架空の系統の需要と正味需要

何を表すグラフか

ダックカーブは、電力需要から太陽光や風力などの発電量を差し引いた「正味需要(ネットロード)」の一日の変化を示します。昼間に太陽光の発電が増えると、太陽光・風力以外の供給や需給調整で対応する量が小さくなります。夕方に太陽光発電が減り、需要が続くと、短時間で供給力を増やす必要が生じるため、曲線がアヒルのような形になることがあります。

この用語は、カリフォルニア州の系統運用者CAISOが太陽光発電の拡大に伴う正味需要の変化を説明する際に広く知られるようになりました。形や課題の大きさは、地域の発電構成、蓄電設備、需要の時間帯によって異なります。

投資との関係を慎重に見る

ダックカーブは電力系統の需給課題を示すもので、特定企業の売上や利益を直接予測する指標ではありません。蓄電池、送電網、火力の調整力などに需要が生じても、実際の収益は設備コスト、政策、競争、電力価格、許認可に左右されます。

関連企業を調べる場合は、受注残や投資計画、利益率、資金調達、事業リスクを確認します。テーマの必要性と投資先企業が利益を得られることは別の問いです。

正味需要を引き算してみる

架空の系統で12時の需要11MW、太陽光7MW、風力1MWなら、差し引く正味需要は3MWです。18時に需要12MW、太陽光1MW、風力1MWなら、正味需要は10MWになります。太陽光が減る一方で需要が続くと、ほかの供給などで対応する量が増えます。

ここでは輸出入や蓄電池の充放電などは別途考える単純例です。正味需要は太陽光を含めた総需要そのものではありません。また、MWは出力、MWhは一定時間に発電・消費する電力量です。蓄電池が何MW出せるかだけでなく、何時間その供給を続けられるかも別の条件になります。

蓄電池で昼の余剰を充電して夕方に放電する方法、需要の時間をずらす方法などが考えられますが、導入費用、電力損失、運用条件があります。設備の必要性だけから、関連会社が高い利益を得るとは限りません。曲線が示す系統の課題と、企業の受注・採算を分けて考える必要があります。

参考資料

参考資料の確認日:2026年10月23日。