NISA口座で「遺産と資産形成」を考えるときの注意点:親のNISA株を、子が引き継ぐ架空の例、親の買値2,000円 → 相続日の時価2,800円、100株を、子の特定口座または一般口座へ、子が一株3,000円で売ると、相続後の利益2万円、子のNISAへ、そのまま直接移すことはできない、売却益の取得価額と、相続税の財産評価は別

親のNISA株を、自分のNISAへ入れたい時

親がNISAで持っていた株を受け取る場合、自分の非課税枠が空いていても、その株を自分のNISAへ直接移すことはできません。日本証券業協会のQ73では、相続人は特定口座か一般口座で受け入れ、取得日は相続発生日、取得価額はその日の時価と説明されています。

NISAは対象の運用益に関する税の制度です。遺産分割を済ませる制度でも、財産そのものを相続税の対象から外す制度でもありません。国税庁が説明する相続財産には、有価証券も含まれます。実際の相続税額は、他の財産や債務、控除等を含む個別の条件で変わります。

相続後の売却益を読む、一つの仮例

架空の親がNISAで一株2,000円の株を100株買い、相続発生日の時価が一株2,800円だったとします。子がその株を課税口座で引き継ぎ、後にすべて一株3,000円で売ると、相続後の売却益は合計2万円です。手数料等がない条件です。

親の買値から売値までの10万円全体を、子の課税口座の利益として計算する例ではありません。親のNISAで生じていた8万円の含み益と、子が引き継いだ後の2万円を分けます。これは売却益の取得価額の説明であり、相続税の財産評価額や、最終的な税額を計算したものではありません。

死亡の届出と、受け入れる口座

相続人には、死亡を知った後、遅滞なく「非課税口座開設者死亡届出書」を、亡くなった人のNISAを扱う金融機関へ提出する手続があります。死亡後に支払われた配当等は、届出前だから非課税のままという扱いにはなりません。

特定口座への受入れには、同じ証券会社の口座であることや、同一銘柄をまとめて移すことなどの条件があります。相続人や遺産分割の状況で必要書類も違うため、受入れ先を自己判断で決めず、取扱金融機関の相続窓口で条件を確認する場面です。

引き継いだ資産と、これから買う資産

相続した株を持ち続けるかは、本人の既存資産との重なりや、近い支出でも変わります。まとまった額だからと、すぐ全額を投資へ向ける理由にはなりません。

現金で相続した資金を使い、本人がNISAで新たに対象商品を購入することとは別の取扱いです。株を売って買い直す場合にも、売却の課税や値動き、本人の年間投資枠などの条件が残ります。引継ぎと新規購入を混ぜずに資金の使い道を考えます。

出典

出典確認日:2026年10月23日。