決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 57.58億円 | 74.94億円 | -23.2% | 75.50億円 | - |
| 営業利益 | -7.07億円 | -2.76億円 | - | 0.85億円 | - |
| 純利益 | -10.97億円 | -5.45億円 | - | 0.02億円 | - |
| EPS | -398.65円 | -267.69円 | -48.9% | 0.63円 | - |
ファッション事業の減速に加え、美容事業のブランド入替負担が重く、通期では赤字が大きく拡大した。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | -48.9% | 前年同期比 | 1株損失が拡大しており、利益成長の持続性は確認できない |
| ROIC | 開示なし | - | 短信に開示がなく、自己資本が薄いため単純推計もぶれやすい |
| PER推移 | 現在約746倍 | 2026年5月7日時点の株価470円、会社予想EPS0.63円 | 予想EPSが極小のため、PERは通常以上に解釈が難しい |
数字から見ると、足元は業績悪化と財務の弱さが目立ち、現在株価は実績よりも黒字転換期待を強く織り込んでいる。
ポジティブ要因
ファッション事業は減収幅が相対的に小さい
主力のファッション事業売上高は39.27億円で前年同期比4.7%減にとどまった。高額品需要は弱かった一方、中低額品は堅調で、AI解析を使った再来店促進施策も一定の成果を上げた。
美容事業の再構築が進行
美容事業では旧ブランド終息の影響が大きく売上高は15.99億円で前年同期比49.3%減となったが、新たな輸入総代理店契約や美容デバイス分野の導入を進めた。短期の数字は厳しいが、来期以降の売上回復余地を残している。
資金調達で手元流動性は確保
新株予約権行使による株式発行収入は8.88億円あり、財務CFは7.23億円のプラスとなった。現金及び現金同等物は6.89億円と前期末比1.85億円増加している。
来期は黒字転換計画
会社は2027年3月期に売上高75.50億円、営業利益0.85億円、当期純利益0.02億円を計画している。GINZA LoveLoveの集客施策、&choa!の新商材投入、美容事業の自社ブランド育成が前提となる。
リスク要因
本業の赤字が拡大
営業損失は7.07億円で前期の2.76億円から悪化した。売上総利益は14.22億円へ縮小し、販管費の圧縮では売上減を吸収できていない。
特別損失で最終赤字が膨らんだ
減損損失2.63億円と店舗閉鎖損失引当金0.26億円を計上し、当期純損失は10.97億円となった。本業の収益力とは異なる要因が含まれています。
財務安全性は弱い
自己資本比率は4.8%から1.9%へ低下した。流動比率も約93.9%にとどまり、有利子負債は約29.63億円で総資産比約66.9%と高い。
営業CFとFCFは赤字
営業CFは1.55億円のマイナス、投資CFは3.82億円のマイナスで、フリーCFは約5.37億円の赤字となった。来期の黒字転換が遅れる場合は追加の資金負担が意識されやすい。
財務安全性
自己資本比率は1.9%で低く、財務余力はかなり限られる。流動資産34.03億円に対し流動負債は36.25億円で、流動比率は約93.9%と100%を下回る。有利子負債比率も総資産比約66.9%と高水準で、営業CFは赤字、フリーCFも赤字である。現金残高は増えたが、これは新株予約権行使による資金調達の影響が大きい。
業界動向との関連
同社の業績は、ブランド品やコスメの選別消費、円安による仕入コスト、韓国コスメを含む新ブランドの立ち上がりに左右されやすい。会社説明でも高額品需要の落ち込みと中低額品の堅調さが併存しており、単価構成の変化が収益回復の鍵になる。
株価への示唆
前提は、2027年3月期会社予想EPS0.63円、2026年5月7日時点の株価470円で、予想PERは約746倍である。EPS水準が極めて小さいため、PERは通常時よりも市場の黒字転換期待を強く反映しやすい。株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。
| シナリオ | 想定PER | 予想EPS | 理論株価 |
|---|---|---|---|
| 弱気 | 500倍 | 0.63円 | 315円 |
| 中立 | 750倍 | 0.63円 | 473円 |
| 強気 | 1,000倍 | 0.63円 | 630円 |
上記は来期に黒字転換し、その後も事業再建が続くことを前提にした試算である。美容事業の新ブランド拡販や店舗採算改善が進む場合は上振れ余地がある一方、黒字転換が遅れる場合は弱気ケースに近づく可能性がある。現在株価は中立ケース付近にあるが、利益水準が小さいため前提変化に非常に敏感である。
今期の総括
2026年3月期は、ファッション事業の踏ん張りだけでは美容事業の落ち込みを補えず、営業赤字が拡大した。資金調達で現金は積み増したが、減損損失も計上しており、事業再編期の色が強い決算である。
来期見通し
会社計画は売上高75.50億円、営業利益0.85億円、経常利益0.22億円、当期純利益0.02億円、EPS0.63円である。売上高は前期比31.1%増を見込む一方、利益額はまだ小さく、収益回復は初期段階とみる必要がある。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
総合判断
総合判断は弱気である。売上高は23.2%減、自己資本比率は1.9%、営業CFも赤字で、足元の財務安全性は低い。一方で、来期に黒字転換できる場合は見直し余地もあるが、それには美容事業の再成長と既存店採算の改善が前提となる。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信・開示資料を基に作成しています。
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)、2026年5月7日開示
- 補足市場データ: 株価、時価総額はYahoo!ファイナンス等の市場データを参照しています(2026年5月7日時点)