決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1兆713.81億円 | 9,887.71億円 | +8.4% | 1兆400.00億円 | - |
| 営業利益 | 284.56億円 | 195.76億円 | +45.4% | 270.00億円 | - |
| 純利益 | 202.25億円 | 130.97億円 | +54.4% | 185.00億円 | - |
| EPS | 356.43円 | 230.88円 | +54.4% | 326.01円 | - |
本業改善は明確だが、今期比較には決算期変更の影響が含まれるため、そのまま単純比較はできない。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +54.4% | 前年同期比 | 大幅増益だが決算期変更の影響を含む |
| ROIC | 開示なし | - | 決算短信ではROICの開示がなく、ここでは推計を置かない |
| PER推移 | 約15.6倍 | 2026年5月7日時点の観測株価5,080円、会社予想EPS326.01円 | 食品株としては中立水準にみえる |
営業利益率は2.7%と依然高くはないが、前年差では改善が大きい。
ポジティブ要因
食肉事業が大幅増益だった
食肉事業の売上高は6,728億円で前期比14.4%増、経常利益は226.24億円で同84.3%増となった。国産鶏肉相場上昇や豚肉のリスク管理強化が寄与した。
海外事業の収益性も改善した
アンズコフーズでは北米向け牛肉販売や欧州向け羊肉販売の収益性改善がみられた。海外採算改善が全体を押し上げている。
株主還元は厚い
2026年3月期の年間配当は320円だが、このうち第1四半期末85円と第3四半期末90円は記念配当である。普通配当ベースでも145円を維持している。
営業CFは改善した
営業CFは136.63億円の黒字で、前期の100.16億円から増加した。利益改善が資金面にも反映されている。
リスク要因
売上と利益の伸びには決算期変更の影響がある
アンズコフーズ及び子会社の決算期変更により、当期の連結損益計算書には15か月分の成績が含まれている。本業の収益力とは異なる要因が含まれています。
加工食品事業は減収減益である
ハム・ソーセージや調理加工食品は消費者需要低迷で販売数量が減少し、原材料費と物流単価上昇も重なって加工食品事業の利益は減少した。
来期は減収減益計画である
2027年3月期は売上高1兆400億円、営業利益270億円、純利益185億円を見込んでいる。今期の反動を一定程度織り込んだ計画である。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
食品業界はコスト上昇圧力が強い
原材料価格や物流費の上昇、消費者の節約志向は継続している。価格転嫁と販売量の両立が課題である。
財務安全性
総資産は5,247億円、自己資本比率は56.2%である。借入金は増えたが、自己資本は2,947億円あり、財務安全性は一定水準にある。
業界動向との関連
食品・食肉業界は原料相場、物流費、消費者の節約志向、為替の影響を受ける。伊藤ハム米久HDは食肉市況に業績が左右されやすく、加工食品の収益改善も引き続き重要である。
株価への示唆
前提は、2027年3月期会社予想EPS326.01円、2026年5月7日時点の観測株価5,080円で、予想PERは約15.6倍である。今期大幅増益のあとに来期減益計画であるため、株価は持続的な採算改善の確度を見極める局面といえる。株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。
| シナリオ | 想定PER | 予想EPS | 理論株価 |
|---|---|---|---|
| 弱気 | 13倍 | 326.01円 | 4,238円 |
| 中立 | 16倍 | 326.01円 | 5,216円 |
| 強気 | 18倍 | 326.01円 | 5,868円 |
食肉事業の採算改善が継続し、加工食品も持ち直す場合は強気シナリオに近づく。一方、コスト上昇や消費低迷が続く場合は弱気シナリオに寄る可能性がある。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
今期の総括
2026年3月期は、食肉事業が全体をけん引した大幅増益決算だった。ただし、決算期変更の影響を含むため、利益改善の持続性は来期以降の確認が必要である。
来期見通し
会社は2027年3月期に売上高1兆400億円、営業利益270億円、経常利益280億円、純利益185億円、EPS326.01円を見込んでいる。今期からは減益計画であるが、持続的収益基盤の定着を目指す内容である。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。
総合判断
総合判断は中立である。今期は強い決算だったが、比較の押し上げ要因と来期減益計画を踏まえると、持続力を確認する必要があるためだ。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信・開示資料を基に作成しています。
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)、2026年5月1日開示
- 補足市場データ: 株価は市場データを参照しています。株価への示唆は会社予想EPSを用いて算出しています(2026年5月7日時点)