選定方針

今回の選定では、純利益の大きさだけではなく、本業の営業利益と利益率を重視しました。

確認した主な観点は次の通りです。

  • 売上高または売上収益が伸びているか
  • 営業利益が増えているか、または黒字転換しているか
  • 営業利益率やROICに一定の厚みがあるか
  • 自己資本比率や営業キャッシュ・フローに大きな違和感がないか
  • 通期予想や次期予想が確認できる場合、成長の継続余地があるか
  • 一過性要因だけではなく、営業利益で説明できる改善か

一方で、営業赤字、営業キャッシュ・フローの弱さ、会社予想の大幅な未達リスク、テーマ先行だけで数字の裏付けが弱い銘柄は慎重に扱っています。

会社予想は外部環境により変動する可能性があります。

注目10銘柄

企業名|コード決算期注目理由注意点詳細
キオクシアHD|285A2026年3月期通期売上高37.0%増、営業利益93.4%増。営業利益率37.5%、営業CF6165.40億円で、メモリ市況回復局面の収益レバレッジが大きい。半導体メモリは市況循環と在庫調整の影響が大きい。EPSやPERの確認も必要。詳細
AIメカテック|62272026年6月期3Q売上高134.4%増、営業利益は大幅増。通期営業利益計画に対する進捗率87.1%、営業利益率17.0%で、装置需要の強さが見える。半導体・電子部品向け設備投資は景気循環に左右される。受注残と顧客投資の継続性を確認したい。詳細
santecHD|67772026年3月期通期売上高31.1%増、営業利益39.0%増。営業利益率32.8%、自己資本比率71.2%、営業CF80.95億円で、成長と財務の両面が確認しやすい。光通信・測定器需要、為替、製品ミックスで利益率が変動する可能性がある。詳細
アサヒインテック|77472026年6月期3Q売上高18.0%増、営業利益45.5%増。営業利益率34.5%、通期営業利益計画への進捗率88.6%で、高収益医療機器として安定感がある。医療機器は地域別販売、製品ミックス、為替、研究開発投資の影響を受ける。詳細
電算|36402026年3月期通期売上高49.3%増、営業利益150.1%増。営業利益率22.5%、自己資本比率63.3%、営業CF43.10億円で、本業収益とキャッシュの両方が改善。次期会社予想が確認しにくいため、受注採算と案件進捗の継続性を見たい。詳細
DI|43102026年3月期通期売上高40.6%増、営業利益595.6%増。営業利益率20.6%、自己資本比率74.0%、営業CF25.76億円で、収益レバレッジが強い。会社予想が非開示のため、次期成長の再現性と案件単価を追加確認したい。詳細
G-バトンズ|554A2026年3月期通期売上高45.3%増、営業利益600.3%増。営業利益率18.1%、ROIC21.4%、次期も増収増益予想で、小型成長株として数字が目立つ。事業規模はまだ小さく、案件数や広告費、人件費の変動で利益が振れやすい。詳細
テラプローブ|66272026年12月期1Q売上高37.5%増、営業利益83.1%増。営業利益率25.2%で、半導体検査関連の収益改善が確認できる。半導体市況、顧客の稼働率、設備投資サイクルの影響を受けやすい。詳細
木村工機|62312026年3月期通期売上高11.7%増、営業利益24.8%増。営業利益率25.6%、営業CF38.69億円、次期も増収増益予想で採算の高さが目立つ。空調・設備投資関連は資材価格、人件費、工期管理で利益が振れやすい。詳細
G-サイバーセキュリ|44932026年12月期1Q売上高17.5%増、営業利益50.6%増。営業利益率26.0%、自己資本比率81.0%、通期営業利益計画への進捗率30.2%で、セキュリティ需要の収益化が進む。Q1時点の進捗だけで通期達成を判断できない。人材投資、開発費、競争環境を確認したい。詳細

上位候補の見方

半導体・光通信関連では、キオクシアHD、AIメカテック、santecHD、テラプローブが目立ちます。

キオクシアHDは営業利益の絶対額が大きく、営業CFも確認できます。AIメカテックは3Q時点で通期営業利益計画に対する進捗が高く、装置需要の強さが数字に出ています。santecHDは営業利益率32.8%と財務の厚みがあり、テラプローブは半導体検査領域で1Qから営業利益83.1%増となりました。

当該業界は景気循環の影響を強く受けるため、業績は一定ではありません。

医療機器では、アサヒインテックが売上・営業利益・利益率のバランスで目立ちます。通期営業利益計画への進捗率が高い一方、地域別需要や為替の影響を受けるため、次の四半期で利益率が維持されるかが焦点です。

IT・デジタルサービスでは、電算、DI、G-バトンズ、G-サイバーセキュリを選びました。いずれも営業利益の改善が確認できますが、DIは次期予想が非開示、G-バトンズは規模が小さいため、翌期以降の再現性を慎重に見る必要があります。

セクター別の特徴

領域主な銘柄今回の特徴確認したいリスク
半導体・光通信キオクシアHD、AIメカテック、santecHD、テラプローブ売上成長と営業利益の伸びが大きい市況循環、在庫、設備投資、為替
医療機器アサヒインテック高い営業利益率と計画進捗地域別販売、製品ミックス、研究開発費
IT・システム電算、DI売上成長に営業利益の伸びが乗っている案件進捗、採算、人件費、次期予想
デジタルサービスG-バトンズ、G-サイバーセキュリ高利益率または高成長が確認できる小型株の変動、広告費、人材投資、競争
空調・設備木村工機利益率と営業CFが堅調資材価格、人手不足、工期管理

見送り・注意したい決算

今回の10銘柄には入れなかったものの、追加確認したい決算もあります。

企業名|コード見方
G-データセクション|3905売上高の伸びと黒字転換は大きい一方、次期予想の規模が大きく、営業CFとの整合性や収益の再現性を確認したい。
G-ヘッドウォーター|4011売上高70.8%増、営業黒字転換だが、通期計画への進捗はまだ低く、下期偏重かどうかの確認が必要。
G-kubell|4448営業利益63.8%増、営業利益率18.1%は良いが、会社予想が非開示で継続性を追加確認したい。
三菱UFJ|8306利益規模は大きいが、金融機関は通常の営業利益比較やキャッシュ・フロー評価が一般企業と異なるため別枠で確認したい。
ホクリヨウ|1384売上高19.1%増、営業利益157.8%増と強いが、鶏卵価格や飼料価格の変動影響を分けて見る必要がある。

本業の収益力とは異なる要因が含まれています。特に純利益だけが大きく動いている銘柄は、営業利益、特別損益、税効果を分けて確認する必要があります。

明日以降の確認ポイント

まず確認したいのは、決算内容と市場期待の差です。

強い増益でも、事前に期待が高まっていた銘柄では株価反応が限定的になることがあります。反対に、黒字転換や進捗率の改善が想定以上なら、翌日以降の見直し材料になる可能性があります。

次に、会社予想の前提です。

半導体関連では、受注残、顧客の投資姿勢、在庫調整、為替が重要です。医療機器や空調設備では、製品ミックス、原材料費、人件費、工期管理が利益率を左右します。デジタルサービスでは、広告費、人材投資、解約率、案件単価を確認したいところです。

最後に、営業利益とキャッシュ・フローの整合性です。

営業利益が伸びていても、売上債権や在庫が増えすぎている場合は、資金面で負担が出る可能性があります。通期決算の銘柄では営業CF、四半期決算の銘柄では次回以降のキャッシュ・フロー開示を確認することが重要です。

まとめ

2026年5月15日の決算では、半導体・光通信関連と高収益サービスの強さが目立ちました。

キオクシアHD、AIメカテック、santecHD、テラプローブは半導体・光通信の回復や投資需要を反映しやすい一方、景気循環の影響を受けやすい点に注意が必要です。

アサヒインテック、木村工機は利益率の高さと計画の見えやすさが強みです。電算、DI、G-バトンズ、G-サイバーセキュリは、売上成長に営業利益の伸びが乗っている点が確認材料になります。

短期売買推奨ではなく、決算内容から見た確認候補として、次回の会社予想、受注・販売動向、営業キャッシュ・フローを追うことが重要です。

出典

本記事は、2026年5月15日に開示された各社の決算短信・決算説明資料などの計算書類を基に、業績、会社予想、財務安全性、株価指標を横断比較して作成しています。

株価・PERなどの補助市場データを使用した場合は、各詳細ページに記載された参照元を確認しています。

本記事は、公開情報に基づいた教育的・情報提供のみを目的としており、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨または勧誘するものではありません。掲載内容の正確性については万全を期しておりますが、その内容や将来の投資成果を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行っていただけますようお願い申し上げます。