決算サマリー

項目当期実績前年同期増減率会社計画進捗率
売上高464.03億円448.90億円+3.4%473.00億円該当なし
営業利益20.79億円19.70億円+5.5%20.50億円該当なし
経常利益22.69億円21.05億円+7.8%20.00億円該当なし
純利益14.41億円13.96億円+3.2%14.10億円該当なし
EPS159.32円155.15円+2.7%155.51円該当なし

会社計画欄は2027年3月期の通期予想を置いているため、進捗率は該当なしとしています。今期は増収増益でしたが、来期は営業利益、経常利益、純利益の小幅減を見込んでいます。

定量評価

指標直近実績比較対象見方
EPS成長率+2.7%前期比利益成長は緩やかです。
ROE8.4%前期8.9%利益は増えたものの資本効率はやや低下しました。
ROIC直接記載なし営業利益・投下資本セグメント別の投下資本が不足するため簡易算定は保留します。
PER推移市場データ未反映補足市場データ未使用株価評価では別途市場データの確認が必要です。

営業利益率は4.5%で、前期の4.4%から小幅改善しました。ROEは8.4%で、中期経営計画の3カ年平均ROE目標10%以上には届いていません。

ポジティブ要因

営業利益20億円台を達成

営業利益は20.79億円となり、会社が目標としていた営業利益20億円台を達成しました。売上高も464.03億円まで増加し、中期経営計画の収益目標の多くを達成しています。

エレクトロニクスの増益

エレクトロニクスは売上高215.56億円、セグメント利益17.75億円でした。生成AI関連の半導体需要を背景に、機能性材料や精密加工部材の受注が堅調でした。

医療・精密機器の利益改善

医療・精密機器は売上高73.05億円で前期比1.5%減でしたが、セグメント利益は7.06億円で78.2%増となりました。アセアン各工場の原価低減活動が利益に寄与しています。

特別配当を含む還元

2026年3月期の年間配当は154円で、普通配当78円に特別配当76円を加えた水準です。配当性向は96.7%で、株主還元姿勢は強く出ています。

リスク要因

営業CFの縮小

営業CFは3.08億円で、前期の27.68億円から大きく減少しました。売上債権の増加30.60億円が主因であり、利益成長と資金回収のずれに注意が必要です。

モビリティの収益課題

モビリティは売上高176.76億円、セグメント利益11.62億円でしたが、中国の日系自動車メーカーの販売不振や稲沢工場の新規量産歩留まりが課題として残りました。

来期は小幅減益予想

2027年3月期は売上高473.00億円を見込む一方、営業利益20.50億円、経常利益20.00億円、純利益14.10億円と減益計画です。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。

還元水準の持続性

2026年3月期の配当は特別配当を含みます。2027年3月期の年間配当予想は79円であり、特別配当込みの前期水準とは分けて見る必要があります。

財務安全性

総資産は365.18億円、純資産は179.92億円、自己資本比率は49.3%です。自己資本比率は前期の50.9%から低下しましたが、財務基盤は中位からやや良好な水準です。一方、営業CFは3.08億円に縮小し、短期借入金の純増25.00億円が財務CFを押し上げています。売上債権の回収状況を確認したい局面です。

業界動向との関連

同社はエレクトロニクス、モビリティ、医療・精密機器を展開しており、半導体需要、自動車生産、東南アジア景気、為替や関税政策の影響を受けます。生成AI関連需要は追い風ですが、自動車関連の地域差や工場歩留まりが利益変動要因です。

株価への示唆

株価への示唆は条件付きで見る必要があります。営業利益20億円台の定着、医療・精密機器の利益改善、売上債権の回収が進む場合は評価を支える可能性があります。一方、モビリティの歩留まり改善が遅れる場合や営業CFの弱さが続く場合は評価が下振れる可能性があります。株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。

今期の総括

2026年3月期は増収増益で、営業利益20億円台を達成しました。エレクトロニクスと医療・精密機器の利益改善が目立つ一方、営業CFの縮小とモビリティの収益課題が残る決算です。

来期見通し

2027年3月期は売上高473.00億円、営業利益20.50億円、経常利益20.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益14.10億円を見込んでいます。年間配当予想は79円です。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。

総合判断

総合判断は中立である。営業利益20億円台の達成とセグメント利益改善は評価できますが、営業CFの縮小、来期減益予想、特別配当剥落後の還元水準を踏まえると慎重に見たい決算です。次回は売上債権の回収とモビリティの採算改善が焦点です。

出典

本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。

  • 「2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」、日邦産業、開示日: 2026-05-18
本記事は、公開情報に基づいた教育的・情報提供のみを目的としており、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨または勧誘するものではありません。掲載内容の正確性については万全を期しておりますが、その内容や将来の投資成果を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行っていただけますようお願い申し上げます。