選定条件

対象は、5月13日に決算ファイルがある銘柄のうち、人材採用・HR関連として事業連動性がある企業とした。

  • 対象日:2026-05-13
  • 対象領域:人材紹介、採用支援、HRテック、人材派遣、技術者派遣
  • 上限:1業界あたり最大5社
  • 評価軸:売上成長、営業利益、営業利益率、財務安全性、採用市場との連動性

人材採用・HR関連 5社比較

企業名|コード決算期主な位置づけ売上高営業利益純利益営業利益率
JACリクルートメント|21242026年12月期1Qハイクラス人材紹介135.39億円(+14.8%)43.89億円(+28.7%)30.03億円(+28.5%)32.4%
プラスアルファ・コンサルティング|40712026年9月期2QHRテック・タレントマネジメント93.41億円(+14.2%)36.92億円(+32.2%)25.18億円(+36.0%)39.5%
ムービン・ストラテジック・キャリア|421A2026年12月期1Qコンサル転職・専門職紹介13.38億円6.58億円4.36億円49.2%
ツナググループHD|65512026年9月期2Qアルバイト・採用支援88.06億円(-3.3%)4.78億円(+0.2%)3.23億円(+3.3%)5.4%
NISSOホールディングス|93322026年3月期通期製造系人材サービス1,114.30億円(+9.7%)31.90億円(-10.3%)19.02億円(-1.7%)2.9%

※営業利益率は売上高と営業利益からの概算。

1. 強いのは「専門職紹介」と「HRテック」

今回の5社で最も収益性が高いのは、ムービン・ストラテジック・キャリア、プラスアルファ・コンサルティング、JACリクルートメントである。

JACは、売上高14.8%増、営業利益28.7%増、純利益28.5%増。 営業利益率は32.4%で、ハイクラス・専門職紹介の採算の強さが出ている。

プラスアルファは、売上高14.2%増に対して営業利益32.2%増。 営業利益率は39.5%で、HRテックのSaaS型収益モデルが効いている。

ムービンは、売上高13.38億円に対して営業利益6.58億円。 営業利益率は49.2%と非常に高く、専門職紹介の中でも高付加価値領域に寄っていることがうかがえる。

2. 採用支援は「売上成長」より採算改善が焦点

ツナググループHDは、売上高が3.3%減少した一方、営業利益は0.2%増、純利益は3.3%増だった。 これは、採用支援領域で単純な売上拡大よりも、案件採算やサービスミックスの改善が重要になっていることを示す。

アルバイト・パート採用支援は、企業の人手不足が追い風になりやすい。 一方で、求人広告費、採用単価、顧客企業の採用抑制、人件費の上昇が利益を圧迫しやすい領域でもある。

3. 派遣・請負型は規模が大きいが利益率は低い

NISSOホールディングスは、売上高1,114.30億円と規模が大きい。 ただし、営業利益は31.90億円で前年比10.3%減、営業利益率は2.9%にとどまる。

製造系人材サービスは、稼働人数が増えれば売上は伸びやすい。 しかし、採用費、教育費、寮・福利厚生、待機人員、顧客工場の稼働率に左右されるため、利益率は高くなりにくい。

この点で、JACやムービンのような成功報酬型の人材紹介、プラスアルファのようなHRテックとは、同じ人材関連でも収益構造がかなり違う。

4. 業界全体の読み方

5月13日の人材・採用関連決算から見ると、採用需要はまだ弱くない。 ただし、全ての人材関連株が同じように伸びているわけではない。

今回の分類は次の通りである。

  • 高収益・専門職紹介型:JAC、ムービン
  • HRテック型:プラスアルファ
  • 採用支援・運用改善型:ツナググループHD
  • 大規模派遣・製造人材型:NISSOホールディングス

投資家目線では、単に「人手不足だから人材株が強い」と見るより、 どの領域で、どの利益率で、どれだけ継続的に収益化できているかを分ける必要がある。

見送り・補足候補

今回の5社には入れなかったが、関連性のある銘柄として、ヒップ、ワールドホールディングス、コンフィデンス・インターワークス、ヒューマンクリエイションホールディングスも確認した。

  • ヒップ:技術者派遣に近いが、当期ファイルでは純利益などの比較材料が限定的
  • ワールドHD:売上は増加したが、営業利益・純利益は減少
  • コンフィデンス・インターワークス:売上は増加したが、営業利益・純利益は減少
  • ヒューマンクリエイションHD:売上は増加したが、営業利益・純利益は大幅減少

採用・人材サービスは、売上増だけで判断すると読み違えやすい。 人員投資や稼働率の変化が、営業利益にどう反映されているかを確認したい。

今回の結論

5月13日の人材採用・HR関連決算では、JAC、プラスアルファ、ムービンの3社が収益性で目立つ。 とくに専門職紹介とHRテックは、売上成長がそのまま営業利益率に反映されやすい。

一方、ツナググループHDやNISSOホールディングスのような運用型・派遣型の人材サービスは、売上規模があっても利益率が低くなりやすい。 このため、同じ人材関連でも、評価軸は「売上規模」ではなく「利益率と継続性」に置くべきだ。

出典

本記事は、2026年5月13日に開示された各社の決算短信を基に作成。

  • JACリクルートメント:`2026年12月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)`
  • プラスアルファ・コンサルティング:`2026年9月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)`
  • ムービン・ストラテジック・キャリア:`2026年12月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)`
  • ツナググループHD:`2026年9月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)`
  • NISSOホールディングス:`2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)`
本記事は、公開情報に基づいた教育的・情報提供のみを目的としており、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨または勧誘するものではありません。掲載内容の正確性については万全を期しておりますが、その内容や将来の投資成果を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行っていただけますようお願い申し上げます。