 |
売上と受注は伸びたが、営業利益率は12.2%から10.1%へ低下した。不採算案件と人材投資を吸収できる収益体質が焦点である。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | 1.3%増 | 前期比 | 純利益は小幅増 |
| ROIC | 開示なし | 決算短信に記載なし | ROE10.1%で補完 |
| PER推移 | 市場データ未使用 | 株価データ未取得 | 会社予想EPSでシナリオ補完 |
数字からは、ROE10.1%と自己資本比率76.9%は良好だが、営業利益率の低下が目立つ。売上成長より採算改善の確認が重要である。
ポジティブ要因
受注と売上は増加
受注高は529.57億円で3.4%増、売上高は524.31億円で4.8%増となった。企業のDX関連投資やIT投資需要が下支えした。
デバイスソリューションが増益
デバイスソリューションは売上高96.12億円で6.8%増、営業利益14.47億円で13.3%増となった。半導体設計・開発分野が堅調に推移した。
財務安全性が高い
自己資本比率は76.9%で前期75.1%から上昇した。現金及び現金同等物も195.50億円あり、財務面の安定性は高い。
配当は高水準を維持
年間配当は125円で、来期も125円を予定する。来期予想配当性向は49.7%で、利益成長が小さいなかでも還元水準を維持する方針である。
リスク要因
営業利益率が低下
営業利益率は12.2%から10.1%へ低下した。人的投資などの経費増と不採算案件が影響しており、採算管理の改善が必要である。
複数セグメントで減益
エンタープライズ、サービス、エンベデッドの各ソリューションで営業減益となった。特にサービスソリューションは35.8%減益だった。
純利益増の見え方
純利益は増加したが、前期に有価証券評価損を計上した反動がある。本業の収益力とは異なる比較要因が含まれています。
AI人材の獲得競争
AI実装やDX投資は需要面の追い風だが、AI人材の獲得競争はコスト増要因となる。AI需要は中長期テーマであり、短期業績とは一致するとは限らない。
財務安全性
総資産は492.89億円、純資産は378.91億円、自己資本比率は76.9%である。50%以上の高い水準で、財務安全性は高い。流動比率は約454.9%と厚く、営業CFは27.88億円のプラスである。投資CFは16.18億円の支出となったが、現金残高は195.50億円あり、投資余力は保たれている。
業界動向との関連
情報サービス産業では、DX、サイバーセキュリティ、AI実装への投資需要が続いている。一方で人材獲得競争や不採算案件管理が収益性を左右する。案件型ITサービスは需要があっても採算次第で利益が変動しやすい。
株価への示唆
株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。市場株価データは使用せず、会社予想EPS251.69円にITサービス企業としてのシナリオPERを掛けた条件付き試算とする。不採算案件が収束し営業利益率が戻る場合は上位シナリオに近づく可能性がある一方、人件費増が続く場合は評価倍率が抑えられる可能性がある。
| シナリオ | 想定PER | 予想EPS | 理論株価 |
|---|---|---|---|
| 弱気 | 9.0倍 | 251.69円 | 2265円 |
| 中立 | 12.0倍 | 251.69円 | 3020円 |
| 強気 | 15.0倍 | 251.69円 | 3775円 |
今期の総括
2026年3月期はDX需要を背景に増収となったが、経費増と不採算案件で営業減益となった。財務は非常に強いが、売上成長を利益に変える採算管理が次の課題である。
来期見通し
2027年3月期は売上高540.00億円、営業利益54.00億円、経常利益54.50億円、純利益37.50億円を計画する。基盤事業の拡大と中長期成長領域の創出に取り組む方針である。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
総合判断
総合判断は中立である。受注・売上成長、自己資本比率76.9%、ROE10.1%は評価材料だが、営業利益率低下と不採算案件が重い。次回は営業利益率の回復とサービス系セグメントの採算改善を確認したい。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」、NSW株式会社、2026年5月11日開示