決算サマリー

項目当期実績前年同期増減率会社計画進捗率
売上高2兆4,435.33億円2兆4,315.68億円+0.5%通期未開示-
営業利益6,249.36億円6,973.19億円-10.4%通期未開示-
純利益5,744.54億円5,441.33億円+5.6%通期未開示-
EPS1,254.57円1,182.40円+6.1%通期未開示-

売上は高水準を維持したが、営業利益率は28.7%から25.6%へ低下した。最終利益は増えたものの、本業採算のピークアウト感もみられる。

定量評価

指標直近実績比較対象見方
EPS成長率+6.1%前年同期比1株利益は増えたが、営業利益率低下を伴っており質は慎重にみたい
ROIC開示なし-短信冒頭ではROICの開示がなく、ここでは推計を置かない
PER推移条件設定が難しい通期会社予想未開示バリュエーションは通期未開示のため、仮定を置いたシナリオ評価が必要である

数字から見ると、半導体投資の追い風は続くが、利益率は前期ピークから低下しており、単純な拡大局面とは言い切れない。

ポジティブ要因

売上規模は高水準を維持した

売上高は2兆4,435億円で前期比0.5%増となり、過去高水準を維持した。AIやデータセンター関連を含む半導体投資が需要を支えている。

中間期会社計画は強い

2027年3月期第2四半期累計会社計画は売上高1兆5,700億円、営業利益4,310億円、純利益3,280億円で、前年同期比で大幅増収増益を見込む。足元受注環境の強さを示す材料である。

財務安全性が極めて高い

自己資本比率は71.5%で、純資産は2兆699億円まで積み上がった。大型投資局面でも財務面の不安は小さい。

営業CFは高水準の黒字を維持した

営業CFは5,397億円のプラスで、現金同等物も5,054億円を確保している。設備投資と還元をこなしながら資金創出力は厚い。

リスク要因

営業利益率は低下した

営業利益は10.4%減、営業利益率は28.7%から25.6%へ低下した。売上が高水準でも、採算は前期より落ちている。

通期会社予想が未開示である

会社は通期連結業績予想を第2四半期決算発表時に開示予定としており、現時点では中間期しか示していない。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。

半導体業界は景気循環の影響を強く受ける

AI需要が強くても、装置投資は調整局面に入ると振れ幅が大きい。当該業界は景気循環の影響を強く受けるため、業績は一定ではありません。

株主還元負担は大きい

年間配当は628円で、配当総額は2,874億円に達した。財務余力はあるが、高い還元水準の維持には収益の継続が必要である。

財務安全性

自己資本比率は71.5%で極めて高く、半導体関連企業の中でも財務余力は大きい。営業CFは5,397億円の黒字、投資CFは964億円の赤字でフリーCFも大幅黒字を維持している。現金同等物5,054億円を確保しており、財務安全性は高い。

業界動向との関連

半導体製造装置市場はAI・データセンター向け需要が強い一方、投資サイクルの振れも大きい。東京エレクトロンの今期決算は、高需要を取り込みながらも利益率はやや調整した形で、拡大一辺倒ではない現在の業界局面を映している。

株価への示唆

通期会社予想EPSが未開示のため、ここでは第2四半期会社予想EPS721.12円を単純年率換算した1,442.24円を便宜的なシナリオEPSとして用いる。この数値は会社が示した通期予想ではなく、条件付きの仮定である。2026年5月8日時点の株価は51,640円であり、仮置きPERは約35.8倍となる。株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。

シナリオ想定PER予想EPS理論株価
弱気30倍1,442.24円43,267円
中立36倍1,442.24円51,921円
強気40倍1,442.24円57,690円

上記はAI・先端半導体向け投資が年度後半も継続することを前提にした試算であり、確定ではありません。中間期以降に装置投資が減速する場合は弱気シナリオに近づく可能性があり、逆に先端投資が想定以上に続く場合は強気シナリオもあり得る。

今期の総括

2026年3月期は、高い売上規模と利益を維持しながらも、営業利益率は前期ピークから低下した。半導体投資の恩恵を受けつつ、収益性はやや平準化に向かう兆しもある。

来期見通し

会社は通期見通しを未開示とし、第2四半期累計のみ売上高1兆5,700億円、営業利益4,310億円、経常利益4,370億円、純利益3,280億円、EPS721.12円を示している。中間期は強い計画だが、年度後半の市況と投資動向が未確定である。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。

総合判断

総合判断は中立である。財務安全性と中間期計画の強さは評価できるが、営業利益率は前期より低下し、通期会社予想も未開示のためだ。次回決算では、年度後半の需要持続性と通期ガイダンスの水準が最大の焦点となる。

出典

本記事は、対象企業が開示した決算短信・開示資料を基に作成しています。

  • 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)、2026年4月30日開示
  • 補足市場データ: 株価は市場データを参照しています。株価への示唆は通期会社予想未開示のため、中間期会社予想EPSを年率換算した仮定を用いて算出しています(2026年5月8日時点)
本記事は、公開情報に基づいた教育的・情報提供のみを目的としており、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨または勧誘するものではありません。掲載内容の正確性については万全を期しておりますが、その内容や将来の投資成果を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行っていただけますようお願い申し上げます。