| 影響する項目 | 会社都合退職 | 自己都合退職 |
|---|---|---|
| 必要な被保険者期間 | 離職前1年間に6か月以上で対象になる場合 | 原則、離職前2年間に12か月以上 |
| 給付制限 | 原則なし | 2025年4月以降は原則1か月の場合あり |
| 所定給付日数 | 年齢・加入期間により手厚くなる場合 | 一般は90日から150日が中心 |
ただし、本人が「会社都合だと思う」と言えば決まるわけではありません。
離職票、会社が提出する離職証明書、本人の申立て、証拠資料などをもとに、最終的にはハローワークが判断します。
会社都合退職とは
一般に会社都合退職と呼ばれるものは、雇用保険では「特定受給資格者」に関わる離職理由として扱われることがあります。
代表例は、倒産、解雇、大量離職、事業所の廃止、労働条件の著しい相違、長時間労働などです。
本人が退職届を出していても、実態として退職勧奨や労働条件の大幅な悪化などがある場合は、単純な自己都合とは違う扱いになる可能性があります。
自己都合退職とは
自己都合退職は、転職、家庭の事情、キャリアチェンジ、職場への不満など、本人の都合で退職するケースです。
自己都合退職でも、条件を満たせば基本手当を受けられます。
ただし、一般的には会社都合退職よりも、必要な被保険者期間や給付開始時期で不利になりやすいです。
違い1:受給資格に必要な加入期間
自己都合退職では、原則として離職前2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12か月以上必要です。
一方、倒産・解雇などにより離職した特定受給資格者や、一部の特定理由離職者は、離職前1年間に6か月以上で対象になる場合があります。
| 区分 | 必要な被保険者期間 |
|---|---|
| 一般的な自己都合退職 | 離職前2年間に12か月以上 |
| 倒産・解雇など | 離職前1年間に6か月以上で対象になる場合 |
| 一部の特定理由離職者 | 離職前1年間に6か月以上で対象になる場合 |
短期間で退職した人ほど、この違いは大きくなります。
違い2:給付制限
会社都合退職では、原則として自己都合退職のような給付制限はありません。
一方、正当な理由のない自己都合退職では、7日間の待期後に給付制限がかかる場合があります。
2025年4月1日以降に退職した場合、原則の給付制限期間は1か月です。
ただし、次のような場合は3か月になることがあります。
- 退職日からさかのぼって5年間に2回以上、正当な理由なく自己都合退職し受給資格決定を受けた場合
- 自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇の場合
また、2025年4月以降は、リスキリングのために一定の教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除される仕組みもあります。
違い3:所定給付日数
所定給付日数とは、基本手当を受けられる日数のことです。
これは、年齢、雇用保険の加入期間、離職理由によって決まります。
自己都合退職などの一般受給資格者では、90日から150日が中心です。
一方、倒産・解雇などの特定受給資格者では、年齢や加入期間によって、より長い日数になる場合があります。
離職票のチェックが重要
会社都合か自己都合かを確認するうえで重要なのが、離職票です。
離職票には、離職理由が記載されます。
内容に違和感がある場合は、ハローワークで手続きするときにそのままにせず、事実関係を伝えます。
たとえば、
- 退職勧奨を受けた
- 契約更新を希望したのに更新されなかった
- 労働条件が大きく違った
- 長時間労働が続いていた
- 賃金が大きく下がった
などの場合、メール、通知書、雇用契約書、就業規則、給与明細、勤怠記録などが確認資料になることがあります。
自己都合でも「正当な理由」がある場合
自己都合退職でも、病気、家族の介護、配偶者の転勤、契約更新の不成立など、やむを得ない事情がある場合は、特定理由離職者として扱われる可能性があります。
ここも本人の感覚だけではなく、資料と事実関係で判断されます。
退職理由に事情がある場合は、退職前から資料を残しておくことが大切です。
投資家目線での注意点
退職後は、収入が不安定になります。
給付開始まで時間が空くこともあるため、失業保険を前提に全資金を投資へ回すのは危険です。
最低でも、
- 給付開始までの生活費
- 健康保険料
- 国民年金保険料
- 住民税
- 転職活動費
は別に確保しておきたいところです。
まとめ
会社都合退職と自己都合退職では、雇用保険の加入期間、給付制限、所定給付日数が変わります。
ただし、判断は名称ではなく実態です。
退職前後は、離職票、退職理由、勤務実態の資料を確認し、疑問があればハローワークで相談することが重要です。
出典
本記事は、厚生労働省およびハローワークインターネットサービスの公的情報を基に作成しています。
- ハローワークインターネットサービス「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」
- ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」
- 厚生労働省「制度変更(令和7年4月)」
- 厚生労働省「Q&A 労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)」