投資でFOMOが起きる場面
SNSで急騰銘柄の利益報告を見たり、ニュースで特定テーマが繰り返し取り上げられたりすると、「今買わないと機会を逃す」と感じることがあります。目に入る投稿は成功例に偏る場合があり、損失や途中で売った人の結果が見えにくい点にも注意が必要です。
焦りが強いと、買う価格の妥当性や、会社の業績、商品の仕組み、損失時の影響を調べずに注文しやすくなります。上昇が続いた後に購入し、価格が反落してから不安で売るという行動につながることもあります。ただし、すべての話題株が割高という意味ではありません。自分で確認できる材料に基づいて考えます。
注文前に時間を置く
購入ボタンを押す前に、次の質問に答えてみます。
- 何を根拠に買うのか。事業や指数の仕組みを説明できるか
- 価格が何割下がったら、家計や気持ちに影響するか
- 投資期間と、資金を使う予定はいつか
- この情報がなかったとしても、同じ金額を買うか
答えをすぐ出せないなら、注文を一晩保留して情報を確認するのも選択肢です。価格上昇を見送ることは損失ではありません。機会を逃す不安を埋めようとして、生活資金や借入金を使うのは避けます。
長期・分散投資を選ぶ場合でも、商品や金額が自分に合っているかは別途確認が必要です。自分のルールを短く書いておくと、周囲の熱気で判断が揺れたときに戻る基準になります。
不安から増やした金額を、損失額に直す
架空の国内株を1株500円で100株買う予算5万円と決めていたのに、急騰を紹介する投稿を見て400株・20万円へ増やしたとします。購入後に30%下がれば、前者の損失は1万5,000円、後者は6万円です。これは手数料や税を省いた仮例ですが、同じ会社を選んでも投じる金額で家計への影響が変わります。
焦っている際は、上昇を逃した金額ばかり想像しがちです。そこで購入額を増やした理由が、新しい業績情報なのか、他人の利益を見た気持ちなのかを分けます。後者だけなら、当初の予算を変える事業上の根拠はまだ得ていません。
FOMOは英語のFear Of Missing Outの略です。心理を説明する表現であり、特定の病気の診断や、相場の天井を示す指標ではありません。一晩待てば必ず良い価格になるわけでもありません。待つ間に資料を読み、価格・投資理由・金額の不足を埋められることに意味があります。
参考資料
- 金融庁「資産形成の基本」
- 米SEC・Investor.gov「Say “NO GO to FOMO”」Lori Schock氏の解説(更新を終了した教育資料。取り残される不安という用語の説明)
参考資料の確認日:2026年10月23日。