上がる市場の名前だけで買わない
相場が上がり、周囲の利益報告が増えると、自分も簡単に増やせる気がする場合があります。そうした期待の強い局面を欲望相場と呼ぶことがありますが、どこから該当し、いつ終わるかを示す公式な尺度ではありません。
価格が上がったことは事実でも、利益や事業がどれだけ変わったかは別に調べます。過熱していると感じたから必ず下がるとも、人気が続くから今後も上がるとも決まりません。
「売上が倍」の中身を見る仮例
仮想のA社で売上が10億円から20億円へ増えたとします。ところが費用も9億円から19億円へ増えていれば、単純な差額の利益はどちらも1億円です。売上成長だけでは、株主へ残る利益が同じ率で増えたと分かりません。
実際の企業では利益の段階や費用の内容をそろえる必要があります。上の数字は構造を単純化した架空例です。会社の決算資料を読み、実績なのか予想なのか、一時的な要因があるかも確かめます。
買う前の三つの欄
事実欄には元資料で確認した数値、予想欄には今後どうなると考えるか、金額欄には自分が投資する額を書きます。「みんなが買っている」「以前も上がった」は、予想の根拠として十分かを調べ直します。
下がった時にいくら減るかを円で計算し、生活費や近く使うお金を動かさないかを確認します。すでに持っている場合も、含み益があるので失ってよいお金とは限りません。
仕組みや価格の根拠が分からなければ、すぐ買わず資料を読む余地があります。利益を伸ばすため保有する時も、見立てが変わる条件を残します。相場の転換点を当てることより、自分が理解できる額と前提で判断を続けられるかを見ます。