修繕費を、売ればいつでも用意できると思う時
NISAの商品は売却できますが、必要な時に必要額で売れるとは限りません。60代で使う資金には、生活費の不足、住まいの修繕、家族の支援など、待ちにくい支出があります。資産防衛では、非課税の利益を増やすことと、期日に支払えることを分けます。
翌年の支払いへ届かなくなる仮例
架空の人が翌年に修繕費400万円を必要とし、その準備を既に保有するNISA内の株式投信500万円で賄うと考えたとします。支払い前に30%値下がりすれば時価は350万円となり、必要額に50万円足りません。複数年に取得済みの商品を想定し、税、費用や分配金、別の現金は無い条件です。
500万円がある時点では余裕があるように見えても、その余裕は価格が下がらない前提に依存しています。支出を延期できないなら、相場が回復するまで待てるとは限りません。この30%を最大下落とした例でもありません。
税制の条件と、商品の負担は違う
2026年10月23日確認の国税庁の説明では、NISAの対象利益は条件を満たせば非課税ですが、売却損は課税口座の利益や配当等との損益通算、繰越控除ができません。非課税という理由で、支払資金の不足を補ってくれる制度ではありません。
金融庁の家計・生活設計の説明は、お金が必要な時期を資産形成の条件に含めています。年金や就労収入で毎月の支払いをどこまで賄えるか、別に残す現金はいくら必要かで、運用へ回せる範囲は変わります。
年齢だけで、使う・使わないを決めない
60代でも、しばらく使わない資金があり、値下がりを負担できるなら長期運用を考える余地はあります。逆にNISAの枠が空いていても、埋めるために生活の予備費を移す必要はありません。
保有資産全体の集中、費用、売却後の入金までの条件も、家計と合わせて読みます。近い支出と当面使わないお金の役割が決まった後に、本人が負担できる額へ制度を当てはめる順序になります。
出典
出典確認日:2026年10月23日。